不妊治療

    「体外受精前に子宮内フローラ検査を」が新ルール!【不妊治療専門医監修】

    公開日:2020.01.14 / 最終更新日:2020.01.16

    「体外受精前に子宮内フローラ検査を」が新ルール!【不妊治療専門医監修】

    受精卵の着床や妊娠の継続に大きくかかわる子宮内の環境。2人目妊活中の読者が、どこまで研究が進んでいるのか、自分にできるのはどんなことか、最先端医療の東大病院の専門医に聞きました。

    東大病院の廣田先生、教えて!

    今回教わるのは
    あかほし読者の麻衣さん

    33才。第1子は3回目の顕微授精で授かり、現在1才に。そのときの体験から、第2子の妊娠にチャレンジするにあたり、「やれることはすべてやっておきたい」と望んでいる。かなり専門的な医学情報まで調べる勉強家。

    今回教えてくださるのは
    東京大学医学部附属病院
    女性診療科・産科講師
    廣田 泰 先生

    岡山県倉敷市出身。1998年東京大学医学部、2005年同大大学院医学系研究科修了。母子保健センター愛育病院、武蔵野赤十字病院、焼津市立総合病院などをへて、東京大学医学部附属病院に勤務。14年より現職。同病院の着床外来、子宮腺筋症外来で、不妊に悩む多くの患者さんに寄り添う診療・研究を続けている。専門は生殖内分泌学。

    腸の菌環境を整えることで腟や子宮の環境も変わる

    麻衣 第一子のときは、年齢のわりには授かりにくかったので、通っていた病院で先生から子宮内フローラの検査をすすめられました。
    そのとき、特にトラブルは見つからなかったのですが、自分で気になって、積極的に乳酸菌をとるようにしていました。今回は早めに妊活を始めようということで、産後6~7カ月のときに、2回採卵をして、今、凍結胚が10個あります。

    廣田 ああ、今の年齢なら、まず問題ないですね。タイミングをみてトライされれば。

    麻衣 着床を成功させるのに、子宮の中の環境をできるだけよくしたいという思いがありまして、何がいちばん効果的なのかなと。

    廣田 実際のところ、腟や子宮の中の細菌叢(フローラ)については、まだわかっていないことが多いんです。ただ、着床障害だけでなく、子宮内膜の免疫のデータなどを見ると、おそらく、特に炎症にかかわる病気では、腸の菌環境と関係しているということが最近わかってきています。腸と腟や子宮の環境は間接的につながっているらしいので、腸の環境を整えれば、腟や子宮の環境も変わるのかもしれません。乳酸菌をとることは、体に悪いことではないので、ひとつのアプローチとして、サプリなどを適正な量で使うことに問題はないと思っています。

     

    一般的な検査で原因不明の場合は、子宮内の検査が有効かも

    「時間もお金もかかる不妊治療。成功率を上げるためにできることはありますか?」(麻衣さん) 「子宮内膜に炎症があると、人工授精をくり返しても、うまくいかないことが。体外受精の肺移植前も、子宮内フローラ検査で菌バランスを確認するのがおすすめです」(廣田ドクター)

    麻衣 着床がうまくいかないのは卵のほうに問題がある、と考える病院が多い気がします。

    廣田 年齢に関係なく、子宮の状態がなんらかの理由で悪いかたがいらして、くり返しいい卵を移植してもうまくいかない。今はその段階ではじめて、子宮に問題があるかもしれないから調べてみましょう、ということになる。着床障害を最初から診断する方法があればよいのですが、まだ子宮因子による不妊の検査が一般化するレベルではないので、原因がわからず、悩んでいるかたは多いんですね。

    麻衣 原因がわからないのが、いちばん不安ですから。

    廣田 われわれの施設では、人工授精でうまくいかない場合、子宮内膜の検査をおすすめしています。内膜炎があれば、抗菌薬で治療して、炎症自体がおさまれば一般治療でも妊娠が可能になることがありますから。体外受精に進む前に、一度立ち止まって子宮の検査をしてみてもいいんじゃないかなと考えています。

    スペインのIVI Valenciaクリニックで、体外受精をしている患者さん35人を対象に子宮内フローラを調べ、着床や妊娠成績に影響を与えるか調べた結果、「子宮内フローラ正常群」が「妊娠率」「妊娠継続率」「生児獲得率」が高いと報告されています。(Moreno et al,AJOG,2016より改変)

     

    体外受精の胚移植前も、子宮内フローラ検査で菌バランスを確認するのがおすすめです

    麻衣 子宮内フローラ検査は一般的になってきていますか。

    廣田 いまはまだルーティンの検査になっていませんが、できれば全員に検査したいところです。そこでデータが集まってくれば、どういう人に効果があるか、治療をどうするといいかもわかってきます。
    麻衣さんはお産を経験されて、子宮内の菌の様子が変わっている可能性がありますから、胚移植前にもう一度検査されてもいいんじゃないかと思います。前が大丈夫だったから、今回もという保証はまったくないんですよ。

    麻衣 そうなんですね。わかりました。あと、何か自分でできることはありますか?

    廣田 治療はいつまでやれば、という先が見えないストレスがいちばん大変ですよね。だから治療だけに集中しないで、いろいろなことに目を向けて、生活をリラックスする、治療を乗り切る手だてを考えていただければと思います。調べることは調べ、前向きに進んでいくことが大切ですよね。

    麻衣 はい、ありがとうございました。

    サプリも市販されています!

    子宮内の環境を整えるのに役立つと考えられているラクトフェリンサプリは「もともと体にいいものなので、使われて問題ありません」と廣田先生。

    『子宮内フローラのためのラクトフェリン』8,100円税込/Varinos株式会社
    お問合せ先/ Varinos株式会社 https://www.varinos.com/
    TEL 03 – 5422 – 6501(平日9:00-18:00) info@varinos.com

    対談を終えて

    早く、早くとあせっていた気持ちが落ち着きました

    自分であれこれ調べすぎて、かえってよくないのでは、と不安でしたが、先生から「情報をしっかりと持ったうえで治療すれば、納得する選択ができる」と伺って安心しました。夫ともよく話し合ってとり組みます。(麻衣さん)

    取材・文/山岡京子 構成/大隅優子(主婦の友社)

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