story妊活体験談

    おなかに手を当てて「あ、もういないんだ……」。金田朋子さん夫婦インタビュー

    おなかに手を当てて「あ、もういないんだ……」。金田朋子さん夫婦インタビュー

    声優、金田朋子さんご夫婦は42才から妊活をスタート。すぐに自然妊娠したものの流産するなど、つらい経験も。妊娠・出産までの道のり、高齢での妊活のリアルを伺いました。

    金田さん夫婦の妊活ヒストリー

    ・2013年(40才):結婚

    ・2016.1(42才):妊活スタート。タイミング法で自然妊娠

    ・2016.5(43才):8週目で流産。40代の妊娠率が低いこと、流産の確率が高いことを知る

    ・2016.9(43才):不妊検査。夫婦ともに問題はなし

    ・2016.10(43才):体外受精を決めた月に妊娠

    ・2017.6(44才):帝王切開にて無事出産

    「高齢になると妊娠しづらい」という事実も知らなかった

    ―4年間の交際をへて、2013年に結婚。当時、金田さん40才、森さん30才。お子さんについてはどう考えていましたか?

    :朋ちゃん(※金田さん)とつきあっていたときは、僕は俳優としてほとんど仕事がない状態でした。

    結婚した2013年は、やっとテレビに出していただける機会もふえて、軌道に乗り始めたとき。夫婦で番組に呼んでもらえることも多くて「今はとにかく仕事をがんばりたい」という気持ちがあったんです。

    子どもは、仕事をもう少しがんばってから、と思っていました。

    ―そんなふたりが、本格的に妊活をスタートさせたのが2016年2月。金田さんが42才のときでした。

    金田:正直言って、年齢のことはあんまり意識していなかったんです。実は高齢になると妊娠しにくいという事実も知らなくて……。

    今なら「仕事も大事だけど、検査だけでも早めに」って思えるけど、当時はふたりで叶えたい夢のことばかり考えていたんです。

    :朋ちゃんは運がものすごくよくて、運だけに頼って生きてきたみたいなところがあるから、赤ちゃんもすぐにできるんじゃないかって。ふたりで勉強不足だったよね。

    金田:そうなんです。それで、自分で排卵検査薬を買ってきてタイミングをとっていたら、2回目のチャレンジで妊娠して。

    :「やっぱり僕たち運がいいね」って、喜びました。

    ―ところが、2カ月後に初期流産してしまいます。

    金田:そのときにはじめて、40才での自然妊娠率は5%、妊娠できたとしても流産の確率もかなり高いと知ったんです。同時に「赤ちゃんを授かることって簡単じゃないんだ、奇跡なんだ」と思いました。

    流産は予想以上にショックな出来事でした

    ―一度おなかに宿ったはずの赤ちゃんが空に帰ってしまうという経験は、自分の予想以上にショックな出来事だった、と金田さん。

    金田:大好きな仕事にも行きたくないし、気づくとおなかに手を当てていて「あ、もういないんだ」と何回も悲しくなりました。流産してはじめて「自分はこんなにも赤ちゃんが欲しかったんだ」と気づきました。

    :僕も、朋ちゃんがこの年齢になるまで待たせてしまったことを反省しましたし、朋ちゃんの寝顔を見ながら「神様、僕と朋ちゃんに赤ちゃんを授けてください」と祈る毎日でした。

    ―当時のふたりは、子どものことだけでなく、ささいなことでも言い争いやケンカが多かったのだそう。

    金田:生まれるはずだった赤ちゃんは11月22日が予定日だったんです。

    ある日ぽぽちゃん(※森さんのこと)から「いい夫婦の日に生まれてくる予定の子だったから、ケンカしないでねっていうメッセージを残して帰っちゃったのかもね」と言われて、「そうかもしれない」って自分の中で消化できて、「またがんばろう」っていう気持ちになれました。

    子どもがいない人生もありなのかと葛藤

    ―流産後、ドクターに妊活を再開していいと診断された2カ月後、2人ははじめて不妊外来を訪れました。

    金田:ただ年齢のことがあるので、先生からは「治療を始めるならとにかく急いだほうがいい」と言われました。

    :体外受精もすすめられて、ふたりで講習会を受けたよね。

    金田:うん。でも、何も知識がなかっただけに、「こんなにお金がかかるんだ」「毎日注射をしなければならないんだ」って、驚くことが多くて。本当に無知でした。あらためて赤ちゃんを授かるって大変なことなんだと思いました。

    本格的な不妊治療が始まれば、決まった日に病院に行かなくてはならないこともあるけれど、仕事の都合上、すぐには治療に入れないし、「子どもがいない人生もあるのかな?」と考えたりもして。いろいろな葛藤がありました。

    :年齢のリミットもあって迷っているヒマはないから、あの時期はふたりでたくさん話し合ったよね。

    金田:そうだね。ケンカしないでっていう赤ちゃんからのメッセージもあったから、お互いに気をつけられるようになったしね。人間だからそれでもケンカしちゃうこともあったけれど(笑)。

    次にダメだったら体外受精に踏みきろう

    ―空に帰ってしまった赤ちゃんからのメッセージを心に置きながら、ふたりが話し合って出した結論は、「次にダメだったら、体外受精に踏みきろう」でした。そしてなんと、その月に妊娠が判明!

