妊活

    体外受精の採卵期、胚移植期に気をつけたい20のこと。【妊娠しやすい体作り】

    公開日:2020.04.13 / 最終更新日:2020.04.23

    体外受精の採卵期、胚移植期に気をつけたい20のこと。【妊娠しやすい体作り】

    体外受精はARTと呼ばれる高度不妊治療。治療プロセスや費用の負担も少なくないので、心も体も整えてのぞみたいものですよね。そこで数々の実力派不妊治療クリニックの漢方外来を担当され、株式会社ウィメンズ漢方代表をつとめる住吉忍さん(薬剤師、国際中医師)に、体外受精の「採卵するとき」「胚移植をするとき」に分けて、心がけたいポイントを伺いました。西洋医学の最先端技術と伝統の中医学の相乗効果で、受精卵の着床率の底上げをめざしましょう。

    体外受精とは?

    体外受精とは卵巣から卵子を採取(採卵)し、精子と受精させたうえで、子宮に戻して着床させる方法です。一般不妊治療(タイミング法、人工授精)を続けても妊娠しないときに進みます。体外受精はARTと呼ばれる高度不妊治療で、治療プロセスや費用負担が少なくないことから、心身を整えてのぞみたいものです。

    体外受精の「採卵期」に気をつけたいこと

    卵子は4~6ヶ月ぐらいかけて成熟します。ですから採卵期前から食事や運動、睡眠などに気をつけて、日々健康的に過ごしましょう。

    また採卵期は体がぷるぷるとうるおっていることが大切だと、中医学では考えられていますが、現代女性の体は乾きぎみ。とくに加齢とともに体を温める力、うるおす力は低下してきます。ここでは体を乾燥させない、うるおいをできるだけ逃さないために気をつけるべきことを中心に採卵期に心がけたいことを説明します。

    「採卵期」体を乾燥させないため、気をつけること

    サウナなどで、大量に汗をかきすぎない。

    夜更かしをしない(中医学では、睡眠中は体をうるおす時間)。

    香辛料の効いた辛いものを食べすぎない。

    肉を食べるなら、潤す食材である豚肉がおすすめ。保水力のある野菜をしっかりと食べる。

    エアコンの風が直接当たらないように過ごす。

    「採卵期」女性の心身に大きな負担をかける採卵、パートナーは思いやりを形にして

     

    体外受精では毎日の注射など採卵日までがんばった女性を、パートナーはぜひねぎらって!この日ぐらいは「姫気分」をプレゼントしてあげてください。

    一般的に不妊治療専門クリニックでの採卵は朝早い時間に行われることが多いもの。採卵でクリニックに行くときに、「送っていこうか」など、男性から声をかけて送っていく。

    帰宅時など、「おつかれさま」とねぎらいのことばをかけ、女性が喜ぶものをプレゼントする。思いつかない場合には、ミニブーケなどいかがでしょうか? 花をプレゼントされて喜ばない女性はまずいません。

    体外受精「胚移植期」の過ごし方 OK?NG?

    体外受精できた良好な受精卵(胚)は凍結保存し、自然周期またはホルモン補充周期に融解して子宮に戻します。これが胚移植です。受精卵の移植の前後、妊娠判定を待つまでの間は誰もがナーバスになるものです。そわそわ期と呼んでいるかたも多くいますね。でも基本的に生活はふだんどおりでかまいません。医師からなにか注意を受けているときは、その指示に従いましょう。

    胚移植期OK! ビタミンDを積極的にとる

    ビタミンDは受精卵の着床環境を整えるという報告もあります。もともと不足しがちな栄養素でもあるので、「食事だけは不十分かも」と思ったら、サプリメントで補給しましょう。

    胚移植期OK! 胚移植後の安静は必要はなし

    「移植後は横になって、安静にしたほうがいいのでは」と思っている人もいるかもしれませんが、安静は不要。仕事も家事も運動も、ふだんどおりでかまいません。

    胚移植期NG! 受動喫煙

    たばこが妊活によくないことは明白ですが、受動喫煙にも気をつけて過ごしましょう。

    胚移植期NG! 飲酒

    移植期はアルコール摂取は控えたほうがよいでしょう。飲酒は避けましょう。

    胚移植期OK! 「やってもいいのかな?」と迷ったことは、しない

    仕事も家事も運動もとくに制限はありません。でも「これはよくないのかな?」と自分で不安に感じることがあれば、それは避けたほうがいいでしょう。たとえば「移植後、自宅で静かに過ごしたほうが落ち着く」のであれば、安静に過ごしてOK。無理に家事や運動を頑張る必要はありません。

    胚移植期OK! 不安な気持ちに、パートナーは寄り添う

    移植後は「どんな結果が出るだろう」と不安でドキドキするものです。なかにはいい結果が得られなかったとき、落ち込み過ぎないように「もしダメだったら……」と最悪の場合を想定している女性もいるでしょう。そんな女性の不安な気持ちに、パートナーはぜひ寄り添ってください。そのときに気をつけたいのは「聞く」ことに徹すること。男性としては励ますつもりで言ったことばが、逆に女性を傷つけ落ち込ませるケースも多々あるので、とくに発言には注意!

