【吉田明世さん】多嚢胞性卵巣症候群を乗り越えて妊娠!「ママになりたい気持ちに年齢は関係ない」|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
体験談
元TBSアナウンサーで現在はフリーのアナウンサーとしてご活躍されている吉田明世さん。2020年10月12日に、第2子の妊娠を発表されました。
今回は第1子の妊娠について、多嚢胞性卵巣症候群を抱えながらの不妊治療を振り返っていただいたインタビューをお届けします。
実は、吉田さんは28歳で結婚すると同時に、妊活をスタートさせています。周囲からは「まだ20代なんだから不妊治療は早いんじゃない?」「そのうちできるから、あせることないよ」という言葉をかけられることもあったそう。
でも、ママになりたい気持ちに年齢なんて関係ない。20代、30代、40代、妊活を始めるタイミングは人それぞれだけど、だれもが真剣に赤ちゃんを授かることを願っているはず。
なにげない言葉に涙を流したり、基礎体温の上下に一喜一憂したり、赤ちゃんを授かりたい気持ちが強いからこそ、しんどいことも多かった妊活。
でも、苦しいだけではなく、たくさんのたいせつなことを学べた期間でもありました。
28歳 結婚
妊活スタート。赤ちゃんを迎える準備をととのえるために産婦人科を受診。
28歳 多嚢胞性卵巣症候群と判明。
思いきって転院した病院で、「典型的な多嚢胞性卵巣症候群」と診断。
29 歳 妊娠判明
人工授精にチャレンジ後、妊活をいったんお休みしたやさきに自然妊娠。
30歳 第1子を出産
32歳 第2子の妊娠を発表
3人兄妹で育ち、祖母は保育園の先生。実家の隣が祖母の営む保園で、子どもたちの元気な声がいつも身近にありました。子どもがいる暮らしを夢みるようになったのは、そんな環境で育ったことも大きいかもしれませんね。
産婦人科に通い始めたのは、「風疹の予防接種など、赤ちゃんを迎える準備をととのえたい」という思いから。それに、子宮や卵巣が正常に機能しているのか、少しの不安もありました。
学生時代から重い生理痛に悩まされていて、特に冬は痛みで吐いてしまうほど。
アナウンサーになってからは、仕事に支障をきたさないようにとずっとピルを服用していました。また入社3年目から朝の番組を担当し、かなり不規則な生活になっていたことも、いざ妊娠を考え始めると心配に…。
検査を受け、特に問題が見つからなかったときは本当にホッとして「きっとすぐに妊娠できる!」とワクワクしていました。
ところが、2〜3カ月が過ぎたころから、生理周期が乱れ、タイミングをとろうにも排卵がなかなかこない、といった異変があらわれ始めます。タイミングを聞きに病院に行っても、予定がわからない。「排卵が遅れているのは、春休みみたいなものかな」と慰めてくれた先生の言葉にも、ちっとも気が休まらなくて、むしろ「いつまで春休みなの!」とモヤモヤ。
このころは、いつくるかわからない排卵を待ち続ける日々。ふつうだったら1カ月に1回あるはずの妊娠のチャンスが、なかなか訪れない。ようやくタイミングがとれても、生理がきてリセット…。
今、ふり返ってみても、いちばん苦しい時期だったな、と思います。
思いきって転院した病院で、「典型的な多嚢胞性卵巣症候群」と診断されたときには、驚きと同時に、どこかホッとした気持ちになりました。なぜ排卵がこないのか、そのなぞがとけて、「これで妊娠に向けて対策ができる」と前向きになることができたんです。
多嚢胞とわかってからは、自分でも勉強をして、体質改善に着手!野菜が多めの食事にしたり、漢方のお茶を飲んだり、毎日ジムにも通いました。自分でもできることがある、というのが励みになりました。
また、排卵誘発剤を飲み始めたおかげで、タイミングもとりやすくなりました。ただ、「がんばって成長してくれている」と思うと、卵子もわが子のように感じて、リセットのつらさも大きかったです。
仕事が忙しくてタイミングがとれなかったときのむなしさもなんともいえないものがあって、夫と険悪になったことも何度も。でもそのたびに思いを伝え合って、ふたりで前を向けたのは幸せでした。
妊娠検査薬も何本も使いました。生理予定日の数日前から毎日使って、「見えてない?」って友人に写メを送ったりして。フライング検査、しまくりですね。でも、チェックしないと気になってしまって。気持ちがスッキリするならいいんだ、と割りきってました(笑)。
もうひとつ振り回されたのが、基礎体温。高温期が続けば妊娠!でも生理がくる日って、本当にガクンと下がるんですよね。生理日が近づいてくると、体温が気になって夜中に目が覚めちゃうんです。
それで、意味ないとわかりながらも体温をはかる。低くなっていても「夜中だからかも」と思い直して、1時間おきにはかったり。しょっちゅう体温をはかって、いちばん高いデータを入力する。もう基礎体温の意味をなしていないですよね。結局0.1度の変動で一喜一憂して、夜もなかなか眠れないので、途中ではかること自体をやめました。苦しいことはするべきではないのかなと。
妊娠がわかったのは、夫婦でバカンスに出かけた旅先のホテル。帰国の日に、何気なく妊娠検査薬を使ったら、まさかの陽性反応!
きっと今月はムリだから、と気分転換に出かけた旅行だったし、人工授精にもチャレンジしていて、もう少ししたら体外受精も検討しようと話し合っていたところだったので、最初は信じられませんでした。
もしかしたら、常に一生懸命な妊活から少し方向転換できたのがよかったのかもしれません。おいしいものを食べたり、旅行を計画したり、今だからこそできることを満喫しようと考え始めた時期で、がんばるときはがんばる、でもがんばりようがないときは自分の人生を思いっきり楽しむ。
そのスイッチの切りかえを覚えてから、気持ちがラクになったように思います。
妊活の一年は、たくさん泣いて、悩んで、しんどかったけれど、この時間があったからこそ、命の誕生ってけっしてあたりまえじゃないとあらためて学ぶことができました。また、自分の体としっかり向き合って、きちんとケアすることのたいせつさも知ることができました。
妊活中はゴールが見えなくて不安になったり、通院と仕事の両立で悩んだり、いろいろなことがあると思います。ネットを見ると「お酒はダメ」「フライング検査はNG」とか、いろいろな妊活情報がありますが、あまり振り回されずに、自分が納得できる方法や過ごし方を見つけていけるといいのかな、と思います。私はリセットしたら、ビールをグビグビ飲んでいました(笑)。
赤ちゃんとの生活がただただ楽しみ。産休に入り、おなかの赤ちゃんとゆったり過ごす時間がふえるほど、今後の生き方も考えるようになりました。今までは仕事がすべてでしたが、妊活、妊娠を通して、変化している部分もあるのかも。出産後は、また新しい景色が見えてくるんだと思います。それが今はとても楽しみです。
『妊活スタートBOOK2018』より
東京都生まれ。2011年にTBSに入社、アナウンサーに。「ビビット」「サンデージャポン」など、ニュースからバラエティまで数多くの番組を担当。19年よりフリーアナウンサーに。16年10月に結婚。1年間の妊活をへて5月に第1子となる女の子を出産。20年10月第2子の妊娠を発表。
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