帰省ブルー激増!妊活中の「子供まだ?」ぐさっとくるひと言のデメリット、簡単3ステップ対処法|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
体験談
年末年始やお盆、ゴールデンウィークなど、大型連休中の帰省タイミングは、親戚や知人の心ない言葉にさらされる機会が多くなります。妊活・不妊治療中のみなさんは”帰省ブルー”に陥ってしまうことも少なくないでしょう。今回はアサーティブ・コミュニケーション(自分も相手も大切にした自己主張)の専門家でもある、妊活コミュニケーション協会代表の鈴木早苗さんに、自分の身を守るための方法を教えてもらいました。
妊活・不妊治療中のみなさんに、不意にグサッとくるひと言が飛んできます。
「子供まだなの?」
「子供は早く作っておいた方がいいよ」
「やっぱり子供を産んで一人前よね」
ただでさえ悩みの多い妊活・不妊治療中に、こんなことを言われた日には、立ち直るのも大変です!
夫に当たってしまったり、うまく対処できなかった自分を責めてしまったりと、ダメージを長引かせてしまう人も多いのではないでしょうか?
でも、うまく対処できないのは当たり前のこと。なぜなら、こうしたグサッとくる言葉に対処する方法を私たちは学んできていないからです。
この記事では、その場で使える具体的な対処法と、自己肯定感を下げないコツについて詳しく解説します!
ぜひ、この方法を使って、自分の身を守りつつ、まわりとの人間関係も良好なものにしていってくださいね。
年末年始やお盆などの帰省時期は、はっきり言って地獄です!(笑)
親戚づきあいや地元の友だちとの集まり、果ては義理の両親や実の親からのプレッシャーなど、「こんな修行が自分に待ち受けていたとは…」とあ然としてしまうくらい、対処の難しい場面が向こうからやってきます。
だいたいは、愛想笑いをしてごまかしたり、体が硬直して何も言えなかったりと、うまく対処できないことが多いと思います。
その対応をくり返していると、じわじわと心が死んでいきます。何よりも大事にしたいのは、妊活を頑張っているあなた自身です。関係を壊さないようにその場を取り繕うのもいいけれど、自分の心を守るために凜とした態度でのぞむことも必要です。
愛想笑いをすると、その場は波風立ちませんが、嵐が吹き荒れる場所があります。それはどこかというと、自分の心の中です。あとから無数のモヤモヤが沸き起こってきて、言われた言葉が心の中に長いこと居座ります。
そして、言葉を発した相手のことを、
□嫌いになる
□苦手になる
□シコリが残る
□会いたくなくなる
□信用できなくなる
□恨んでしまう
など、デメリットもたくさんです。
つまり、言葉自体に傷ついた上に、何も言えなかったという事実が加わり、さらにダメージが深くなっていくのです。
ですから、もう一つの選択肢として「自分を大切にしながら言葉を返す」という方法も持っておくと、気持ちも楽になりますし、自分を守ることにもつながります。
それでは、どうしたらいいのでしょうか?
まずは、考え方から少し変えてみましょう。
突然ですが、相手から飛んでくる「子供まだなの?」という言葉を弓矢に例えてみます。
今までは、突然ビュンと飛んできた弓矢(言葉)が、みぞおちや眉間にグサッと刺さって、相当痛い思いをしてきました。いわば流血しながら、その場をやり過ごしていたというわけです。
それを、体に刺さる前にバシッと空中で弓矢を「受け止める」というイメージに変えます。
飛んでいるハエを素手でつかむがごとく(!)、体に当たる前に、自分の手前で受け止めるのです。
ポイントは、「受け入れる」のではなく「受け止める」ということ。
私たちは相手の言葉を受け入れるかどうか、自分で決めることができます。そのためにも、手前でキャッチする必要があるのです。ささいなことですが、この意識の転換は自己肯定感の向上にも大きく貢献します。
実際の場面では3つのステップで対処する
次に、実際の場面では、少しだけいつもの行動を変えてみます。
流れはカンタンです。
①ひと声発する
②短く気持ちを伝える
③話題を変える
この3つだけです。
①の「ひと声発する」は、弓矢を手前で「受け止める」役割を果たします。
②の「短く気持ちを伝える」は、これ以上の矢が飛んでくることを防ぎます。
③の「話題を変える」は、あなたがつらい状況から脱するための有効な手段です。
ひとつずつ見ていきましょう。
思いもよらない言葉が飛んできたときは体が固まり、何も言えないことが多いのではないでしょうか。でも、されるがままでいると傷口はさらに広がっていきます。
ダメージを最小限に抑えるためにも、手持ちのカードとして、セリフをいくつか持っておきましょう。
おすすめはスーパー短くて、シンプルなひと言です。
長いととっさの場面で出てこないので、短ければ短いほどいいです。
少しくらい不自然でもかまいません。
【使える!短めセリフ集】
・えっ
・おっと!
