不妊治療

    精液が出ていても精子がいないこともある!妊活男子の精液検査ルポ

    公開日:2018.10.20 / 最終更新日:2019.10.23

    精液が出ていても精子がいないこともある!妊活男子の精液検査ルポ

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    男子の妊活の入り口である「精液検査」。精子の量、運動率などを分析して、妊娠につながる数値かを調べるのですが、言ってしまうと結果が悪くても死ぬわけではないし、「精液を検査する」ための費用も方法も、一体どこで検査するのかも未知すぎて、「あとで考えよう」と思考にフタをしがちです。かくいう僕、井上は結婚4年目。今回は自分の精子を見られる貴重なチャンスだと思い、精液検査に行ってきました。

    精液が出ていても、精子がいないこともある

    「精液検査は奥さんが『受けてほしい』とお願いしても、抵抗を感じる人が多いのが現状です。しかし、不妊の原因が男性側にあるケースは約5割。私見ではそれ以上です」。
    そう話すのは、京都の男性不妊・泌尿器科専門「北村クリニック」院長の北村健先生。

    「精液が出ているから問題ないと思うのはまちがいで、精液が出ていても、精子の数が極端に少なかったり、運動率が悪かったりと、問題があるケースもあります。男性側に問題があるのに検査せず、女性だけが不妊治療をし続けても、赤ちゃんを授かることはできません。精液検査は女性に比べて体への負担がなく、簡単です。それでいて、妊活に大事な情報の多くがわかるのですから、ぜひ受けていただきたいです」

    「禁欲期間が長いほど精子が濃くなる」は本当?

    「精液検査の際は精子をためすぎず、2~3日の禁欲期間内で受けましょう。1週間以上の禁欲期間だと精液の量や濃度は上昇するものの、運動率や正常携帯精子の割合が低下することが報告されていますので、ためすぎはよくありませんよ」(北村先生)

    妊活男子・井上くんの精液検査レポート

    DATA

    精子採取時間:検査の3時間前
    禁欲期間:1週間
    年齢:29才
    職業:営業
    既往歴:なし
    喫煙:20本/日
    飲酒:ほぼなし
    妊活歴:4年

    1 精液を採取してクリニックへ

    事前に予約をとり、検査の朝に自宅で精液を採取して持っていきます(容器については各クリニックにお問い合わせください)。精液は全量を持参。採取した時間をメモしておいて。保険診療の場合は保険証を忘れずに。

    受付で渡すと、中身が見えないようにタオルでくるんでくれます。クリニックによっては「採精室」があったり、トイレで採取できるところも。事前に確認を。

    こんな容器にとりましょう
    精液は、ふたつきの軟膏入れのようなものに入れて全量を提出。コンドームに出したものは、ゴムや潤滑油の成分に精子が影響を受けることもあるのでNG。パウチ状の袋もNGです。

    2 自動分析装置で分析

    肉眼で出血やゼリー状のものがないかチェックしたあと、精液の量をはかり、自動分析器へ。最低量の1.5㎖に満たない場合は、精液と同量の生理食塩水で希釈して検査をします。この間は待合室で待機します。

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    精子の量、濃度、運動率や、受精能力の高い精子の割合(=精子正常形態率)など多くのことがわかります。

    3 モニターで精子をチェック

    診察室に呼ばれ、モニターで動く精子を肉眼でチェック。妊娠につながりやすい高速で動く精子がいるか、精子の奇形や出血(白血球・赤血球)は多くないかなどを確認。「モニター上での異常所見はありません」(北村先生)。

    はじめて見る精子の映像に興味津々の井上さん。「だいたいみなさん、こんなふうに前のめりになりますよ」(北村先生)。

    元気よく直進する精子、同じ場所でクルクル回転する精子など、精子の様子がよくわかります。

    4 分析結果を見ながらカウンセリング

    続いて自動分析器のデータをもとに、精子の量、運動率などを見ながらカウンセリング。精子検査の結果、生活習慣、妊活歴などから総合的にアドバイスをしてもらえます。問題があれば、睾丸の触診、血液検査など次のステップに進みます。

    生活習慣と精子の関連性、夫婦生活のことなど、気になることはなんでも質問できます。

    所要時間

    15~20分

    費用

    8000円(保険適用外。医療機関により異なります)

    井上くんの質問にDr.北村がお答え!

    井上 僕の精子、どうですか?

    北村 井上さんは精子の量も5mlあって十分ですし、元気に動く精子も50%近くいて、精子の質はとてもいいです。気になるのは濃度。正常値は1ml中に2000万~3億個ですが、井上さんは下限に近い2600万個という数値です。20代で若い、さらに夫婦生活に問題がないのに4年間授かっていないという背景を考えると、少し物足りないかな。何かしらの原因で精子の数が減っているのかもしれません。病気や問題点がないか、さらに詳しい検査をおすすめします。

    井上 たばこや生活習慣が原因という可能性はありますか?

    北村 生活習慣も大事ですけど、まずは医学的な原因を見つけることが一番です。ホルモンバランス、クラミジアなどの性病、精索静脈瘤など男性不妊につながるケースを見つけて治療することで、妊娠につながるケースも多いです。

    井上 精子の質はいいんですよね? 濃度が低くても元気な精子がいれば妊娠できるのでは?

    北村 それはとてもよく聞かれる質問なんですけど、自然妊娠の場合、子宮の入り口に到達するまでに99.9%の精子が死んでしまうんです。猛烈な勢いで淘汰されて、受精できるのはたった1つの精子です。ですから、いわゆる「超優秀」な精子が、「たくさん」いないと、妊娠には至りにくいのです。

    井上 先生、僕、次の検査の予約とって帰ります!

    Advice

    医療法人男健会理事長
    北村クリニック院長
    北村 健先生

    1998年京都大学医学部卒業。泌尿器科医師専攻。洛和会音羽病院、美杉会佐藤病院などでの勤務を経て、2014年に男性不妊・泌尿器科専門クリニック「北村クリニック」開院。大学病院などの臨床第一線にて、泌尿器科癌手術、内視鏡手術、男性不妊症手術を行いながら、とくに男性不妊分野に力を入れている。

    北村クリニック
    https://kitamura-health.com/index.html

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