「もしかして不育症かも…」不妊治療専門医がみんなの疑問&不安にお答え!【不育症を正しく知ろう】

妊娠したものの、2回以上の流産、死産(22週目以降にお腹の赤ちゃんが亡くなること)を繰り返す場合を「不育症」といいます。*
私たちは赤ちゃんに会えるの?と不安に思われている方も多いかもしれません。そんな「不育症」に関する不安やギモンに不妊治療専門医が答えてくれました。「不育症」について正しく知ることが第一歩です。
*不育症管理に関する提言2021(「不育症管理に関する提言」改訂委員会)より
不育症とは?
日本産科婦人科学会は、不育症を「生殖年齢の男女が妊娠を希望し,妊娠は成立するが流産や死産を繰り返して生児が得られない状態」(産科婦人科用語集・用語解説集 第4版 日本産科婦人科学会編)と定義しています。
流産を2回繰り返すことを「反復流産」、3回以上連続して流産することを「習慣流産」といいますが、最近では、2回流産を繰り返したら、不育症を疑ってくわしい検査をするようになってきています。
また、一度は正常に出産していても、2人目以降の妊娠の際に2回以上の流産、死産があった場合は、続発性不育症として、検査をし、治療を進めることがあります。
現在は、血液中や尿中のhCG値が陽性となっても、超音波で胎嚢が確認できない化学流産(正式には生化学的流産)は流産に数えません。子宮外妊娠(異所性妊娠)や胎盤をつくる繊毛細胞に発生する病気(胞状奇胎など)についても流産回数に含めないとしています。
不育症の原因って?
「不育症」とは、はっきりした原因のある病気ではなく、赤ちゃんが育たないさまざまな要因を含んだ状態のこと。そのため、「原因」ではなく、流産を起こすかもしれない「リスク因子」という言葉が使われています。
最近になって、不育症のリスクを調べる検査手法も進化し、ようやくガイドラインのようなものができつつあります。
ただ、まだわからないことも多く、検査をしても65%の人にはこれといった異常が見つかりません。
また、リスクがあっても、必ず流産するとは限らず、2回流産した人が治療をせずに次の妊娠で無事に出産する確率は約80%ともいわれています。
不育症の検査は、一部だけだと効果的な治療が行いにくいため、推奨されている検査は、一通り受けるほうがよいでしょう。
「不育症」考えられるリスク因子
●中隔子宮や双角子宮など「子宮の形態異常」
●甲状腺機能の異常や機能低下などの「甲状腺機能異常」
●自己免疫疾患のひとつである「抗リン脂質抗体症候群」
●夫婦どちらかの「染色体の構造異常」
●血栓ができやすい「血液凝固異常」
●リスク因子不明の大半で考えられる赤ちゃんの「染色体異常」
『はじめての不妊治療 体外受精と検査』より
不育症については、まだ原因を解明したり、予防をするための研究がされている段階で患者さんにとってもわからないことが多いですよね。
そこで「もしかして不育症かも?」と悩まれている方から寄せられた質問に不妊治療専門ドクターが答えてもらいました。
「もしかして不育症かも…」不妊治療専門医がギモン&不安にお答え!
Q.一人目を出産後、二人目で不育症になることもありますか?
A.もともと不育症要因はあっても一人目は運よく出産できるケースもあります
神奈川レディースクリニック(神奈川県横浜市)
理事長 小林 淳一 先生
Q.「着床前遺伝学的検査(PGT)」を受けられる条件は?
A.初めて「体外受精」をされる患者様に「PGT」を提案する必要性は高くありません
神戸ARTクリニック(兵庫県神戸市)
理事長 大谷 徹郎 先生
Q.2連続して流産を経験…不育症かも。受けるべき検査と治療方法は?
A.不育症の原因は様々です。検査結果をもとに原因に応じた治療を
立川ARTレディースクリニック(東京都立川市)
院長 右島 富士男 先生
Q.死産を経験。妊娠が継続できない理由として考えられることは?
A.大変つらいご経験でしたね。不育リスク因子スクリーニングを検討してみては?
峯レディースクリニック(東京都目黒区)
院長 峯 克也 先生
不育症検査の保険適用は?助成制度はある?
不育症の検査は、有効性や安全性が確認されているものは保険適用で受けられます。
検査をしても異常が見られない場合にさらに行う検査などは、研究段階として保険が適用されず自費扱いとなっていましたが、2021年4月から保険適用外の一部検査のうち「先進医療」として実施される検査が助成の対象となりました。
●対象者
2回以上の流産、死産の既往があるもの。
●対象となる検査
先進医療として実施されている不育症検査。現在は「流産検体を用いた検査」が該当。
流産検体の染色体検査を行うことにより、流産の要因が胎児要因であるか否かを知ることができる検査。この結果により、胎児染色体が正常であれば、親の要因による流産の可能性が高く、詳細な検査にすすむ指標となります。
●実施医療機関
当該先進医療の実施医療機関として承認されている保険医療機関のうち、保険適用されている不育症に関する治療・検査を、保険適用として実施している医療機関。
※実施している医療機関は限られます。厚生労働省のHPで確認を。
●助成額
先進医療検査費用に対して、1回につき5万円上限(助成回数の制限はなし)。
今後、有効性や安全性が確立された治療についても、順次保険適用をめざす方針が打ち出されています。この制度以外にも、保険適用の不育症検査に対する助成制度を設けている自治体もありますので、お住いの地域の自治体に確認してみましょう。
⇒全国の不育症相談窓口一覧
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