妊活がつらい…。気持ちがフッとラクになる、ネガティブな感情への対処法|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
妊活
妊活をがんばっているのになかなか結果が出ないと、気持ちがどんどん落ち込んでいくことがあると思います。
今回はTwitterやインスタで「さな吉」さんとして活躍中の、妊活コミュニケーション協会代表・鈴木早苗さんに、妊活中のネガティブ感情への対処法と自分を大切にする方法について教えてもらいました。
妊活中は、度重なるリセット、友だちの妊娠報告、夫婦間のすれ違いなど、ネガティブな感情が襲ってくるポイントが山のようにあります。
「あらゆる努力をしているのにそれでも結果が出ないのは、自分がダメだからだ」と自分の体を欠陥品のように思い、心の中で責め続けている人もいるかもしれませんね。
このような状態で気持ちを切り替えるのは至難の業……。
そこで、すぐできる「ネガティブな感情への対処法」をお伝えします!
その方法は実にシンプルです。
心の中で気持ちに“名前”をつけるのです。いわばモヤモヤした感情にラベリングする、というわけです。
自分は、
つらいのか
悲しいのか
不安なのか
困っているのか
焦っているのか
寂しいのか
苦しいのか
怒っているのか
自分の心に真摯に耳を傾け、感情に名前をつけて正体をあきらかにします。
これは、自分も相手も大切にした自己主張法のアサーティブ・コミュニケーションにおいては「自分に誠実になる」という大事な柱の一つに相当します。
また、心理学でも効果が実証されている方法で、ストレス緩和およびストレスへの耐性アップに効果があるとされています。
感情をごまかし、ふたをしてなかったことにするのではなく、まずは心の中で認めてあげる。なんのジャッジもせずにただ観察して、とらえる。
これはネガティブな感情にこだわるということではなくて、私たちの大事な一部として一度「きちんと認める」ということです。
心の中のつぶやきとして
「あー、私、いまつらいんだな」とか、
「私はものすごく悲しいんだな」とか、
「いま私、焦っているな」など、
「私は」を主語にして、等身大の気持ちをとらえます。
え? これだけ?と思うかもしれませんが、これだけです。
こんなシンプルな作業でも、やらずにモヤモヤのまま放置していると、漠然とした不安や悲しみに支配されてしまいます。
そうなると、物事を客観的に見ることができなくなって、感情を他人に(多くの場合は夫に)ぶつけたくなってしまうのです。
「私は」を主語にした等身大の気持ちをとらえることができると、次のステップに進むこともできます。
それは何かというと、「まわりの人を自分の応援団にしていくためのコミュニケーション」です。
流れを整理するとこんな感じです。
①気持ちに名前をつけて正体をあきらかにする
↓
②感情を認め、「私は」を主語にして自分に問いかけ等身大の気持ちをとらえる
↓
③「私」のニーズを把握したうえで、必要な助けをまわりに求めていく
自分とコミュニケーションを取り、そこで明確になった材料をもとに、他者とコミュニケーションを取っていくというイメージです。
ネガティブな感情に名前をつけて対処していくことは、妊活中に私たちが私たちらしくいるためにも、そしてまわりの人を尊重していくためにも、とても大事なことなのです。
たとえば、何度もリセットをくり返し、精も根も尽き果てている状態だとします。
①気持ちに名前をつけると、つらい、悲しい、絶望感、あたりでしょうか。
②心のつぶやきとしては、「あー、私は本当に心の底から悲しいんだな。つらくて絶望感に打ちのめされているんだな」となるかもしれません。
このように等身大の自分の気持ちを受け止めます。
ここまででも十分ですが、自分を第三者の視点から眺めるようなつもりで、「だから、私はどうしたいのかな?」「自分に必要な助けはなんだろう?」と考えてみます。
そうすると、いくつかあなたの自身のニーズが見えてきました。
・疲れたから少しお休みしたいかも…
・夫にもっと協力してもらいたいかも…
・クリニックの転院を考えたほうがいいかも…
この辺が見えてくればしめたものです。
なぜなら、ニーズがわかれば、③ニーズを把握したうえで、必要な助けをまわりに求めていく、という行動に移ることができるからです。
この中でも、「夫にもっと協力して欲しい」あたりは、もう少し的をしぼっていく必要がありそうです。
“協力”とはいったい何なのか?
“もっと”とは何をどのくらいなのか?
ここでもまた、自分に問いかけていきます。
たとえば家事分担の話だったら、通院の日はお惣菜を買ってきて代わりにご飯をやってほしい、となるかもしれないし、
妊活への関わり方の話だったら、クリニックに行った日は情報共有のため毎回5分くらい時間をとってほしい、となるかもしれません。
コツは、具体的で、相手が行動しやすい小さな的にしぼることです。これで伝わる可能性がぐっとアップします。
ここまで読んで気づいた方もいるかもしれませんね。
そうです。
かなり丁寧に自分とコミュニケーションを取っていますよね。これがいわば「自分を大切にする」ということなのです。
「自分を親友のように扱う」とでもいいましょうか。
親友が隣で泣いていたら、「どうしたの?」と声をかけますよね。いきなり「あなたが悪い」と否定したり、「あなたの体はポンコツだ!」と罵倒したりはしないはずです。
たぶん、話を十分聞いた上で、一緒に何がベストか考えますよね。
それと同じことを自分にもしてあげてほしいなと思います。
妊活は孤独な戦いになりがちです。
「気持ちに名前をつける」という小さな一歩が、自分を大切にすることにつながり、あなたらしく妊活をしていくための助けになります。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
心からエールを送ります!
↓自分のニーズを夫に伝えるコツはこちらの記事をチェック!
妊活コミュニケーション協会
代表 鈴木早苗さん
不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー
6年間の不妊治療経験者で、アサーティブ・コミュニケーション(自分も相手も大切にした自己主張)の専門家。講師歴は15年。治療中は、コミュニケーション講師でありながら、夫にうまく気持ちを伝えられず、話し合いの難しさを実感。その苦しみから抜け出すために自らの専門知識を総動員して現状を分析し、自分を客観視しながら、夫と対話を重ねていくことで「妊活コミュニケーション」を開発しました。ブログ「心が軽くなる不妊治療中のコミュニケーション」は15万PVを超え、多くの悩める夫婦の心の支えとなっています。Twitterやインスタグラムでは「さな吉」という名前で情報発信中!(@sanakichi8)
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