体験談

    体外受精(顕微授精)採卵周期から助成金申請まで【総額約80万円の治療明細大公開!】

    公開日:2021.08.03 / 最終更新日:2021.08.10

    体外受精(顕微授精)採卵周期から助成金申請まで【総額約80万円の治療明細大公開!】

    スポンサーリンク

    妊活・不妊治療の中でも、費用負担が大きいイメージのある体外受精。私、ゆうこ(36歳)と夫(34歳)が都内にある不妊治療専門クリニックでそんな体外受精にふみきったのは2020年の秋、妊活8年目のことでした。

    これまで地方都市の病院でタイミング法や人工授精を行っていましたが妊娠にはつながらず、東京近郊への引っ越しのタイミングでステップアップも視野に入れ、不妊治療専門クリニックへと転院。半年強ほど通ったのちに、初めて顕微授精にチャレンジしました。

    治療にかかった費用の総額は約80万円。

    平均的な費用を上回ったのには2つの要因がありました。

    私の体験をもとに体外受精のお金にまつわる項目をピックアップしながら、費用がかかるポイント、また助成金についてなども紹介していきます。同じ治療を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

    はじめての体外受精~採卵周期まで~

    不妊治療のステップアップするには病院選びも大切。そんなふうに思ったのは、妊活を始めたころに通っていた地方の産婦人科医が放った言葉からでした。

    「本当に妊娠したことないの?」

    配慮なしに踏み込んでくる医師にはもう会いたくない…。

    東京近郊への引っ越しをきっかけに転院を決めてからは、口コミや治療実績を徹底的にチェックして安心して通えるクリニックを探しました。すると、仕事でも頻繁に通っていたエリアで、夜や土日も診療している不妊治療専門クリニックを見つけることができたのです。

    実は、まわりからは子供に興味ないと思われているくらい、ダンスと仕事の日々でした…

    2つの想いから提案されたのは「アンタゴニスト法」

    口コミ評価も高かった都内の不妊治療専門クリニックに転院すると、まず半年ほど人工授精を行いました。体外受精にステップアップしようと思ったのは、ちょうど5回目の人工授精を終えたときです。きっかけは、「年内くらいに妊娠できるように体外受精するのなら、いつ頃がいいのかな」という夫の言葉。以前から彼の中には「転院から1年くらいのうちに結果が出ないかな」という思いがあったようです。私もその意見に賛成し、次の診察で「ステップアップしたい」と医師に伝えるとすぐに対応してくれました。

    体外受精に向けた治療法として医師から提案されたのは、1回の採卵で複数個の卵子を採取できる「アンタゴニスト法」。これは、私が以前から医師に伝えていた「仕事と妊活を両立したい」、「今年はお金よりも成果を重視したい」という2つの想いをくんでの提案でした。

    アンタゴニスト法であれば、複数の卵子を1回で採卵できる確率が上がるため治療も進めやすいだろうとのこと。こうして、採卵に向けた治療がスタートしました。

    スポンサーリンク

    通院回数を抑えるために自己注射を選択!その種類とは

    アンタゴニスト法では、複数個の卵子を成長させるためにホルモン注射を行います。通院して注射を打ってもらうことも可能ですが、できるだけ仕事に支障を出したくなかったため私は自己注射を選択。そのおかげで、採卵までの通院は5回に抑えられました。

    自己注射は全部で3種類あり、1番多く打ったのが卵胞成熟ホルモンである「フォリルモン」。そのほか採卵3日前に、卵子を受精可能な状態まで成熟させる「hCG注射」と排卵を誘発する「HMGフェリング」を打ちました。

    自己注射は、調合も注入も意外と平気で楽しんでいました…

    自己注射への恐怖感はほとんどなく、慣れてきたらオンラインミーティングの最中に画面に映らない場所でさくっと処置できるほど手慣れました。この時期には、体がだるく疲れやすくなったり3~4kgの体重増加があったりといった変化もありましたが、これはおそらくホルモン剤による影響だと思います。

    麻酔が効きにくい体質だったのはなぜ?

