不妊治療

    【withコロナ妊活】峯レディースクリニックの「妊娠」への最善アクションって? 

    公開日:2020.07.20 / 最終更新日:2020.09.10

    【withコロナ妊活】峯レディースクリニックの「妊娠」への最善アクションって? 

    新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、私たちの生活のさまざまなところに影を落としています。それは妊活中のカップルにとっても例外ではありません。とくに日本生殖医学会から発表された声明文は、妊活中、またこれから不妊治療を始めようとするカップルに大きな衝撃を持って受け止められました。

    新型コロナウィルスの収束の目処がたたないなか、withコロナ時代の妊活・不妊治療はどのように進めていけばいいのでしょうか。峯レディースクリニック院長の峯 克也先生に伺いました。

    夫婦ごとの状況、想いに合わせ妊活プランを立てて

    4月1日に発表された日本生殖医学会の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明」は、ネットニュースなどにも取り上げられ、またたく間に情報が駆け巡りました。声明文は、新型コロナウイルスの治療法が確立されていないこと、妊婦には使えない薬があることから、医療者は「不妊治療の延期も選択肢として提示」するようにと推奨するものでした。不妊治療を受ける方の安全のために、治療法をよく検討しようという内容だったのです。

    ところが、ネットニュースでは、あたかも「不妊治療は延期せよ」「妊娠後にCOVID-19に罹患したら医療者に迷惑をかける」とも読み取れるような文面となって報じられてしまいました。このニュースで、「妊娠をあきらめざるをえない」と悲嘆にくれた方もいらっしゃったことを思うと、心が痛みます。

     

     

    私も不妊治療専門医として日々、診療に当たっていますが、声明文が出された直後から、通院しているすべての方に、生殖医学会の声明の内容とご夫婦の状況に合わせて考えられる治療の選択肢などを個別にお話させていただきました。

    妊娠にはタイムリミットがあります。不妊治療をしている方のなかには、「安心できる状況になるまで待つ」という判断が、すなわち妊娠をあきらめることになる方も少なくありません。

    年齢や体の状態、ご夫婦の考えや想いに合わせ、パーソナライズされた治療プランを立てていくことが何より大事と考えます。

    受精卵の凍結保存、検査など、移植以外にできることも

     

    感染の流行が収まるまで、あるいは治療法が確立されるまでは妊娠を延期しよう、という選択をされたご夫婦でも、この期間を将来の妊娠に向けた準備期間としていかすことはできます。

    たとえば、受精卵を凍結保存しておく

    たとえば、体外受精にステップアップし、受精卵を凍結保存しておくという方法は、すでに多くの患者さんが選択しています。卵子は年齢とともに老化し、胚の染色体異常などが多くなることが知られていますね。少しでも早い段階で受精卵として凍結保存しておくことで、将来の妊娠の可能性を高めることが期待できます。

    たとえば、着床環境や不育症のリスク因子チェックしてみる

    また、これまで体外受精に何度かチャレンジしてもなかなか結果が出ていない、妊娠しても初期に流産してしまうなどの経験がある方は、着床環境や不育症のリスク因子がないか検査をしてみるのも一案です。

    着床を妨げる原因として知られている慢性子宮内膜炎がないか、また着床の時期がズレていないかなどは、次世代シーケンサーによる検査で調べることができます。検査とこの検査の結果を待つために1〜2ヶ月程度お時間がかかります。「検査と胚移植のどちらを優先すべきか」と悩んでいたご夫婦なら、この時間を有効活用して、しっかり検査をしてみる、という選択肢も大いにありだと思います。

    不妊治療を視野に入れているなら、まずはスクリーニング検査を

    そして、これから不妊治療をスタートしようというご夫婦なら、まずはスクリーニング検査をしっかり行うとよいでしょう。当院のスクリーニング検査にはヒューナーテストなど、実際妊娠をトライするものが含まれます。

    治療を始めるかどうか、コロナで躊躇なさる方たちはブライダルチェックを勧めております。

    オンライン診療など、新しい診療体制を構築

    コロナ禍により、診療のあり方にも急速に変化しています。自宅にいながら医師の診察が受けられる、オンライン診療もそのひとつです。当院ではコロナ禍の前から導入していましたが、検査の結果をお伝えするときなどには、直接来院しなくてもいいオンライン診療の便利さを実感します。当院では、血液検査や性感染症検査、ブライダルチェック、男性不妊の検査などの結果を伝える際に活用しています。

    また、今後はPGT-A(着床前胚染色体異数検査)のためのカウンセリングなどにも広く活用していく計画です。

    患者さんが安心して通院できる感染対策

    不妊治療は、その特性上、すべてをオンラインに移行することはむずかしいメディカルジャンルです。卵胞の育ち具合などをチェックにするには、直接診療する必要がありますし、採卵や移植は遠隔ではできません。

    ただ、現在はさまざまなクリニックで、患者さんが安心して通院できるよう感染症対策を行っています。

    峯レディースクリニックの感染対策

    たとえば当院では、スタッフは毎日検温を実施し、記録しています。院内ではスタッフも患者さんも必ずマスクを着用。また、診察室や相談室にはアクリル板を設置し、採血の際はスタッフと患者さんの間をビニールカーテンで仕切っています。

    クリニック内でのセミナー形式だった体外受精セミナーは、動画配信に切り替えました。ご自宅で好きな時間にゆっくり観られ、わからないところは繰り返し確認することもできると好評です。

    必要な治療をタイムリーに提供していくことが、ご夫婦ふたりのライフプランを実現するために大事なことだと考えています。不安なく妊活を進めていくためには、安心して通院できるクリニックを選ぶことがますます重要となるでしょう。

    不妊治療に正解はないから、夫婦の話し合いが大事

    コロナ時代の妊活。40代、移植するか本気で悩んでいます

    新型コロナウイルスの流行は、すべての人にとって初めての経験です。現時点では正解が何か、わからないことがたくさんあります。

    それと同時に、不妊治療にも「これが正解」というマニュアルはありません。いつ妊活をスタートするか、不妊治療のステップアップをするか、すべてはご夫婦がどんなライフプランを描いているか、また年齢や体の状態になどによってもベストな時期が異なります。ふたりが「今、子どもが欲しい」と思うならその気持ちは、誰にも非難されるべきものではありません。また、同じく、ふたりがもうちょっと待とうと思うなら、それも正解です。

    ただ、もし「いつか治療を」と考えているなら、早いほうが結果を出しやすいのは事実です。ご夫婦でよく話し合い、不安や疑問があれば、医師に相談だけでもしてみるのがよいでしょう。

    withコロナ時代に妊活されるみなさんへ

    まだわからないことが多い、新型コロナウイルス。治療を続けるべきか、おやすみしたほうがいいのかなど、迷うこともあって当然です。ただ、ひとりで悩んでいてもなかなか答えを見つけ出すのはむずかしいもの。信頼できる医師に話すだけでも、問題がクリアになることもあるでしょう。こんな時代だからこそ、それぞれの夫婦に合った道しるべを示してくれる医師との出会いが、不安なく妊活をするための重要ポイントとなりそうです。

    監修

     

    峯レディースクリニック
    院長 峯 克也先生

    日本医科大学医学部卒業後、同大学大学院女性生殖発達病態学修了。木場公園クリニック、新宿ARTクリニックをへて、東京・自由が丘に峯レディースクリニックを開院。
    厚生労働省研究班「不育治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究」にも協力。

    https://www.mine-lc.jp/

    取材・文/浦上藍子

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