【不妊治療の検査】基本の検査&精密検査はどんなことをして何が分かるの?|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
不妊治療
婦人科や不妊治療専門クリニックで受ける「授かるため」の検査。血液検査や超音波検査などの基本の検査や、より詳しく調べることが出てきたら受ける精密検査は、一体どんなことをするの?また、検査からどんなことが分かるの?検査を受ける前におさらいしておきましょう。(検査時間や費用はクリニックによって異なるので事前に確認を)
血液検査で様々なホルモン数値が分かります
低温期の初期には、排卵準備OKの指示を出すLH(黄体化ホルモン)、卵胞ホルモンの分泌を促すFSH(卵胞刺激ホルモン)、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)などの数値を。高温期は、受精卵を着床しやすくする働きがある黄体ホルモン(プロゲステロン)などの数値を調べます。
【分かること】
●排卵障害の原因
●多嚢胞性卵巣症候群
●高プロラクチン血症 など
【時間&費用】
約3~4分/約2000円~(検査項目によって異なります)
子宮や卵巣の状態を調べます
膣に超音波プローブを入れ、モニターに映し出された画像で子宮や卵巣の様子を確認します。低温期から排卵期には、卵胞の成長具合や子宮内膜の状態、排卵期近くであれば排卵日を予測する参考になります。
【分かること】
●子宮筋腫・卵巣嚢腫
●卵胞の発育状態
●子宮内膜の厚さ
●排卵日の予測
●排卵の有無(高温期) など
【時間&費用】
約3~4分/約2000円~
卵管の通過性を確認する検査
子宮頸管からカテーテルを入れ、子宮内に卵管通気用の器具を通して卵管に炭酸ガスや生理食塩水を注入。その圧力の変化を調べて卵管の状態をチェックします。卵管が通っている場合は、炭酸ガスや生理食塩水は腹腔内に流れ出て圧力は一定に。卵管が通っていなければ(卵管閉塞)圧力が上がります。
【分かること】
●卵管の通り具合 など
【時間&費用】
約10分/約2500円~
子宮に造影剤を注入。検査後に妊娠することも
膣から子宮の中に造影剤を入れてX線撮影をします。子宮の形状や卵管が正常に通っているから分かります。低温期に行なう検査で、この検査をすると「ゴールデン期間」と言って、妊娠しやすくなる場合もあります。
【分かること】
●卵管閉塞や癒着の有無
●子宮の大きさや形状
●子宮奇形 など
【時間&費用】
約5~10分/約6000円~
おりものの量や状態をチェック
頸管粘液とは、いわゆる「おりもの」のこと。頸管粘液が少ないと精子が子宮まで到達しづらくなり、授かりにくい原因になります。検査方法は、頸管粘液を採取して量や伸び具合を確認。頸管粘液は排卵日が近づくと透明で糸を引くようになるので、排卵日予測にも効果的。
【分かること】
●頸管粘液が十分に出ているか
●排卵日の予測 など
【時間&費用】
数秒程度/約300円~
排卵日にドクターから指示されたタイミングでセックスをし、その後24時間以内に行なう検査。膣内の頸管粘液を採取して、その中の精子の数や運動率を調べます。
精子を攻撃しないかを確認
フーナーテストの結果が悪い場合に行なう検査。女性の血液の中に精子を入れて、精子を異物として攻撃する抗精子抗体の有無を調べます。抗精子抗体あると精子の動きを妨げてしまい不妊の原因になります。
【分かること】
●血液中の抗精子抗体の有無
【時間&費用】
約1~2分/約7600円~
おりものの中の細菌を調べます
クラミジアは性感染症を起こす細菌。検査は採血と内診で、現在クラミジアに感染しているかだけでなく、過去の感染についても調べます。クラミジアにより子宮頸管や卵管に炎症が起こると、卵管が詰まってしまうことがあります。
【分かること】
●クラミジア感染の有無
●過去のクラミジア感染の有無
●クラミジア感染による卵管障害の有無 など
【時間&費用】
約1~2分/約2000円
ホルモン投与で反応をチェック
排卵障害が疑われるときに行なう検査。特定のホルモンを注射で投与し、様々なホルモンに対する反応を見て、卵胞の発育状態や無排卵の原因などを調べます。
【分かること】
●排卵の有無
●排卵障害の有無 など
【時間&費用】
約30分/約4000円~
ポリープや筋腫の有無を確認
膣から子宮腔内で内視鏡を入れて、子宮内の様子をチェック。超音波検査で子宮の異常が疑われた場合、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫があるかどうか、ある場合にはその状態を詳しく調べます。月経直後に行なう検査です。
【分かること】
●子宮内膜ポリープ
●子宮粘膜下筋腫
●子宮奇形 など
【時間&費用】
約5分/約1万円
より痛みの少ない卵管造影検査
膣に細いワイヤーとカテーテルを入れ、卵管内に直接造影剤を流す方法。一般的な子宮卵管造影では、子宮に過剰な圧力がかかり痛みが生じることもありますが、選択的卵管造影検査は卵管にだけ造影剤を流すので痛みが軽減されます。
【分かること】
●卵管閉塞の癒着や有無
【時間&費用】
約5~10分/約25000円~
内視鏡を使って卵巣や子宮をチェック
お腹に開けた小さな穴から特殊小型カメラが付いた内視鏡(腹腔鏡)を入れて、モニターに映し出された卵巣や子宮の様子を詳しく観察。癒着がある場合には、検査時に癒着をはがす手術を行なうことも。入院して行なう検査です。
【分かること】
●卵管や卵巣の様子
●卵管采の状態や癒着の有無
●子宮筋腫の有無 など
【時間&費用】
約40分/約20万円(入院日数によって異なります)
●頸管粘液検査、フーナーテスト●
「人工授精の前に必ず経験粘液検査を受けています。超音波だけでなく、経験粘液を見ることで排卵が近いことが分かるので、すごく役立つ検査だと思います」(めぐみさん)
「検査の3時間前に性行為をとの指示。通院に1時間かかるため、9時半の検査に合わせるため5時に夫を起こして早朝セックス(苦笑)。夜勤明けなのにごめんなさい!」(ひろ☆さん)
「経験粘液&フーナーテストの両方を受けました。フーナーテストでは精子が泳いでいるのを目で確認。その健気さが愛おしくて、照れくさい気持ちにもなりました」(hannahさん)
●子宮鏡検査●
「子宮を膨らませるためのガスを入れる時に痛みが!検査後は少し出血があった程度でしたが、しばらくはお腹に違和感が残りました」(チデマニアさん)
「子宮内をモニターで確認し、びらん状のポリープを検査中にはがしてもらいました。ポリープをはがす時は痛みで悶絶!」(いくこさん)
●子宮卵管造影検査、通気・通水検査●
「造影剤のアレルギー反応が出るのが恐いということで通水検査に。生理痛のようなズシンとした重たい痛みがありましたが、想定内で安心しました」(こあらばなさん)
「1回目はカテーテルが入らず検査できずに痛い思いだけ。後日別のドクターに検査してもらったらあっさり終了。ドクターによってこうも違うなんて!」(ミスティさん)
陣内ウィメンズクリニック院長
陣内彦良先生
千葉大学医学部卒業。ニューヨーク・アルバートアインシュタイン医科大学不妊内分泌研究員。東邦大学医療センター大森病院勤務の後、2003年自由が丘に「陣内ウィメンズクリニック」を開院。日本産科婦人科学会・日本生殖医療心理カウンセリング学会・日本女性医学学会・日本生殖医学会等所属。
陣内ウィメンズクリニック
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