    自己注射や点鼻薬などの処置を続けて1週間、迎えた採卵当日。この日は午後から仕事の予定が入っていたため、医師に「早く仕事に戻りたい」という希望を伝えると「では、麻酔の量を調整しましょう」と、麻酔の量を少し加減して対応してくれました。この判断のおかげで、採卵が終わる頃には意識もはっきりとして、リカバリールームへも自分の足で向かえました。

    しかし、早すぎる回復には代償も…。本来であれば意識が薄れていく採卵中に、私は少なくとも3回以上「痛い痛い!」と覚醒したのです。普段はあまりこういったことはないようなのですが、どうやらお酒が強い人は麻酔が効きにくいこともあるのだとか。(身に覚えあり…)

    さらに、ホルモン剤の影響で体重が増えていたことをすっかり忘れていた私は、採卵前に体重を聞かれたときに以前の体重、つまりは無意識にサバを読んだ数字を伝えてしまったのです。こうしたことがかさなって通常より痛みの伴う採卵となりました。

    総額24万以上!採卵当日の費用と採卵周期の総額

    採卵を終えたら少しの間リカバリールームで安静に過ごした後、医師や培養士から今後の説明を受けます。すべての処置を終えて会計時には、この日の採卵にかかった費用11万7,120円を支払いました。なお、自己注射などを含む採卵周期の5回の通院で支払った治療費の総額は、24万7,960円です。

    はじめての体外受精~受精から凍結まで~

    アンタゴニスト法での処置によって、はじめての採卵では7個の卵子が採れました。当初は10個の予定といわれていましたが、採卵してみると未成熟なものもあったようです。

    受精方法は7個すべて顕微授精に

    採卵当日は仕事の都合で夫が来院できなかったため、精子は自宅で採取して持っていきました。精子の状態によって、卵子に精子をふりかけて受精する「体外受精」か、卵子と1つの精子を直接結びつける「顕微授精」かの判断がなされます。

    私たちの場合はかなりの早朝に採精したこともあったのか、この日に限って精子の運動率の数値が悪く、医師からはすべて顕微授精で受精させることをすすめられたのでその判断に従いました。

    受精したかな?凍結できたかな?お花を見て気持ちを落ち着かせていました。家には生花を常に飾ってパワーをもらっています。

    2日後に6個の受精を確認、初期胚での凍結も

    顕微授精による卵子の培養がスタートすると、受精状況は電話での確認となります。2日後にこちらから電話をかけて受精卵の状況を教えてもらいました。このときわかったのは、7個のうち1個は顕微授精でも受精が行えないということ。しかし、残りの6個は培養中だということでした。

    それから数日後、改めて培養の進捗を確認したところ1個は4分割の初期胚で、残りの5個は胚盤胞で凍結できたといわれました。1つを初期胚で凍結したのはクリニックの方針によるもので、人によっては胚盤胞になりにくいケースもあることから、このような提案をされているそうです。

    >>受精卵と胚の違いとは?胚のグレードって?

    顕微授精のほうが費用はUP!凍結も1本ごとに金額が変動する

    私が通っていたクリニックでは、体外受精よりも顕微授精のほうがより費用がかかりました。体外受精は1回2万2,000円で卵子の数によって金額の変動はなし。しかし、顕微授精は基本の手技手数料1万1,000円+1万1,000円×卵子の個数分の費用が必要だったのです。

    そのため私の場合は、受精と培養でまず7万7,000円かかっており、すべての受精卵を1度凍結するための費用としてさらに7万7,000円がかかりました。加えて、凍結卵をクリニックで保管してもらう費用として2万2,000円(初年度費用)も必要です。

