体験談

    精液検査を持ちかけたら、夫とビミョーな空気に…【不妊治療経験ありの現役産婦人科医がお答え】

    公開日:2019.12.02 / 最終更新日:2019.12.04

    精液検査を持ちかけたら、夫とビミョーな空気に…【不妊治療経験ありの現役産婦人科医がお答え】

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    タイミング療法は数知れず、8回の人工授精、流産、体外受精、まさかの夫の精索静脈瘤と、フルコースで不妊治療体験したのが、産婦人科医の「えんみちゃん」こと、遠見才媛子先生。それだけに、妊活中の不安やモヤモヤは自分のことのように身近に感じるといいます。かつては自分もそうだたっと、妊活女子の気持ちに寄り添いながらお悩みを解決します! 

    「えんみちゃん」こと、遠見(えんみ)才希子医師がお答え!

     Profile

    神奈川県生まれ。2011年、聖マリアンナ医科大学卒。産婦人科医。「えんみちゃん」のニックネームで中高校生向けの講演活動を行ない、これまでに全国700校以上を訪問。著書に「ひとりじゃない」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。自らも不妊治療経験者で、夫の精索静脈瘤などのトラブルを乗り越え、人口授精、体外受精も経験している。

     “えんみちゃん”の妊活ヒストリー

     31才 自然妊娠を試みて1年授からず、勤務先でもあった不妊生殖科を受診。夫婦で検査を受け、男性不妊(精索静脈瘤)が判明

    32才 1回目の人工授精で妊娠するも初期流産。夫の精索静脈瘤の手術。

    33才 人工授精8回を経て、体外受精へステップアップ。1回の採卵、3回目の移植で妊娠。

    35才 転居のため別の不妊治療専門クリニックで人工授精にトライ。2回目の人工授精で妊娠。第二子出産予定

      

    協力的でない夫についての疑問を解決!

     すれ違いにどう向き合ったらいいの?

     タイミング治療のことで悩んでいます。夫にタイミングをとる日を伝えていたものの、仕事が忙しい日と重なってしまい、帰宅が遅くなりトライすることができませんでした

    クリニックに通い、時間もお金も使ってその日に備えてきたのにと思うと、気持ちのやり場がなく、悔しくて泣いてしまいました。人に言われたネガティブな言葉は夫と共有できますが、夫とのすれ違いがあった場合に、誰とどのように気持ちを分かち合えばいいのでしょうか? 28才(べビ待ち歴3カ月)

     Anser妊活掲示板や妊活仲間と共有する場をつくろう!

     私の場合は妊活仲間が一番の心の支えになりました。「夫はこんなことを言ってしまった」「夫にこんなことを言われた」などなど、モヤモヤもイライラも共有する場があったのはラッキーでした。

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    そうやって生身のコミュニケーションで吐き出せるのが一番だと思いますが、それをまるごと夫に向けてしまうと、ちょっとした言葉で性交障害につながってしまうことも。

    男性は、リラックスしていないと勃起も射精もできません。とても単純(←ココ大事)で、なおかつデリケートなんだということは理解しつつ、グチは別のところで吐き出せるといいですね。

    身近に共有できる人がいないなら、SNSや妊活掲示板などを使うのもいいと思います。深い事情は知らないところで、言いっ放しで、批判もしないというのは、断然気がラクでしょう。

    それから、タイミングのときだけの夫婦生活はセックスレスにつながってしまうかもしれないので、ふだんから妊娠のためだけではないスキンシップもたいせつにできるといいですね。妊娠を急いでいるのなら、シリンジ法や人工授精を試してみるのもいいですよ。

     シリンジ法とは

     採取した精液をシリンジという針のない注射器を使い、排卵日あたりに女性の膣内に注入する方法のこと。専用のキットを使用して、自宅で簡単に行なうことができます。通常の不妊治療と併用して行なうこともできるので、妊娠の可能性を広がります。

     

    精液検査の話をしたら、夫とビミョーな空気に

     病院の先生に、夫の検査もしておいた方がいいと言われたため、夫にそう伝えたところ「なんか嫌だなぁ」と微妙な空気に。私はひとりで通院をがんばり、栄養面にも気をつかい、早寝早起きなど生活改善を心がけているのに・・・。そう思うとついイラっとしてしまいます。それ以後、夫の検査の話はできていません。30才(べビ待ち歴2年)

     Anser 検査をゴリ押ししなくてすむ裏の手があります!

     男性因子でも女性因子でも、それに合わせた治療をしていけるので、不妊の原因がわかるに越したことはありません。それは、夫婦で一緒に取り組んでいくための一歩になるもの。その意味では夫にも検査を受けてもらうのが理想です。

    とはいえ、どんな検査をするのかがわからなくて尻込みをしている場合があるかもしれませんね。その点は一度夫に確認してみるのがいいでしょう。内容がわかって、それでも協力を得られないときは、フーナーテスト(性交後試験)や人工授精にステップアップしたときがチャンスです。フーナーテストは排卵日付近に性交渉をもってもらい、女性の頸管粘液中に夫の運動精子があるかどうかを調べる検査です。精液検査ナシでも間接的に夫の所見がわかるので、これを活用しない手はナシです。

    すでにフーナーテストを受けて問題がない場合は、精液検査のことはいったん置いておき、タイミング療法を続けてみるのも一つの考え方です。

    30才で妊活している方の場合、タイミング療法を6周期行なっても妊娠しなければ、人工授精にステップアップしたほうがいいと言われています。人工授精のときには必ず精液検査をすることになるので、精子の状態は否応なしにわかります。

    精液検査をするかしないかで夫婦関係がギクシャクしてしまうなら、タイミング療法にトライしている間は無理に夫の精子の状態を明らかにしない。そう割り切って、お互いにゆったりとした気持ちで夫婦生活を送り、妊娠に至らなければ人工授精を考えてみるといいでしょう。精子の状態はそのときになれば分かるので、ご主人には「人工授精にトライすることになったから協力してね」と伝えるのがいいと思います。

     赤ちゃんが欲しい(あかほし)編集部から

     自らも不妊治療経験者である遠見先生の質問コーナー、いかがでしたか? タイミング療法、8回の人工授精、流産、体外受精とフルコースで経験した遠見先生だからこそ、妊活中のみなさんの気持ちに寄り添う説得力のあるお話だったと思います。

    遠見先生がおっしゃるように、パートナーにうっぷんがたまったときは、ぜひあかほしの掲示板を利用してみてくださいね。妊活仲間に打ち明ければきっと「私だけじゃないんだ」と気持ちがちょっとだけラクになると思います。あかほし編集部も応援しています!

     この質問コーナーは今後も続きます! 次回は「病院選び、通院のこと」の予定です。

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