・ガーン
・うわっ
・来た!
・マジっすか
・ショックです
・グサッときました
・胸が痛いです
たとえばこの中のセリフを組み合わせて使うのもおすすめです。
えっ マジっすか
うわっ 胸が痛いです
おっと! グサッときました
無力感におちいらずに、自分のために「ひと声発することができた」という事実は、自信にもつながります。仮にそのあとの対応がうまくできなかったとしても、いいんです。ひと声出せた自分をほめてあげましょう。
①だけでも十分ですが(ここで力尽きることももちろんあります)、相手によっては内容を選んで自己開示したり、気持ちを伝えたりすることで、これ以上の余計なおせっかいが飛んでくることを防ぐことができます。
【使える!気持ちを伝えるセリフ集】
・いま頑張ってる最中なんです。
・いま不妊治療しているんです。
・実は、今それが一番言われたくない言葉なんです。
・けっこうみんなから同じこと言われて傷ついているんです。
・それ言われるとこたえるので、言わないでもらえると助かります。
などなど。
身近な親や親戚など、こちらに対して遠慮がない場合はハッキリと言ってみましょう。
お母さん、ごめん、私「子供まだなの」って言われたくないのよ。言われるたびに申し訳ない気持ちにもなるし傷つくんだ。だから言わないでもらえると助かる。
義母には少しフォーマルバージョンで、
お義母さん、いま精神的にちょっとキツくてその言葉はこたえるんです。見守ってもらえるとありがたいです。と伝えてみましょう。
手強い相手の場合は、それでも食い下がってくるかもしれませんね。その場合は、もう一度自分の気持ちをくり返します。
たとえば、孫が欲しくて仕方のない義母は、「まわりはみんな子供がいるのよ、あなたのところだけよ、いないのは」と追い打ちをかけてくるかもしれません。
そうしたら「そうですよね。それでもやっぱり、お義母さんには見守っていてほしいんです」とくり返します。あくまでも落ち着いた態度で、「私はこう思っています」とシンプルにくり返します。
生意気な嫁と思われるのでは?と心配になった人もいるかもしれませんね。しかし、自分の主張をきちんと伝えられる関係を作ることは、今後のあなたを救うことにもつながります。
どちらかが我慢しつづける関係は苦しいものです。この機会に素直な自分も少しずつ出していきましょう。
伝えた後は、ガラッと話題を変えます。
乗りたくない話題に長々と付き合う必要はありません。
受け身の体勢から、会話の主導権を握り直し、自分のために場面を転換していきます。
【使える!話題を変えるセリフ集】
・そういえば、最近寒いですよね。
・あっ、そろそろお昼ですね。今日は何食べます?
・あ、そうだ!夫に頼まれごとしてたんだ。ちょっと電話かけてきます。
・ふー、お茶飲み過ぎちゃった。トイレ行ってきますね。
少しわざとらしい感じがしますが、そのくらいがちょうどいいです。
気持ちを引きずらずにすむので、自分も気持ちが楽になります。
明るくさっぱりと、素直になって伝えます。
相手に対して、対等感を持って、威張るのでもなく、相手を見下すのでもなく、自分に誇りを持って向き合ってみてください。
あなたは十分頑張っています。
自分を大事にしながら、素直な気持ちを伝えてみてくださいね。
心からエールを送ります!
妊活コミュニケーション協会
代表 鈴木早苗さん
不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー
6年間の不妊治療経験者で、アサーティブ・コミュニケーション(自分も相手も大切にした自己主張)の専門家。講師歴は15年。治療中は、コミュニケーション講師でありながら、夫にうまく気持ちを伝えられず、話し合いの難しさを実感。その苦しみから抜け出すために自らの専門知識を総動員して現状を分析し、自分を客観視しながら、夫と対話を重ねていくことで「妊活コミュニケーション」を開発しました。ブログ「心が軽くなる不妊治療中のコミュニケーション」は15万PVを超え、多くの悩める夫婦の心の支えとなっています。Twitterやインスタグラムでは「さな吉」という名前で情報発信中!(@sanakichi8)
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