    たとえば「いい結果が得られるかな?」と不安になっている女性に「今さら、不安になっても仕方ない」「マイナス思考をするのは、よくない」などと言ったりしないこと。この時期は、不安になる女性の心の動きを否定せず、「女性の話をひたすら聞く」のが正解です。

    妊活の第一歩は「規則正しい生活習慣」です

    体外受精をするタイミングにかかわらず、妊活の基本は赤ちゃんが授かりやすい体づくり。あなたの体は赤ちゃんがやってきたくなるような、居心地のいい環境になっているでしょうか? 生活の見直しポイントをまとめます。

    生活の見直しポイントは「食生活」「運動」「睡眠」「サプリメントの活用」の4つです。

    「なあんだ! 当たり前のことばかりじゃないか」と思われるかもしれません。でも当たり前のことを、当たり前にできないのが多忙でストレスフルな現代生活。そしてその結果、「なかなか赤ちゃんが授からない」と悩む人が増えているのかもしれません

    妊活の基本1 バランスのよい食生活を心がける

    漢方には「医食同源」ということばがあります。体は自分が毎日の食事で食べたものから作られています。つまり食べることが健康な体づくりの基本となり、食べものは薬と同じぐらいに大事なのです。「ではバランスのよい食生活って、どういうもの?」「何を食べればいいの?」と思いますよね。

    一番簡単な方法が「旬のものを食べる」ということです。そしてさらに良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラル、脂肪などの栄養素をまんべんなく食べるように意識するとよいでしょう。

    1日3食、栄養バランスのとれた食事がとれれば理想ですが、忙しくてムリな人も多いと思います。まずは1日1食だけでも、栄養バランスを意識してみましょう。

    妊活では、「新しく何か始める」のも大事ですが、「今まで当たり前にしてきたことを止める」ことのほうをむしろ考えるべきかもしれません。たとえば朝食=菓子パン、昼食=そばやラーメン、コンビニ弁当など、夕食=遅い時間に糖質、脂質をたっぷり食べる。そんな食習慣の人も多いのではないでしょうか? 朝食の菓子パンを止める、あるいは野菜やたんぱく質が少なくて、糖質・脂質が多いコンビニ弁当を止めるなど、ほんの少しだけ今まで「当たり前にしていたこと」を見直すだけでも、体質は変わっていきます。

    妊活の基本2 運動を習慣にする

    仕事や家事で毎日忙しいと、なかなか運動するための時間をとるのは難しいかもしれません。簡単なストレッチやヨガなど、自宅で手軽にできる運動にトライしてみましょう。体を動かすと血液の循環がよくなり、体がぽかぽかとしてきます。女性に多い冷え症は血液の巡りを悪くして、子宮や卵巣に十分な栄養が届けられません。また運動をすると、妊活の大敵・ストレスの発散にもつながります。

    妊活の基本3 質のよい睡眠をとる

    質のよい睡眠をとって、心身の疲れをとるよう心がけましょう。

    陰陽のバランスが整っていることが大事だと考える中医学では、活動している時間は陽、休息している時間は陰と考えます。現代人は活動する時間が長く、休息する時間が短い傾向にあるため、陰が不足しています。午後10時から午前3時ぐらいまでが、陰を補うためのコアタイム。できるだけ日付が変わる前にベッドに入って眠るように心がけましょう。

    妊活の基本4 サプリメントを上手に活用する

    妊活を始めたいと思ったときに、積極的にとってほしいのがビタミンB群の葉酸やビタミンDです。これらビタミン類は食事からとるのが理想ですが、確実に栄養素を補給できるサプリメントを利用するのも、おすすめです。

    生活習慣を見直して、妊娠しやすい体づくりを!

    「赤ちゃんが欲しいと思ったら」心がけたい生活上の注意点をお話してきました。妊活中にしたいことは、どれもこれも当たり前のことばかり。だからこそ、一つでも悪い生活習慣を見直して、赤ちゃんが訪れやすい体づくりを心がけましょう。そして体外受精などの高度治療にも、万全の心と体でのぞみたいものですね。

    監修

    株式会社ウィメンズ漢方代表
    住吉 忍さん

    株式会社ウィメンズ漢方代表。薬剤師、国際中医師。東洋医学をベースに体質改善を通じて妊活をサポート。矢内原ウィメンズクリニック田園都市レディースクリニック京野アートクリニックはるねクリニック銀座みむろウィメンズクリニック八重洲中央クリニックの漢方外来を法人として担当。「Mersea~妊活中の体と心の不安に寄り添うアプリ」の開発も行っている。

     

    取材・文/植田晴美

     

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