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自然妊娠だけじゃなく体外受精も年齢によって左右される? 流産率は?【不妊治療専門医に聞く】

2022/03/25 公開
2023/04/25 更新

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妊娠に最も影響するのは女性の年齢。だからこそ、最短距離での妊娠をかなえるためには、年齢に合わせた妊活プランを立てることが重要です。
そこで、妊活・不妊治療中のかたより寄せられた年齢に関する疑問をClinique de l’Ange(クリニック ドゥ ランジュ)の末吉智博 院長に伺いました。

Q.自然妊娠だけでなく、体外受精でも妊娠率は年齢によって低下する?

年齢が上がると、妊娠率が下がる一方で、流産率が上がってしまうと聞きました。流産率は、体外受精で妊娠した場合でも変わらないのでしょうか?
できれば自然に妊娠したいのですが、年齢的にはできるだけ早く体外受精にステップアップしたほうがいいのか悩んでいます。
(W.Nさん/36歳)

A.体外受精の場合も年齢とともに妊娠率は下がり、流産率は上がります。

年齢とともに卵巣機能は低下し、準備できる卵子の質も低下していきます。

自然妊娠では35歳ごろから妊娠率の低下が目立ちはじめ、年齢の上昇とともに、さらに妊娠しにくくなっていきます。また、流産のおもな原因となっている受精卵の染色体異常の発生率が高くなるため、妊娠しても残念ながら流産してしまうかたは少なくありません。この染色体異常は、精子や卵子をつくる過程で起こるもので、年齢の上昇にともなって発生頻度が高くなります。

この傾向は体外受精の治療成績でも同様で、年齢の上昇とともに体外受精の成功率(妊娠率)も低下していくことは事実です。ご夫婦ふたりの体の状態をしっかりと検査したうえで、可能であればできるだけ年齢の若いうちに体外受精をはじめたほうが短期間で妊娠・出産に結びつきやすいといえるでしょう。

質のよい卵のみを採卵する準備で成功率をアップ!

フランス語で“天使のクリニック”という意味を持つ、クリニック ドゥ ランジュ。
家族に幸せを運ぶ赤ちゃんという天使を、1人でも多くのかたに届けるお手伝いをしたい、という想いから命名されました。

院長の末吉先生がたいせつにするのは、患者さん本位の治療体制。365日年中無休の診療体制で、貴重なタイミングを逃さずに治療を行っています。

365日体制、完全予約制で待ち時間を最小限に。待合室でもゆったりと過ごせます(感染対策のため、現在は雑誌類は置いてありません)

「年齢を重ねると妊娠率が低下してしまう理由のひとつが、遺残卵胞です。
卵巣機能が低下するために、新しい月経周期が始まっても、卵巣の中に前の周期の古い卵子(遺残卵胞)が残ってしまうことがあるのです。遺残卵胞が残っていると、排卵が早く起こってしまうほか、受精卵の染色体異常などが起こりやすくなります。

このような原因をかかえている状態のまま治療を続けても、残念ながら妊娠には至りません。当院では、事前に遺残卵胞がないかをしっかり確認し、もし遺残卵胞があればそれをなくす治療を行います。
事前に治療を行い、まずは遺残卵胞をなくすことで本来その月に排卵すべき良好な卵子を確保することができ、妊娠の成功率を高めることができると考えています」

クリニック ドゥ ランジュでは、事前の治療を行ったうえで、投薬や注射を適切に使って排卵誘発を行います。1回の採卵で複数の卵子を採卵できれば、たとえ初回の移植で妊娠がかなわなくても、残っている凍結受精卵で再度移植にチャレンジできます。

「当院では、排卵誘発剤を患者さんの状態にあわせて使用しており、患者さんの身体的、精神的な負担を軽減できるよう、できるだけ少ない回数で妊娠に導く治療を提案しています」

豊富な知識と経験をもった培養士が在籍。

凍結技術を上手に利用して移植率・妊娠率を上昇

体外受精では、受精卵を培養して凍結し、翌周期以降に移植をする「凍結胚移植」が主流です。
なかでも、受精後5〜6日目まで培養し、胚盤胞といわれる状態になってから凍結する、凍結胚盤胞移植は妊娠率が高いことが知られています。
しかし、末吉先生は胚盤胞だけではなく、その前の段階の分割胚も凍結し、移植率や妊娠率をあげる取り組みを行っています。

採卵後など、ゆっくりと休んでいただけるリカバリールーム

「胚盤胞移植だけにこだわってしまうと、なかなか胚盤胞まで育たない患者さんにとっては、『何度も採卵にトライしているのに、移植まで進めない』というジリジリした思いを抱えることにもつながりかねません。

分割胚では妊娠できない、というわけではありません。一人ひとりの卵の状態にあわせて凍結のタイミングを見極めることも、治療成績の向上につながっています」

こうしたクリニック ドゥ ランジュの治療を支えているのが、熟練の技術をもった培養スタッフです。
培養室長は、培養歴23年のベテラン!受精卵の成長をきめこまやかに見守り、生まれる力のある卵から優先してお母さんのおなかへと移植しています。

「不妊治療には、この方法が誰にでも最善!という必勝パターンはありません。これまでの治療歴や妊活期間、年齢、月経周期や排卵時期などを総合し、薬の使いかた、採卵のタイミング、凍結のタイミング、そして体外受精の最後の関門、移植までを一人ひとりの状態にあわせて行っていく。

そのために、私たちは365日体制で患者さんをお迎えしています。
また、検査の進めかた、体外受精を含む不妊治療の方法、当院の治療方針などを動画にて定期的に配信しています。これからの妊活について気になることがあれば、ぜひ動画をご覧ください」

院長 末吉智博先生


1993年千葉大学医学部卒業。1995年に千葉大学医学部産婦人科学教室に入局。2003年加藤レディスクリニック勤務開始。2007年新橋夢クリニック副院長として新規開業の立ち上げに携わる。12年Shinjuku ART Clinic勤務。14年11月Clinique de l’Ange開業。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。日本生殖医学会会員。

Clinique de l’Ange(クリニック ドゥ ランジュ)

住所
東京都港区北青山3-3-13 共和五番館6階

電話番号
03-5413-8067

アクセス
東京メトロ千代田線・半蔵門線・銀座線「表参道駅」から徒歩5分

休診日
年中無休(日曜・祝日も診療しています)

HP
https://www.c-ange.jp/

診察時間

『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』は、主婦の友社が運営する妊活・不妊治療のお悩み解決メディア。ドクターや専門家監修の信頼コンテンツを中心に「妊娠したい」を全力サポートします。全国のクリニックや施設の検索もラクラク。

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