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    症状から次の妊娠のために!「化学流産」講座

    症状から次の妊娠のために!「化学流産」講座

    化学流産とは?

    受精卵が子宮内膜に着床し続けられなかった状態

    通常、精子と卵子が受精した受精卵は子宮内膜にもぐりこんで根を張って着床しますが、化学流産では着床が継続できず、赤ちゃんを包む胎(たい)嚢(のう)が確認できません。また、受精卵が子宮内膜に着床する前のため、医学的には妊娠成立前のこととして流産とはいわず「生化学的妊娠」といいます。

    化学流産の症状は?

    生理程度の出血、もしくは自覚症状がない場合も

    「流産」という言葉からはげしい腹痛や出血をイメージする方もいらっしゃると思いますが、化学流産はほとんどの場合は自覚症状がないか、生理と同じくらいかやや多い出血のみで、1~2週間で少しずつおさまってきます。そのため通常の生理と思い、化学流産していたことに気がつかない人もいます。

    どうして起こるの?

    受精卵の染色体異常のほかくり返す場合は着床障害があることも

    「受精卵の染色体異常がおもな原因のため、「受精したころからの期間中、生活のしかたでよくないことがあったのでは」と自分自身を責めることはありません。ただし再度、化学流産をしたら病院で検査を受けましょう。

    化学流産がくり返されるということは受精卵の着床障害が起きている可能性があります。また、その原因として子宮内膜ポリープ、慢性子宮内膜炎などがあることもわかってきました。慢性子宮内膜炎とは継続的に子宮内膜が炎症を起こしている状態で、血液凝固の異常や免疫的な問題のほか、細菌感染などさまざまな原因が考えられています。そのため妊娠、出産には病院での検査とあわせて治療が必要です。

    化学流産には女性の年齢も影響する?

    卵子の老化とともに確率は高くなる

    女性は胎内にいるときから卵巣のなかに卵子を持って誕生します。そして歳を重ねていくとともに卵巣のなかの卵子は数が減り、あわせて老化もしていきます。そのため、年齢によって卵子の染色体異常の確率は高くなり、必然的に化学流産する率も上がります。ないか、生理と同じくらいかやや多い出血のみで、1~2週間で少しずつおさまってきます。そのため通常の生理と思い、化学流産していたことに気がつかない人もいます。

    化学流産のあと生活で気をつけることは?

    セックスの再開は出血がおさまってから

    ふだんの月経時と同じように、出血がおさまればセックスを再開してもよいでしょう。また、感染を防ぐために、しばらく入浴はシャワーのみにして少しずつ日常生活に戻していきましょう。なお、妊娠検査薬は生理の予定日から1週間は過ぎてからの使用をおすすめします。妊娠検査薬は受精卵が着床し胎嚢が確認できる前の段階でも尿中に含まれるhCGホルモンに反応して陽性となります。ただ、この場合は妊娠がまだ成立していないとき。むやみに早い時期から妊娠検査薬を使用することで「また化学流産してしまうのでは」とかえって精神的な負担となる場合もあるので注意が必要です。

    化学流産のあとは妊娠しやすくなる?

    基本的に妊娠率はとくに変わりません

    これから排卵する卵子の質や子宮内の環境は、化学流産したことでは変わりません。そのため妊娠率があがるということはありませんが、逆に妊娠しにくくなるということも通常ありません。ただし先に紹介したとおり、ふたたび化学流産をした場合は病院の受診をおすすめします。

     

    解説

    杉ウイメンズクリニック
    杉 俊隆 先生

    1985年慶應義塾大学医学部卒業、同産婦人科医教室入室。92~94年アメリカにて抗リン脂質抗体と血液凝固にかかわる分野を研究。96年東海大学医学部付属病院に不育症外来を開設。2009年杉ウイメンズクリニック不育症研究所所長、東海大学医学部客員教授となる。

    杉ウイメンズクリニック
    http://www.sugi-wc.jp/index.html