    こうしてひとつずつ見ていくと、受精方法や培養・凍結の数で体外受精の費用が変動していくことがわかると思います。

    総額30万円以上!受精から凍結までにかかった総額

    受精と培養、凍結にかかった費用は、1週間後にクリニックを訪れときに請求がありました。

    総額は30万2,280円

    体外受精になると大きな金額の請求が増えてくることは想定しながらも、あえてこのときは治療費について深く考えないようにして気持ちの対処をしていました。体外受精にふみきってからは自分の給料はないものだと考えて、夫のボーナスや少し前に支給された新型コロナウイルスの給付金なども活用していきました。 

    はじめての体外受精~移植周期~

    無事10月末に採卵を終え、「年内には移植ができる」と思っていた矢先のこと。なんと、私の子宮にポリープが発見されたのです。見つかったのは医師から「念のために…」と提案された子宮鏡検査のときで、このポリープは着床を妨げる可能性があることから、受精卵を移植する前に除去することをすすめられました。その後、日帰りで手術を行っているクリニックを紹介してもらい、年が明けたらすぐに切除。予定より3カ月程遅れて移植周期を迎えました。

    移植前には感染症などの検査も実施!

    移植をする前には、各種ホルモンや感染症の検査が行われました。初診から1年以上が経っていたため検査項目にはHBs抗体、HIV抗体、HCV抗体、梅毒などの性感染症、はしかや風疹などの感染症検査といった有効期限が切れていた検査も一部含まれています。

    検査数も多かったことから、この日の費用は4万4,960円かかりました。

    思いのほか高い薬代。寝ぼけて飲んでしまったことも…

    移植周期には内膜を厚くして着床しやすくする膣剤の「ウトロゲスタン」や「エストラーナテープ」などが処方されました。こちらの薬代なのですが、思いのほか高い…。その額は、移植周期全体で約5万円を超えるほどでした。

    加えて、1日に何度も服用しなければいけないことも大変でした。とくに膣剤はにおいも気になり、苦痛は倍増。実は膣剤を1度寝ぼけて飲んでしまって、激しい吐き気に襲われたこともあります。あのときは本当に焦りました…。

    薬が多いので携帯にアラームをセットして飲み忘れ防止!

    アシストハッチングも実施!移植日の総額とは

    いよいよ移植日当日です。融解した受精卵を子宮へと戻していきます。移植では、医師の判断で着床をサポートするアシストハッチングがオプションに加えられていました。SNSなどで「アシストハッチングをしてもらうかどうかを悩んでいる」という声を見かけていたので、処置の有無は選ぶものだと思っていたのですが、私の場合はまさかの事後報告スタイル。どうやら、金額よりも成果を優先するという私のスタンスに沿った方針だったようです。

    まったく不満はないのですが、こういったパターンもあるという参考にはなるかと思います。移植日には総額で14万9,600円支払いました。

    移植は本当に瞬時に終了!安静時間もなくすぐに帰れました。

    【移植周期の総額】総額23万円以上!

    「年内には移植ができる」と思っていたところに子宮内膜ポリープが見つかり、思わぬ方向転換もありましたが、無事に移植を終えました。移植周期全体でかかった総額は、23万5,690円です。採卵から半年ほど経ちましたが、移植できたことで、まずは一安心できました。

    はじめての体外受精~総額と経費~

    体外受精を行うために使った費用について振り返っていくと、侮れない経費がありました。それが検査待ちのお茶代や交通費です。ここからは、これらの経費を含めた総額について見ていきましょう。

    総額70万円以上!クリニックに支払った総額とは…?

    まずは、クリニックに支払った総額について。体外受精をするための総額は、78万5,930円となりました。

    総額にしてみるとかなりの出費ですね…。平均的に体外受精は約50~60万円と聞いていましたが、私たちの場合はアンタゴニスト法で卵子を複数採卵したこと、そのすべてに顕微授精を行ったことが金額を引き上げた要因かと思います。 

    侮れない交通費や検査待ちのお茶代

    振り返ると意外に増えていた経費が、交通費とお茶代です。治療がある日は諸々の交通費として約2,000円かかっていました。さらに、ほとんどの診察時には血液検査があり、結果待ちが1時間ほど発生します。

    仕事がしたかった私は、血液を採ったらすぐに近くのカフェに直行。「頑張る自分へのご褒美」と、ちょっと高めの飲み物やお菓子を頼むとお茶代で約1,000円の出費が必須でした。振り返ってみると、毎回なかなかの経費であったと感じています。

    職場の理解は重要!給与への影響はある?

