不妊治療

    子宮外妊娠(異所性妊娠)とは?痛みやつわりはある?次の妊娠は大丈夫?【不妊治療専門医監修】

    公開日:2020.01.31 / 最終更新日:2020.03.08

    子宮外妊娠(異所性妊娠)とは?痛みやつわりはある?次の妊娠は大丈夫?【不妊治療専門医監修】

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    「子宮外妊娠(異所性妊娠)」という言葉を聞いたことはありますか? 子宮内膜に着床するはずの受精卵が、それ以外の場所に着床してしまうことをいいます。子宮外妊娠をしても、次はちゃんと妊娠できる可能性があるので、いたずらに心配する必要はありませんが、よく知らないと不安も増してしまいます。気になる子宮外妊娠について、知っておきましょう。生殖医療専門医にお話を伺いました。

    子宮外妊娠(異所性妊娠)とは?

    子宮内膜以外の場所に着床すること

    本来、卵管で出会った卵子と精子は受精卵となって子宮の内膜まで移動し、そこで着床して育ちます。しかし、子宮の内膜以外に着床してしまうこともあり、子宮外妊娠(異所性妊娠)と呼ばれています。全妊娠のうち1~2%に見られ、最近では増加する傾向にあります。

    着床する場所は、卵管や卵巣、腹腔、子宮頸管などがありますが、98%とほとんどを占めるのは卵管への着床です。気づかないまま受精卵が育って大きくなると、卵管が破裂して大出血を起こす危険があります。

    卵管が癒着しやすくなる腹部の手術歴がある、体外受精(新鮮胚移植のみ)による妊娠などの場合で、子宮外妊娠の確率が高くなるといわれています。

    子宮外妊娠に腹痛などの症状はある?

    子宮外妊娠の症状

    出血や下腹部痛、おなかの張りが続く

    受精卵が子宮の内膜以外に着床した場合でも、妊娠自体は成立しています。そのため、生理予定日になっても生理は起こりません。ただし、少量の性器出血が見られることは多く、生理不順の人の場合は「生理が来た」と思ってしまうこともあります。

    多くの人に見られる症状は、下腹部痛やおなかの張りです。受精卵が大きくなるにつれて下腹部痛は強くなり、卵管が破裂してしまうと「出血性ショック」が起こって、命に関わることも。病院を受診して妊娠と診断されても、性器出血や下腹部痛が続く場合は、できるだけ早く再受診しましょう。

    子宮外妊娠でもつわりはある?

    ある人もない人もいて個人差がある

    つわりのような気持ち悪さを訴える人もいますが、まったくない人もいます。「つわり(のような症状)があるから子宮外妊娠ではない」とはいえませんし、逆に「つわり(のような症状)がないから子宮外妊娠をしている」ともいえないのです。子宮外妊娠かどうかには、つわりのあるなしより、下腹部痛や性器出血があるかなどのほうが重要な判断基準だといえるでしょう。

    早期発見のポイントは?

    妊娠検査薬で妊娠反応が出たら産婦人科へ

    以前は、子宮外妊娠を早期に発見することはなかなかできませんでした。現在では、市販の妊娠検査薬によって妊娠5週目には妊娠しているかどうか知ることができますし、超音波検査の発達によって妊娠5~6週目には胎嚢を確認することができるようになったので、危険な状態になる前に診断できるようになりました。

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    自分で子宮外妊娠しているか判断することはできないので、妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、必ず産婦人科を受診しましょう。その際は、最終月経や基礎体温表など、妊娠週数が特定できるものがあると、診断に役立ちます。日ごろから月経周期を記録したり、基礎体温を測ったりする習慣をつけておくのがおすすめです。

    子宮外妊娠の原因は?

    性感染症や子宮内膜症が大きな要因に

    子宮外妊娠のうちでも最も多い卵管への着床は、性感染症の感染や子宮内膜症によって卵管が癒着したり、狭くなったりすることが原因の多くを占めています。

    性感染症のうちでも、特にクラミジアは女性の性感染症として最も多く、子宮外妊娠が増えている大きな要因となっています。感染すると子宮頸管に炎症が起こり、おりものの増加や痛みなどが出ることがありますが、多くは症状がないため、気づかないことも少なくありません。感染が卵管にまでおよぶと卵管が癒着してふさがり、不妊の原因になるだけでなく、子宮外妊娠も起こりやすくなります。

    子宮内膜症は、子宮内膜と同じような組織が、卵巣や卵管など子宮以外の場所にできて増殖する病気です。子宮内膜は妊娠しないと剥がれ落ちて月経となりますが、その時に子宮内膜様の組織も出血したり、炎症を起こして癒着ができます。こちらも不妊の原因になるとともに、子宮外妊娠につながります。

    子宮外妊娠はどうやって診断するの?

