杉山愛「わたしの妊活体験記」

第1回

わたしが結婚するまで

はじめまして。杉山愛です。
妊活をされているかたは今とても多いと思いますが、私もその1人でした。
妊活は楽しいことばかりではなく、泣いたり落ち込んだり、精神的にもつらくなったりしたこともありました。でも今はやってよかったと心から思いますし、妊娠することは本当に奇跡的なことなのだと感じています。
わたしの経験をお伝えすることで、少しでもみなさんのお役にたてれば幸いです。

結婚願望はあったけれど、優先順位No.1は「仕事」

わたしがプロテニスプレイヤーを引退したのは34歳。女性なら結婚・出産にあせる年代なのかもしれませんが、わたしはさほどあせりを感じていませんでした。
「20代後半あたりまでプロ選手を続け、その後は結婚するんだろうな」という漠然としたイメージは持っていましたが、プロテニスプレイヤーはすごくやりがいがあって大好きな仕事だったので、常にプライオリティのNo.1は仕事。
それに、自分の選手としてのピークを迎えたのは28歳。初めて世界ランキングトップ10入りし、8位になったのが28歳だったので、そこでやめるという選択肢がもてなかったということもあります。30代に突入するときはさすがに抵抗はありましたが、だからといって結婚するために現役を終えようという考えはまったくありませんでした。ボーイフレンドはいましたが、プロ選手の生活は年間8ヶ月近くは海外生活ですから、プロ選手を続けながら結婚するのは難しいことだろうなとも思っていました。

34歳までテニスを続けられたワケ

テニスが本当に好きだったんです。だから続けられました。
自分ではプロテニスプレイヤーが天職だと思っていました。
スポーツの世界では結果をださないとやっていけないものですが、頑張ったぶんだけ結果もついてくるからこそ、やりがいもありました。それに20~30代の一般の若い女性が経験できないようなことを、テニスを通してさせてもらっていましたから、そのほうが自分の人生とってはプラスになっていると感じていました。

やりきったからこそ、引退後はすっきりした気持ちに

そんな大好きなテニスの第一線から退いた理由は、パフォーマンス的に自分の限界を感じたからです。プロテニスプレイヤーのシーズンは10ヵ月半近くあるのですが、その間、自分を限界まで追い込んで、試合でもトレーニングでも常にギリギリのところで闘っていました。そんな生活は肉体的にも精神的にも、これ以上できないと感じてしまったんです。

だからこそ、引退したときは、すっきりしたすがすがしい気持ちでした。「やりきった」という感覚を得られたからでしょうね。
それに、テニスをやっていたからできなかったこと、ガマンしていたこともありましたから、自分のための時間がもてる、という喜びもありました。自分の家に帰って、自分のベッドで寝て、キッチンで料理して…というごく普通の生活が、わたしにはとても新鮮で。そういうことを楽しめる時間がようやくできた!と感じました。

引退後の「やりたいことリストNo.1」は「結婚・出産」

でも、いっぽうで、急に結婚や出産に対してあせりを感じたんです。
引退したときは34歳、その頃はボーイフレンドもいませんでしたから、ハッとしました。初めて「ああ、急がなきゃ!」って。引退後の自分の人生に対して、ワクワクしつつも不安だったんだと思います。
そこで「やりたいこと100リスト」を書き出しました。
「ハワイで挙式する」「ドルフィンスイムをする」「オーロラを見に行く」「ゴルフを70台でまわる」「富士山登頂」「マラソンに挑戦」などいっぱい書きました。そのリストで一番初めに書いたのが「結婚」「出産」だったんです。

「やりたいことリスト」の1番は「結婚」でしたが、積極的に婚活をしたわけでもありません。それまではテニス一色の本当にせまい世界で生きていたので、引退後は世界が広がって知り合うきっかけも増えるだろうし、すぐに誰かとお付き合いするよりも、浅く広くいろんな方と知り合いたいなと思っていました。なので焦っているわけではなかったんでしょうね。新鮮な生活を楽しみたい!という気持ちのほうが大きかったです。

引退後2週間で、運命的な出会い

でも、これが運命なんでしょうか…。引退して2週間後に今の主人と出会ったんです。
ゴルフのプロアマ大会に出場することになって、自分のスキルを上げるためにゴルフを習える人をコーチとして紹介してもらったんですが、それが主人でした。
出会ってすぐにお付き合いすることになり、この人と結婚できたら幸せだろうなと思いましたね。そのまま2年間お付き合いして、36歳で結婚。式は「やりたいことリスト」の1つであるハワイで挙げました。すべて自分たちで準備して、最高の結婚式ができたと思います。

次なるリストは「出産」でしたが…これについては、また次回お伝えしたいと思います。