    おもな通院は夜と土日に行い、採卵の日だけ半休し別日で時間補填したため、妊活によって給与が減ることはありませんでした。私が働く会社は、在籍者の95%以上が子育て中のママという会社のため、妊活に対しての職場の理解はかなりあります。以前の会社では、職場環境が整っていなかったために妊活をはじめたものの結局、通院できなかったこともあったので、職場の理解はとても重要だと思いました。

    体外受精を終えるまでの総額は80万円超え

    1回の採卵~移植までで80万超え!いろんな事情があいまってこの金額に…

    交通費やお茶代などを含めると、体外受精を終えるまでにかかった総額は82万4,930円(1回通院あたりの経費を3,000円と概算)。治療費以外は節約できる範囲でもありましたが、それでストレスが溜まるくらいなら、少しでも楽しく満足して過ごせる時間にしたい、とあまり自分に厳しくしすぎませんでした。振り返ってみて「意外と出費があったな」とは思いましたが、充実した時間の使い方はできたように思います。

    はじめての体外受精~助成金申請~

    体外受精にかかった費用は、特定治療支援事業の助成制度を利用して助成金を申請しました。手続き自体は難しいものではなく、治療を終えた後にスムーズに提出することができました。

    所得制限がなくなったことで申請可能に

    お互いに仕事をもつ私たちは、以前の不妊治療費の助成制度だと世帯収入での所得制限にひっかかってしまうため助成金の申請ができませんでした。しかし、令和3年1月1日以降の不妊治療に対してはこれまでの所得制限がなくなったため、申請ができるようになったのです。ポリープ手術をしたことによって少し移植が先延ばしになったことが功を奏した出来事のように思います。

    国からの30万円に自治体からの3万円がプラス!

    助成金を申請したことによって、33万円が手元に戻ってきました。申請時は、還付までに3カ月かかるといわれていましたが、1カ月半で入金してもらえるなど対応も素早かったです。

    なお、国からの給付金は30万円でしたが、わたしたちの住んでいる地域の自治体独自の制度が加わり、3万円がプラスされています。このあたりの金額は、地域によって違いがあるようですね。

    移植を終えるまでの実質総額はいくら?

    助成金を除くと、はじめての体外受精を終えるまでに実質クリニックに支払った金額は、45万5,930円です

    しかし、転院後には人工授精や子宮内膜ポリープ切除の手術などもあったため、これまで約1年3カ月の支出額をまとめると約150万円の出費がありました。この中には交通費のほか、妊活によいといわれるハーブティやサプリなども含まれています。

    体外受精のメリットに目を向けて治療に向き合ってみる

    移植後ジンクスの、ワタリガニパスタ・パイナップル・マクドナルドのポテトは制覇!

    アンタゴニスト法や顕微授精などの体質に合った治療が行えたこともあり、現在、妊娠6カ月を迎えました。結婚して8年間妊活を続けながら「もうできないかもしれないな」とずっと思っていましたし、一時は特別養子縁組や里親制度も考えました。しかし、こうした制度も方法によっては150~200万円かかることもあったため、「もし自分の子が望めるのなら…」と思ったのも体外受精を決めた理由です。

    夫とも長年一緒にいるとタイミングをとるのも少し面倒になっていたこともあり、そういった点でも人工授精や体外受精はお互いの気持ちをラクにしてくれたように思います。「体外受精は痛い、怖い」といったイメージや費用の負担はもちろんありますが、メリットもたくさんある方法だといま、実感しています。

    ★あわせて読みたい記事

    スポンサーリンク

    あかほしLINE