35歳「いつもスムーズにいかない私」が逆転!初期胚移植で妊娠しました【不妊治療体験談】|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
体験談
不妊治療を通じて子宮内膜ポリープ、子宮内膜症などが判明した千草さん。そのトラブルを抱えながら、初めての体外受精で妊娠! 3回の転院など、回り道や気持ちのアップダウンも経験しましたが、振り返るとそれも必要な過程だったと考えられるようになったそう。
35歳。千草さんの悲願の妊娠までの道のりをご紹介します。
私が不妊治療を始めたきっかけは、夫の職場から海外転勤の打診があったことでした。最初はなかなかクリニックに行く勇気が持てず、つい先延ばしにしていたのですが、言葉が通じる日本にいるうちに、ひととおりの検査だけでもしたい。そう思って、最初の一歩を踏み出しました。
検査の結果、AMH(アンチミューラリアンホルモン)がとても低いことがわかりました。不妊治療を始めるまでAMHというワードを知らなかった私は、妊活できる時間が限られていることをつきつけられました。
それまでに自己流のタイミング法を1年。クリニック指導のタイミング法を3周期行いました。結果はすべて×。人工授精に3回トライして、それでも授からなければ体外受精にステップアップするつもりで、2019年7月に2度めの人工授精を行いましたが、結果は×。トータルで17周期の×です。
精子にトラブルはなかったので、卵子の質が問題かも?受精障害?それともピックアップ障害?夫と相談した結果、人工授精は2回で終わりにし、体外受精に進むことにしました。
治療費は100%、夫持ちです。体外受精にステップアップしたら、いったいいくらかかるのだろう。それも不安でした。夫に負担ばかりかけて、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
体外受精の説明会にはふたりいっしょに参加しました。通院する病院は、Sクリニックに決定。それが2019年8月のことでした。
体外受精のスタートは9月からの予定でしたが、それに向けて、1カ月前から自宅の近くで鍼灸治療を受けました。
鍼灸師さんは不妊の専門ではありませんが、あれこれアドバイスしてくれる方で、一度めの体外受精のあとに訪れたときには、自宅用のお灸をいただき、子宮によいツボも教えてもらいました。
そして、いよいよ8月末に体外受精がスタート。提出した検査データになかったホルモン値を調べると異常なし。プロラクチンも異常なし。今周期からのスタートがOKになりました。卵子はとれてもおそらく5~6個とのことで指定された日に自己注射をしましたが、思ったより卵胞が育たず、子宮鏡の検査をすることになりました。その結果、なんとポリープがあることが判明。前の病院では検査をしていなかったので、この時、初めて知ることになりました。
ドクターによるとポリープが不妊の一因になっていた可能性があり、とり除いたほうがよいとのこと。また、今回は移植は見送り、受精卵は凍結することになり、採卵日は4日後に決定。
結局、採れた卵子は2個でした。夫は2つ採れてよかった!と前向きでしたが、私は低AHMは厳しい…と実感。
その翌日、受精を確認しました。最初は1つしか受精が確認できず落ち込んだのですが、その後、2つとも受精しました。これを受けてドクターもはっきり「受精障害ではないですね」と話してくれたので、やはり不妊の原因はポリープにあったのかもしれません。
2つの受精卵のうち1つは、初期胚で凍結することにしました。もうひとつは胚盤胞まで様子を見ることに。
妊活中、妊活仲間を作りたくて「妊活オフ会」を主催。トータル20名以上の方に参加していただき、たくさんの仲間ができたことで、つらい不妊治療も乗り越えることができました。
あかほしカレッジで意気投合した、Mちゃんとは定期的に会っています。移植日前日にも会ってパワーをもらいました。あかほしがご縁で、素敵な友だちができました。