    超音波検査やホルモン検査、内診などを行う

    子宮外妊娠の診断には、いくつか大事な点があります。そのうちの2つが、超音波検査で胎嚢が確認できるかどうかと、妊娠週数の特定です。子宮外妊娠の場合は子宮の内膜に胎嚢が確認できませんが、正常な妊娠でも妊娠週数が早いと胎嚢が見えない場合があります。そのため、問診による最終月経の確認や基礎体温表などから、妊娠週数をできるだけ正確に割り出します。

    妊娠すると分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の数値も重要です。正常な妊娠では、着床するとhCGの分泌が多くなり、妊娠週数が進むにつれて急激に増加して、妊娠5週目には5000IUほどになります。しかし、子宮外妊娠では、正常な妊娠に比べるとhCGの分泌量はあまり増えません。

    内診も行ない、妊娠週数に比べて子宮の大きさはどうか、卵管や卵巣は大きくなっていないか、押すと痛みがあるかなどを確認します。

    子宮外妊娠の治療法

    根治手術

    腹腔鏡手術で着床側の卵管を切り取る

    子宮外妊娠の治療は手術を行うことが多く、最も選択されているのは、受精卵が着床した側の卵管を切り取る手術です。以前は開腹手術が一般的でしたが、最近では腹腔鏡を使って行われる手術が増えています。

    保存的治療

    部分的に切り取る手術を行う

    卵管膨大部に受精卵が着床した場合には、腹腔鏡を使って卵管を切り開き、胎嚢を除去する手術を行うことがあります。ただし、手術後に卵管が癒着して再び子宮外妊娠を起こす可能性や絨毛組織が残るリスクがあるため、術後の経過には注意が必要です。

    薬による治療を行うことも

    卵管の狭い部分での妊娠や、症状が出ていなかったり、軽い場合には、「メトトレキセート」という抗がん剤の一種を使った薬物治療が行われることもあります。

    子宮外妊娠は予防することができるの?

    基本的に予防はできないので早期発見が大切

    残念ながら、どんなに生活に気をつけていても、安静にしていても、子宮外妊娠を予防する方法はありません。クラミジアなどの性感染症にかからないように避妊具を使用すれば子宮外妊娠のリスクを減らせますが、妊娠を望んでいる場合には現実的ではありませんし、最近ではオーラルセックスなどによるのどからの感染も広がっています。

    卵管の癒着を起こしやすい子宮内膜症を予防することも、子宮外妊娠のリスクを減らします。しかし、子宮内膜の増殖を抑えるには低用量ピルの効果が高いとされていて、こちらも妊娠を望んでいる場合には選択できません。そして、どちらの場合も、絶対に子宮外妊娠しないとは言い切れないのです。子宮外妊娠は早期に発見することが大切だといえるでしょう。

    子宮外妊娠をくり返す理由は?

    性感染症の感染や手術歴などがあると繰り返しやすい

    一度子宮外妊娠をした人が再度子宮外妊娠をする可能性は10~15%程度で、一度もしたことがない人に比べると高くなります。過去にクラミジアなど性感染症に感染したり、腹部の手術をしたことがある、子宮内膜症にかかっているなどの理由によって、卵管が癒着したり、狭くなったりしていると、子宮外妊娠をくり返しやすいといわれています。

    子宮外妊娠後、次はちゃんと妊娠できる?

    多くは正常な妊娠をしているので心配しすぎないで

    一度子宮外妊娠をした人は、一度もしたことがない人に比べると繰り返しやすいのですが、確率は10~15%ほど。ほとんどの人は子宮外妊娠後に正常な妊娠をしているので、心配しすぎる必要はありません。

    ただし、リスクが高いのは事実なので、悲しい思いをしないためにも、クラミジアなどの性感染症の抗体検査や、残った卵管が通っているか調べる検査をきちんと受けておきましょう。

    監修

    桜十字渋谷バースクリニック 院長 井上治先生

    福岡大学医学部卒業。慶應義塾大学病院産婦人科、東京医科歯科大学市川総合病院をへて、2018年より現職。一般不妊治療から、高度生殖医療、不育症までをカバー。じっくり話を聞いて、ていねいに説明してくれる」と評判です。渋谷PARCO隣りのクリニックはアクセスのよさとホスピラリティの高さが『赤ちゃんが欲しい』読者に好評。

    関連リンク:桜十字渋谷バースクリニック
    https://akahoshi.net/choose2019/sj.php
    https://www.sj-shibuya-bc.jp/

    編集部まとめ

    もし万一、次の妊娠でも子宮外妊娠をしてしまったとしても、赤ちゃんを望めないわけではありません。体外受精で赤ちゃんを授かるという方法もあります。妊娠できたということは、卵子も精子も元気だということ。自信を持って次の妊娠に進みましょう!

    取材・文/荒木晶子 構成/木村亜紀子

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