妊活の基礎知識

    不妊治療の検査は痛い?辛い?「正しい知識があればコワくありません」不妊治療専門医がアドバイス

    公開日:2019.09.05 / 最終更新日:2019.09.17

    不妊治療の検査は痛い?辛い?「正しい知識があればコワくありません」不妊治療専門医がアドバイス

    「不妊治療のための検査ってどんなことするの?」「なんだか怖い」と思っている妊活ビギナーの方は少なくないのでは? 不妊治療の検査について事前に知り不安材料を取りのぞいておけば、安心して受けられますね。この記事では不妊治療の検査について、不妊治療専門クリニックのドクターがくわしく解説します。まだ不妊治療は考えていない人も、そろそろ不妊治療をしようかと迷っている人も、一度は検査を受けて自分の体のことを知っておくことが、妊活の第一歩になりますよ。

    不妊原因を探り治療をスムーズに進めるために、検査は欠かせません

    一般的な不妊治療の検査は、「低温期」「排卵期」「高温期」「月経期」など、月経の周期に合わせて行ないます。こうした基本の検査には1~3カ月ほどかかります。

    妊活をしていると、「一日も早く治療を進めたい」と思うでしょう。しかし、治療の指針となる検査は、不妊の原因を探るために欠かせません。ただ、検査で異常が見つかっても、それが直接の不妊原因とは限らない場合もありますし、検査に時間がかかると、そのぶん妊娠のチャンスが少なくなる面も。

    通常は、患者さんの経過や体調などを見ながら、検査と並行して治療も進めるので安心してください。

    血液検査●月経周期ごとに行なう基本の検査

    妊娠に向けて体をととのえるホルモンの値のほか、甲状腺疾患や卵巣の予備能力などを確認

    血液検査では、卵胞を発育させる卵巣刺激ホルモン(FSH)や、排卵を促す黄体化ホルモン(LH)といった血中ホルモンの値を調べます。その結果から、不妊の原因となる甲状腺の疾患や黄体機能不全、多嚢胞性卵巣症候群、クラミジア感染の有無などがわかるほか、卵巣の予備能力も判断します。

    甲状腺疾患やクラミジア感染が確認された場合は、不妊治療よりその治療を先に行なうのが先決なので、初回の検査で調べます。

    血中ホルモン量は月経周期の各期で行ないます。採血にかかる時間は1~2分程度ですが、結果が出るまでの時間は病院によってそれぞれです。

    月経周期によってホルモン量が変わるため血液検査は何度も行ないます

    「低温期」「排卵期」「高温期」など、月経周期によって分泌されるホルモン量が異なるため、何回か調べて変動を確認。月経が規則的な人は、卵胞が未成熟でエストロゲンの値も低い「月経期」に、卵巣刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)の基礎値も調べます。

    AMHは通常の血液検査と同時に調べられます

    AMHはアンチミューラリアンホルモンの略。AMH検査は、卵巣にどのぐらい卵胞が残っているか(卵巣の予備能力)を推定するもので、特別な検査は必要なく、通常の血液検査で調べられます。ほかのホルモンとは異なり、月経周期のうち、いつ検査をしてもOKです。

    血液検査で異常が見つかれば精密検査を行ないます

    基本の検査で排卵障害が見つかった場合は、特定のホルモンを注射後に採血し、検査の前後でホルモンの変動を調べる「ホルモン負荷検査」を、フーナーテストの結果が悪かった場合は、女性の血清の中に抗精子抗体がないかを調べる「抗精子抗体検査」を行ないます。

    採血した血液を送って結果は後日というクリニックもありますが、その時間ロスをなくすため「迅速判断機」を導入しているクリニックも。すぐに検査結果が出るので治療が効率よく進みます。

    超音波検査●子宮や卵巣内部を確認する検査

    子宮や卵巣の状態と異常の有無を調べます。受診のたびに行なう基本の検査

    超音波プローブを腟に入れて、子宮や卵巣の様子をモニターで確認する検査で、検査時間は1~2分。初診では、子宮の大きさや形、子宮筋腫・内膜症などの異常がないかを調べ、その後は毎回行ないます。

    低温期には卵胞の発育状態や子宮内膜の厚さを確認し、排卵期には卵胞の大きさを測定して排卵日を予測、高温期には排卵があったかどうかを確認します。また、月経期には卵巣内の未成熟な卵胞(胞状卵胞)の数を測定します。

    超音波検査で異常が見られたら「子宮鏡検査」を

    超音波検査で子宮内膜ポリープなどの疑いがあった場合は、子宮鏡検査を行ないます。低温期に腟から子宮内に内視鏡を入れて、モニターで観察します。子宮鏡には細いタイプとやや太いタイプがあり、やや太いものはポリープなどの切除もできます。かかる時間は約20分ほど。

