精子に問題があっても自覚症状はない?いない!少ない!をくわしく解説【不妊治療専門医監修】|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
体験談
不妊の約半数が男性に原因があるともいわれ、最近ではテレビで特集を組まれるほど注目されているメンズの不妊。精子はどんな問題を抱えているのか、専門家にくわしくお話を聞きました。
精液を産生しているのは、精巣ではなく、精嚢(せいのう)や前立腺と呼ばれる器官です。無精子症であっても精液は射出されるので、ほとんどのかたは検査をするまで無精子症や乏精子症であることを自覚することはできません。
痛くもかゆくもないのに、病院に行って検査をするのは抵抗があると思いますが、なかなか子どもができない場合は、しっかりと検査を受けることをおすすめします。
「顕微授精するので精子が悪くても関係ない」と思われているかたが多いのですが、顕微授精であっても精子の状態のいいほうが妊娠率が高くなります。まずは、なぜ精子の状態が悪いのかの原因を探すための検査をして、精子をよくすることで、妊娠に近づくお手伝いをします。
EDで悩んでいるかたも多くいらっしゃいます。なかなか相談できないことも多いかと思いますが、まずは気軽にご相談いただければ、お役に立てると思います。
●乏精子症
精子の数が少ない状態。漢方薬の投与やホルモン療法で回復する場合もあります。少ない中でもどのくらいの数かによって、タイミング法、人工授精、体外受精を検討するべきです。
●精子無力症
精子の数は正常にあるものの、精子の運動率が40%以下、前進運動率が32%以下(通常の運動率は60~80%)、乏精子症と合併しているケースも。こちらも妊活方法は検討が必要。
●精巣上体炎
性感染症などにより精巣上体で炎症を起こし、発熱や精巣上体の腫脹、痛みなどの症状があります。炎症の自覚はあっても無精子症になっていることを自覚することはできません。
●精管欠損症
生まれたときから精子の通り道がない状態。見た目にもわからず自覚症状がないので、外科手術をした際に偶然見つかる、検査を受けてはじめて自覚するというパターンが多数。
●遺伝的な病気によるもの
検査の中で多く見られるのはクラインフェルター症候群。出生男児の1/660 人の頻度といわれ、長い腕と脚、小さな精巣などの特徴的な表現型を示しますが、自覚症状はありません。
●停留精巣
小児期に健診で指摘されて手術をすることが多いですが、まれにそのまま大人になる人も。その場合は、触ってみたときに精巣が陰嚢内にないことを自覚することが可能。
A.女性はブライダルチェックとして結婚前に検査を受けるかたもいますが、妊活を始めるならそのタイミングで、男性も検査を受けるのがベストです。
A.精液の状態は不安定な場合も多いので、2回以上の検査をおすすめしています。そのほうがいいという論文も数多く発表されています。
A.十分な睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動、精巣の温度が上がりすぎないようにする、精巣が電磁波の影響を受けないようにするなどがいわれていますね。
A.来院することに抵抗があるかたは、まず試してみても。精子の質まではわからなくても、いるかいないかは見ればわかって安心できます。ただし医学的な判断は専門医にゆだねましょう。
どんな状態でも授かる道はきっと見つかります! まずは検査を受け、専門医に相談をしましょう。
日本生殖医学会生殖医療専門医
寺井一隆先生
杉山産婦人科に設けられた「男性不妊症外来」の診療医を務める寺井先生は、現時点で日本に数十人しかいない泌尿器科の生殖医療専門医。精子の問題からED まで、幅広い知識でカウンセリングしてくれます。
<出典:妊活スタートBOOK2020>
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