服用薬がクロミッドからセキソビットに。副作用が心配です【不妊治療専門医アドバイス】|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
不妊治療
妊活・不妊治療を始めると、ときにはセカンドオピニオンを聞きたくなりますよね。主治医の先生だからこそ、こんなこと聞いていいのかな。と悩んだり…。妊活メディア”あかほし”掲示板に寄せられたお悩みに、産婦人科ドクターが回答します。
1日6錠、5日間セキソビットを服用することになりました。セキソビットの服用終了直後からサラサラベタベタした帯下が増え、軽い生理痛のような下腹部痛を感じることもあります。
以前はクロミッド+HCGにて排卵を促していましたが、OHSSを発症してしまい、今週からセキソビットに変更になりました。クロミッドより副作用が少ないと聞いていたのですが、帯下増加や下腹部痛などの症状は起こるのですか? クロミッド服用時はそのような時はなかったので、不安です。
教えていただけたら幸いです。よろしくお願い致します。(くまともさん)
まず「帯下」についてですが、排卵が近づくと子宮の入り口から頚管粘液という透明な糸を引くような帯下が増加してきます。
排卵が近づくと頚管粘液がサラサラになり、精子が子宮に入り易くなります。このことにより妊娠しやすい状態が出来上がりますので、くまとも様がおっしゃっている「サラサラベタベタした帯下が増えた」というのが、排卵が近づいた証拠となる、頚管粘液の増加を意味しているのであれば、むしろセキソビットにより妊娠しやすい状態が作られた可能性があります。
一方で、クロミッドの副作用の一つが、排卵期にサラサラして増加してくるべき頚管粘液が増加せず、精子を受け入れにくくなることです。
クロミッドはセキソビットに比べて、卵胞を育て排卵させる効果はより強いのですが、この頚管粘液の変化・増加がとぼしいために、排卵率が高い割には妊娠率が伴わないという問題点があります。
つまり、くまとも様の場合は、クロミッドの内服時にその副作用である頚管粘液の減少が起きてしまい、逆にセキソビットの内服時にはその副作用が起きず、頚管粘液がサラサラになって増加し、妊娠にとってより好ましい作用が出た可能性があります。
下腹部痛については、その原因が排卵やその前後に起こるものであれば、むしろ排卵効果があったと考えられます。
しかしながら、セキソビットはクロミッドよりも排卵誘発効果はマイルドなので、「セキソビットのほうがより下腹部痛が起きやすい」ということは一般的にはありません。
いずれにせよ、帯下や下腹部痛があるときに診察をしてもらうと簡単に診断がつきますので、受診してみてくださいね。
院長
河村寿宏先生
東京医科歯科大学医学部卒業。同大学附属病院などに勤務後、デンマーク留学などをへて、2000年に田園都市レディースクリニックを開院。東京歯科大学医学部臨床教授も務める。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。
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