そして、11月に子宮鏡下手術を受け、ポリープをとりました。細かいものを含めるとかなりの数がありました。病理検査の際にオプションで慢性子宮内膜炎の検査もできるとのことだったので、そちらもお願いしたのですが、ポリープは良性だったものの、慢性子宮内膜炎があることがわかりました。
今まで原因不明の不妊といわれていたのに、転院したらポリープに慢性子宮内膜炎といろいろなことが判明…。でも、原因がわかってすっきりしました。移植前にわかってよかった!と前向きに考えなきゃ。
私が通院しているクリニックは改装のため休診になり、慢性子宮内膜炎の再検査は年明けの1月に、移植は早くても2月になります。一日も早く妊娠したかった私にとって、長い日々が続きますが、人生の数カ月なんて振り返るときっとあっという間に違いない。そう考えることにしました。
そして、年明けの1月中旬。慢性子宮内膜炎の再検査をしました。2週間後に結果を聞きに行くと…。ドクターの表情を見て直感!残念ながら、治っていませんでした。
前回より強い薬を服用することになり、移植できるのは2週間後に再検査をしてからという道のりです。薬で9割は治ると聞いていたのに、残りの1割に入ってしまった。移植までまた数カ月も待たないといけないなんて。
ショックすぎてその場で泣きそうになりました。ようやく声をしぼり出して、「9月に採卵して、また待つのはつらいです」とドクターに伝えました。
すると、ドクターからある提案が。私の場合は今回がはじめての移植なので、慢性子宮内膜炎が治ったと仮定して移植する手もあるとのこと。ただ、初期胚がひとつしかないので、決定はご本人にまかせますと言われました。私が選択したのは「再検査なしの移植」でした。
ところが、受診してみると予定より早く排卵していたことが判明しました。採血して調べたところ、前日か前々日に排卵していたとのこと。放心状態の私を見て、ドクターが言いました。
「胚盤胞は排卵日が特定できないと移植しないけれど、初期胚なら可能性はあるかも。これもご縁。今周期は排卵済みだから、移植しないと妊娠しない。内膜の状態はすごくいいですよ」
いつもスムーズにいかないのが私らしくて笑ってしまいましたが、結果、前々日を排卵日として、その翌々日に移植することに。
うまくいく確率は10~20%とのことでしたが、慢性子宮内膜炎では薬で治らない10%に入った私のこと。可能性が低い方に入れる気がしました。何よりも念願の移植にチャレンジできることがうれしかった!
初期胚をアシストハッチングありで移植し、後日受診するとなんと初の陽性判定が出ました。初期胚で?排卵済みで?
原因不明の不妊といわれていましたが、私の場合、子宮内膜ポリープと慢性子宮内膜炎が原因だったようです。
ここにいたるまで3回転院し、時間もお金も費やしました。でも、けっしてムダではなかった。不妊治療は一喜一憂。出口の見えないトンネルといわれますが、まさにそうでした。何度も心が折れそうになりましたが、費やしたたくさんの時間も、今は私たち夫婦には必要だったのだと思っています。
「女性の願いなら必ずひとつは叶えてくれる」と言い伝えられている石神さんのことを妊活仲間に教えてもらい、移植前に主人とお参りに行きました。
主人と妊活イベントに参加。加藤貴子さん、浅田先生の本を購入しサインを頂きました。夫婦でとても勉強になりました。
妊活中に飲んでいたベルタ葉酸サプリ。インスタグラムの妊活仲間と一緒に飲んでいて、無理なく続けられました。夫も一緒に飲めたのもよかったです。
(東京都/千草さん 35歳)
「可能性が低い方に入れる気がする」「何よりも初めての移植にチャレンジできるのがうれしい」「スムーズにいかないのが私らしい」。
何度も心が折れそうになりながらも、パートナーと自分を信じ、前向きな気持ちを持ち続けた千草さん、すばらしいです。赤ちゃんと出会うための回り道を、しっかりと歩んだのが結果につながりましたね。本音で話せる妊活友だちや、信頼できる医師に出会えたのもよかったですね!
READ MORE
おすすめの関連記事
PICKUP