    金田:あまりしないほうがいいって言われていますが、生理予定日の前から1日に何度も妊娠検査薬を試して、ある夜、「今回もダメだったみたい」ってぽぽちゃんと検査薬を見ていたら、うっすらと陽性反応が出てきて。次の日も陽性になって、病院に行って妊娠していることがわかったんです。

    :前回のことがあるから、あとは初期流産がないことを祈って、安定期に入るまでも祈り続けてという日々だったよね。

    ―そうして2017年6月20日に無事に、待望の赤ちゃんが誕生。

    金田:そこまでの道のりが平坦じゃなかったから、会えたときの喜びは本当に大きかったです。赤ちゃんの顔を見て「ずーっとおなかを蹴っていたのはこの子だったんだー」ってなんだか不思議な気持ちでした。

    「ケンカしない、笑顔で」が妊活中の約束

    ―妊活中、葉酸のサプリを飲んだり、3食バランスのいい食事をとったりといった基本的なことのほか、心がけていたのは「とにかく笑って運気を上げること」。

    :妊娠の確率が5%といわれて落ち込んだこともあったんですけれど、可能性はゼロではないってこと。その5%になるためにはどうしたらいいかって考えたときに、治療やできることはなんでもして、あとは運気を上げるしかないって思ったんです。

    そのためには、ケンカをしない、ストレスをためない、日々笑って過ごすようにしようってふたりで決めました。

    金田:伊勢神宮、諏訪大社、日光東照宮とか、いろいろなところにお参りに行ったり、パワースポットに出かけたりもしたよね。

    :出かけた先では、必ずふたりで爆笑顔で写真を撮るんだよね。“笑う門には福来る”をそのままとり入れた感じです(笑)。

    妊活中は、今思うと、体を大切にしたり、夫婦でたくさん話をするいい機会でした。

    妊活中にケンカをしてしまう夫婦も多いと聞きます。でも、妊活はけっしてマイナスのことではなくて、赤ちゃんを迎える明るい未来につながっているんだから、ケンカしていてはもったいないなって思います。

    金田:私は「赤ちゃんができなければダメ」って決めてしまうと苦しくなると思ったので、「子どもがいない人生でもいい人生になるはず」って思うようにしていました。

    そんな中、私たちは本当に、運よく赤ちゃんを授かることができて、感謝ばかりなのですが、もっと長い期間、大変な治療を続けているかたもいらっしゃいますよね。

    今現在、できることは十分にがんばっていると思うから、「息抜きをしながら、笑いながら過ごす」ことが妊活をいい時間にするポイントなのかな?と思います。

    ―笑顔を忘れずに過ごした妊活で授かった赤ちゃんの名前は、千笑(ちえ)ちゃん。今後ますます笑顔いっぱいの森家になるに違いありません。

    金田夫婦の妊活episode

    次の妊娠に備えて葉酸サプリ

    流産してから、次の妊娠に備えて葉酸のサプリを飲み始めました。それまでは葉酸の存在すら知らなかったんです……。1人目の赤ちゃんはいろいろな予備知識をくれた子でもありました。

    不思議な出来事。鳴らないはずのおもちゃが!

    お風呂に浮かべると水で通電して歌うカエルのおもちゃ。流産した日と娘が生まれた日に、お湯をはってないお風呂場で鳴ったんです。「1人目の子も娘を歓迎してくれているんだね」と話しました。

    神社、パワースポットで運気をアップ

    運をとり入れられそうなことはたくさんしました。時間があったら、いろいろな神社や地域の氏神様にお参りに。パワースポットに行ってふたりでランニングすることも。

    アスリート並みのトレーニングをゆっくりに

    2回目の妊活中は運動にも気を使いました。マラソンが趣味で、夫婦いっしょにアスリート並みにトレーニングしていたので、ウォーキングもとり入れてゆっくりペースに。(金田さん)

    (赤ちゃんが欲しいクリニックガイド2018『35才以上の妊活Special Interview』より)

     

    金田朋子(かねだともこ)1973年神奈川県生まれ。2000年に声優デビュー。「おしりかじり虫」など数々の作品で活躍するほか、ナレーター、タレントとしても活動。金田さんのパワーの原動力に触れられる著書『44歳、元気に初産しました!』(エイ出版)が大好評発売中。オフィシャルブログはコチラ

    森 渉(もりわたる)1983年神奈川県生まれ。2005年映画『亡国のイージス』で俳優デビュー。学生時代に器械体操やトライアスロンをしており、スポーツバラエティに出演する機会も多い。オフィシャルブログはコチラ

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