不妊治療

    「子宮内フローラ検査」は何がすごい?妊娠率はどう変わる?【不妊治療専門医監修】

    公開日:2019.02.04 / 最終更新日:2021.03.09

    「子宮内フローラ検査」は何がすごい?妊娠率はどう変わる?【不妊治療専門医監修】

    検査&適切な治療で妊娠率アップが期待できるという「子宮内フローラ検査」。この検査を導入している不妊治療専門医のお二人に話をうかがいました。

    子宮内フローラ検査をすることで妊娠率・妊娠継続率・生児獲得率を上げられる

    そもそも子宮内フローラとは何?

    「フローラ」とは細菌の集合体のことで、「子宮内フローラ」とは子宮内に存在する細菌の集合体のことを言います。

    子宮内はこれまで無菌と考えられてきましたが、最近、子宮内にも菌が存在し、さまざまな細菌がその集合体であるフローラを作っていることがわかりました。

    子宮内フローラが乱れるとどうなる?

    腟内にはラクトバチルスという善玉菌が豊富に存在していて、細菌性腟炎、酵母感染症、性感染症、尿路感染症などを防いでくれています。

    子宮内に善玉菌(ラクトバチルス)以外の雑菌がふえると、不妊の原因となる子宮内膜炎、卵管炎、骨髄腹膜炎などの炎症が起きたり、病原体と戦うために子宮内膜で免疫が活性化し、それによって受精卵を異物として攻撃、妊娠を邪魔してしまう可能性があります。

    子宮内フローラ検査はどんなことをする? 何がわかる?

    子宮内フローラ検査では、子宮内膜液を採取し、すべての菌のDNA配列を調べます。

    これにより子宮内の細菌環境がわかれば、体外受精で受精卵を子宮に戻す「胚移植」の際に、子宮内が着床に適切な環境かどうか判断できます。

    また子宮内の状態がいいとき(ラクトバチルスが90%以上を占めているとき)に胚移植をすることで、着床率を上げられる可能性があります。

     

    ▲体外受精によって妊娠・出産した人の子宮内フローラは、ラクトバチルス属が大多数を占めていました。逆に妊娠に至らなかった人たちは、ラクトバチルス属以外の菌が多く増殖していました。妊娠のためには、ラクトバチルス属が多いほうが、妊娠しやすいということがわかります。(Moreno et al,AJOG,2016より改変)

    原因不明の人は不妊原因がつかめる可能性も

    子宮内フローラのバランスが悪ければ、より適した状態に整える治療ができます。これにより、原因不明の不妊だったかたは不妊原因がつかめる可能性も。今後の治療に生かすことができるわけです。

    実際、抗菌薬、プロバイオティクス(=乳酸菌を含んだサプリメント)、プレバイオティクス(=ラクトフェリンを含んだサプリメント)を試し、子宮内フローラが改善した例(京野アートクリニック)や、平均14.8%だったラクトバチルスの割合が、治療後に65.2%に改善された例(英ウィメンズクリニック)もあります。

    ▲スペインのIVI Valenciaクリニックで、体外受精をしている患者さん35人を対象に子宮内フローラを調べ、着床や妊娠成績に影響を与えるか調べた結果、「子宮内フローラ正常群」が「妊娠率」「妊娠継続率」「生児獲得率」すべてにおいて有意でした。(Moreno et al,AJOG,2016より改変)

    子宮内フローラ検査はどんな人が受けるといい?

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