不妊治療

    PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)ってどんな診断?みんなが受けられる?

    公開日:2020.08.13 / 最終更新日:2020.10.22

    PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)ってどんな診断?みんなが受けられる?

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    2020年1月、日本産科婦人科学会によるPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の臨床研究がスタートしました。

    体外受精でできた受精卵を胚盤胞まで培養し、その細胞の一部をとり出して染色体の数に異常がないかどうかを調べ、数の異常がない胚を子宮に戻すことで、流産を減らし、妊娠率を高めることが目的です。

    今回はその診断や判定方法、対象者について、同学会認定のPGT-Aの実施施設である田園都市レディースクリニック・河村寿宏先生に聞きました*PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)=Preimplantation genetic testing for aneuploidy。

    PGT-Aとはどんな診断ですか?

    晩婚化が進む日本では、妊活をする人の年齢も高くなっています。女性の年齢が上がると卵子の染色体異常がふえ、特に染色体の数の異常の割合は30代後半から急激に上昇します。

    ヒトの染色体は46本あり、これらは両親から受け継いだものがぺアになって23組に分かれています。染色体が1本(モノソミー)だったり、3本(トリソミー)だったりすると「異数性」といって、うまく成長できず、多くが着床しないか流産してしまいます

    そこで、胚の染色体の数を見分ける検査「PGT-A」を行い、染色体の数の異常が見られない胚だけを移植して妊娠率を高めようというのが、今回のPGT-A臨床研究の考え方です。

    日本産科婦人科学会(以下、日産婦)ではPGT-Aが妊娠率の向上に有用なのか、これまで4施設でパイロット試験を行ってきましたが、一定の条件をクリアした施設に限定して臨床研究を拡大。

    研究の対象となるのは、体外受精を繰り返して不成功の人、流産を繰り返している人、染色体構造異常を持つ人です。PGT-Aは、こうした人たちの身体的、精神的な苦痛の軽減に役立つことが期待されています。

    PGT-Aの対象者

    希望すればだれでも検査を受けられるわけではありません。今回の臨床研究では、以下の場合が検査の対象になります。

    反復ART不成功

    直近の体外受精の胚移植で2回以上、連続して妊娠が成立しなかった。

    習慣流産(反復流産)

    過去の妊娠で2回以上、流産を繰り返した。

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    染色体構造異常

    夫婦のいずれかに染色体の構造異常がある。

    *習慣流産は、夫婦の事前の染色体検査が必須。子宮形態異常や抗リン脂質抗体症候群など、流産を繰り返す明らかな原因は対象外。流産となった妊娠が体外受精か自然妊娠かは問わない。

    PGT-Aは、どのように検査をするのですか?

    PGT-Aは、日産婦が着床前診断実施施設と認定した施設で行われます。その条件は、各施設の倫理委員会でこの研究が承認され、日本生殖医学会認定生殖医療専門医と臨床遺伝に精通した医師が在籍すること、PGT-Aの遺伝カウンセリングができる施設であること

    研究に参加したい人は、今回の適応であるかどうかを認定施設が判断し、適応であれば遺伝カウンセリングを受けます。内容を理解したうえで研究に参加し、体外受精や顕微授精を行って、受精卵を胚盤胞まで育てます。その胚盤胞から、胚培養士が将来、胎盤になる部分の細胞を5つくらい採取(生検)し、日産婦が認定するPGT-A解析施設に検査を依頼します。

    画像提供/田園都市レディースクリニック

    解析施設では細胞のDNAを増幅し、次世代シーケンサーという装置を使って解析、その結果を日産婦のPGT-A解析結果評価委員会がA〜Dの4段階で判定します(下の表を参照)。

    評価委員会で染色体の数に異常がないと判定された胚を、遺伝カウンセリングを受けたあとに移植します。ただし、PGT-Aの検査結果の精度は80~90%といわれています。

    PGT-Aの判定方法

    検査の精度は80〜90%とされ、検査の結果と実際の移植胚の結果が必ず一致するとはいいきれません。

    教えてくださったのは

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