    卵管造影検査●子宮内に造影剤を注入して卵管の状態を確認する検査

    精子や受精卵の通り道である卵管に詰まりや癒着がないかを調べます

    子宮内にカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、造影剤を注入してX線撮影をします。卵管がきちんと通っていれば造影剤が腹腔内に広がります。詰まりや癒着がある場合は造影剤が通りにくいですが、この検査をすることで卵管が広がって、検査後に妊娠することも。

    造影剤を入れるときに重い生理痛のような痛みを感じる人もいるので、検査前に痛み止めを処方することがあります。検査自体は1~2分ほどです。

    卵管造影検査のかわりとなる「卵管通水検査」は、卵管に生理食塩水を注入して通りぐあいを確認する検査です。X線撮影設備がないクリニックやアレルギーなどで造影剤が使えない場合に選択されます。かかる時間は10分ほど。

    迷走神経反射は卵管造影検査で起こる可能性があります

    痛みやストレスなどで神経が刺激されて、脳に送られる血液が少なくなり、目の前が暗くなったり、失神したりする「迷走神経反射」。緊張しやすい人に多いため、痛み止めを処方してもらう、無理せず途中でやめるなどの対処をします。

    卵管通気検査で体が「しびれる」ことが

    通気検査では、腟から炭酸ガスを注入し、聴診で卵管の通りを確認します。ガスが腹腔内に広がって横隔膜に触れると、神経が刺激されてしびれが出ることがあります。腹腔鏡手術でも起こりますが、時間がたてば回復します。

    頸管粘液検査●頸管粘液を採取して状態を確認し、排卵日を予測

    頸管粘液とは「おりもの」のこと。量や伸び具合から排卵が近いかどうかを調べます

    頸管粘液を採取して、量や透明度、伸び具合を調べます。頸管粘液は排卵日が近くなると量が増え、より透明になり、よく伸びるようになるため、排卵日予測に使われることも。頸管粘液の量が少ないと精子が子宮まで入りにくく、不妊の原因に。

    頸管粘液検査は排卵日数日前~排卵日直前に行ない、かかる時間は数秒ほどです。フーナーテストを兼ねる場合もあります。

    セックス後の頸管粘液を採取し、精子の状態を確認するフーナーテスト

    排卵日直前に性交し、3~12時間以内の頸管粘液を採取。そこに含まれる精子の数、濃度、運動率、形態が正常かなどのほか、子宮頸管粘液の状態や精子の動きを妨げる抗精子抗体の有無などを調べる検査が「フーナーテスト」。夫が精液検査がまだの場合は、このテストで代用することも。

    尿検査●尿中の黄体化ホルモンの量を調べて排卵日を予測

    排卵日が近づくと増える黄体化ホルモン(LH)。その濃度を調べて排卵日を予測します

    排卵日直前には黄体化ホルモンの分泌量が急激にふえ(LHサージ)、約36~40時間以内に排卵が起こるので、尿中に排出される黄体化ホルモンの量を調べて排卵日を予測。排尿後1~2分で検査できますが、結果が出るまでの時間は病院によって差があります。

    排卵日前からタイミングをとって排卵日をキャッチ!

    「排卵日当日にタイミングをとる」という誤解が多いのですが、予測された排卵日の前からとり始めたほうが、妊娠のチャンスが増えます。精子は女性の体内で2~3日生存するといわれているので、排卵日2日前からタイミングをとるのが◎。

    精液検査●射精した精液を採取し、精子の状態をチェック

    不妊原因の3~4割という男性不妊の原因を調べる検査

    採取した精液中の精子数や濃度、運動率、奇形率などを調べます。3~7日間ほど禁欲してからマスターベーションで採取しますが、クリニックではなく自宅のほうがリラックスできる人は、専用容器に入れて1~2時間以内に持参してもOK。結果が悪い場合は再検査をします。

    採取した精液を「精子運動解析システムSMAS」を使ってチェック。精子の運動率や運動状況などを、正確に計測することができます。

    鑑別用血液染色液セット「ディフ・クイック」を使うことで、動く精子を固定して奇形率などを調べられます。

    監修

    桜十字渋谷バースクリニック 院長 井上治先生

    福岡大学医学部卒業。慶応義塾大学病院産婦人科、東京医科歯科大学市川総合病院をへて、2018年より現職。一般不妊治療から、高度生殖医療、不育症までをカバー。じっくり話を聞いて、ていねいに説明してくれる」と評判です。渋谷公園通りのクリニックはアクセスのよさとホスピラリティの高さが『赤ちゃんが欲しい』読者に好評。

    「不妊治療のための検査企画」は『赤ちゃんが欲しい2019秋号』に掲載されています!

     

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