不妊治療

    PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)メリットとリスクとは?【生殖医療専門医に聞きました】

    公開日:2020.08.14 / 最終更新日:2020.08.22

    PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)メリットとリスクとは?【生殖医療専門医に聞きました】

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    日本産科婦人科学会によるPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の臨床研究が2020年1月スタートしました。

    体外受精でできた受精卵を胚盤胞まで培養しその細胞の一部をとり出して染色体の数に異常がないかどうかを調べ、数の異常がない胚を子宮に戻すことで、流産を減らし、妊娠率を高めることが目的です。
    今回は、PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)のメリットやデメリット(リスク)について、同学会認定のPGT-Aの実施施設である田園都市レディースクリニック・河村寿宏先生にお話を聞きました

    *PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)=Preimplantation genetic testing for aneuploidy

    診断方法&対象者はコチラ>>>PGT-Aってどんな検査?みんなが受けられる?

    リスクも理解し、夫婦で考えて検査するかを決定しましょう

    PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)は、流産を繰り返す人にとっては、不必要な移植を避けて妊娠率を上げ、流産率を下げる効果がありそうですから、出産までの時間の短縮や経済的な負担も減るかもしれません。

    なにより精神的なダメージが軽減されるでしょう。30代後半で複数の胚が胚盤胞に育つことが期待できれば、検査のメリットがあるといえます

    PGT-Aは万能ではありません

    しかし、PGT-Aで検査する細胞は「将来胎盤になる部分の細胞」の一部で、「赤ちゃんになる部分の細胞」ではありません。両者の細胞が必ず一致するとは限らず、複数の染色体パターンが混在する「モザイク」という胚の場合もあります。結果が「異常なし」であっても、検査した細胞とは別の部分の細胞に異常がある可能性は否定できません。

    また、生検による胚のダメージの可能性や、モザイク等による誤判定で本来は赤ちゃんになったかもしれない胚を廃棄する可能性も考えられます。また、移植しても妊娠しない、流産する可能性もあります。

    そして、高年齢になると採取できる卵子が少なく、胚盤胞の到達率も低くなります。検査の結果、移植できる胚がなく、採卵を繰り返すことになるかもしれません。そうした可能性もふまえておくことが大切です。

    事前のカウンセリングで検査の内容とリスクを十分に理解し、納得したうえで検査を受けるかどうかを決めましょう

    PGT-Aを行うメリット、デメリット(リスク)

    医師の説明をよく聞き、遺伝カウンセリングを受けたうえでPGT-Aを受けるかどうか、判断しましょう。

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    PGT-Aのメリット

    ● 胚移植1回あたりの妊娠率は上昇する

    ●妊娠1回あたりの流産率が低下する可能性がある

    ● 妊娠までの時間を短縮できる可能性がある

    ● 流産率を低下させ、流産に伴う身体的、精神的負担を避けられる可能性が高まる

    PGT-Aのデメリット(リスク)

    ●胚生検時の胚への損傷により、着床できなくなったり、流産や生まれてくる子どもに影響が出たりする可能性が否定できない

    ● 胚生検や解析が不成功に終わる可能性がある

    ● 検査の結果、移植できる胚が1個もなかった、ということがある

    ● 正常と判定されても流産することがある

    教えてくださったのは

    田園都市レディースクリニック理事長
    あざみ野本院院長
    河村寿宏 先生


    東京医科歯科大学医学部臨床教授。
    東京医科歯科大学医学部卒業後、同大学付属病院、都立大塚病院産婦人科などをへて、2000年に横浜・青葉台に田園都市レディースクリニックを開院。14年に二子玉川分院を設立、19年にあざみ野に本院を拡張移転し3院体制に。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。

    田園都市レディースクリニックあざみ野本院

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