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不育症の原因が特定できないとき、できる検査・治療はもうないの?【不妊治療専門医がギモン&不安にお答え!/佐久平エンゼルクリニック】

2022/05/25 公開
2023/05/24 更新

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不育症は、原因(リスク因子)がわからない場合も多いと聞きました。検査で原因が特定できないときは、もうできる検査・治療はないのでしょうか?( M.Tさん / 34歳 )

A 当院ではテンダーラヴィングケアという不安を和らげる治療法に注目しています

原因不明不育症の治療法として注目のテンダーラヴィングケア

テンダーラヴィングケア(TLC)をご存じですか?

これは、原因不明の不育症への治療法の一つで、流産に対する不安を和らげるために患者さんの声に耳を傾けたり、やさしくいたわりの心で接する方法です。そうすることで、妊娠が順調に進み生児獲得率が上昇するというデータもあることから、特に原因不明不育症に対する治療法として近年重要視されているものです。

当院でもTLCの大切さをスタッフで共有して、患者さんによりそった治療をすすめています。

しっかり向き合ってお話ができるように、診察室は対面式です。

「不育症」は原因がわからない場合も多いからこそ患者さんに寄り添うことを大切に

流産を繰り返す不育症の方の中には、検査をしても明らかな原因がわからない人が65.3%も存在するといわれています。これらを「原因不明不育症」と呼んでいますが、たまたま赤ちゃんの染色体異常が続いてしまい流産を繰り返した場合と、現在の検査方法では検出できないリスク因子によって引き起こされた場合の2つの可能性が考えられます。

一般的に、不育症の原因がはっきりした方にはその原因に応じた治療を行いますが、原因不明不育症の場合は特に何も治療をしなくても次回の妊娠で無事に出産する確率は高いともいわれています。

しかし、当院ではTLCの重要性をスタッフ全員で共有し、患者さんのお話に耳を傾け、患者さんに寄り添った医療を心がけています。

内診室。超音波の画像が壁のモニターに映し出されるので、患者さんも一緒に確認することができます。

不育症を予防するためには、男性の生活習慣を正すことも重要です

不育症は、受精卵が着床して胎児となり無事に出産できるまでの過程のどこかで、妊娠が継続できずに流産(もしくは死産)となってしまう状況です。女性側の原因ばかりが注目されがちですが、実は男性側にも原因や不育症を予防するためにできることがあります。

まず、受精卵は卵子と精子が一緒になってできるものです。なので、いわゆる精子の質(より正確には精子のDNAに異常がないかどうか)も重要になってきます。

男性側の生活習慣(たとえば喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、ストレスなど)が悪いと、体内で活性酸素と呼ばれる有害物質がつくられるようになります。この活性酸素は酸化ストレスともよばれ、細胞を酸化させたり、細胞内のDNAを傷つけたりすることで、様々な疾患やがんなどあらゆる病気の原因になるとされています。

不妊症、不育症関連では、精子のDNAを損傷し、正常な受精が妨げられたり(いわゆる受精障害)、仮に受精卵になっても着床障害や流産の原因につながる可能性が指摘されています。

培養室。長野県下で有数な体外受精を行うことのできる技術と最新の設備を提供。

パートナーのため、生まれてくる子どものために健康的な生活を

妊娠をめざすうえで男性側のコンディションをいかによい状態に保つかは重要事項ですが、実は、妊娠がうまくいってその後、無事に出産までたどり着くうえでも、元になる精子の質をよくしておく(具体的には禁煙、暴飲暴食をやめる、ストレスフルな生活を改める、適度な運動をするなど)ことは非常に重要です。

また、妊婦の妻の脇でタバコを吸う夫はいまだにいらっしゃるのではないでしょうか。タバコに含まれる有害物質は、吸っている本人以上に周りにいる人に悪影響を与えるとされています。妊娠中に受動喫煙をすると、胎児に有害物質がダイレクトに影響し、低出生体重児、神経細胞の発育不良による発達障害、場合によっては胎盤血流量の低下による妊婦の妊娠高血圧や子宮内胎児発育不全、さらには流死産の要因になることも指摘されています。

このように考えると、妊活中に妻をサポートする夫の役割は非常に大きく、「男性は何もすることがない」ではなく、パートナーのために、生まれてくる子どものために、健康的な生活を送ることこそが重要かつ男性側にできる妊活への参加の仕方ではないでしょうか。

そして夫婦ともにバランスのよい食生活を心掛け、休日には一緒に近くの公園などで運動をしてみる、休み前は早めに就寝して睡眠時間を確保するなど、2人で無理なく楽しく妊活できるといいですよね。

開院して8年、産科施設に紹介をした卒業者数は1000名を超えました。

お答えいただいたのは


院長 政井 哲兵 先生

佐久平エンゼルクリニック

住所
長野県佐久市長土呂1210-1

電話番号
0267-67-5816

アクセス
佐久北IC・佐久ICより車で約5分
JR佐久平駅より徒歩約10分

休診日
水曜・土曜の午後

HP
https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/

時間
月/8:30~12:00・14:00~18:00
火/8:30~12:00・14:00~18:00
水/8:30~12:00
木/8:30~12:00・14:00~18:00
金/8:30~12:00・14:00~18:00
土/8:30~12:00
日/☆8:30~12:00
祝/☆8:30~12:00

☆…採卵、卵胞確認など、医師が必要と判断した場合は日曜・祝日も実施しています
※最終受付は診察終了の30分前となります

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