不妊治療

    妊活の常識が変わる?新時代の不妊治療3つのキーワード【不妊治療専門医監修】

    公開日:2021.01.11

    妊活の常識が変わる?新時代の不妊治療3つのキーワード【不妊治療専門医監修】

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    「1日も早く我が子を抱きたい」という願いは、妊活中のすべての夫婦に共通するもの。限られた時間とお金をムダにせず、最愛の赤ちゃんに出会うためにできることとは? 

    いまどき妊活のポイントをセントマザー産婦人科医院 田中温先生にたっぷり伺いました!

    妊娠率は35歳から急降下!不妊治療をするなら早めに

    妊娠の成功率を左右するのは、なんといっても年齢です。名医もすばらしい薬も、老化には対抗しきれません。とくに35歳をすぎると、卵子の染色体異常が増えるため、受精、着床がしにくくなり、着床しても流産してしまう確率がグンと高くなります。

    これは、妊活をする夫婦のみならず、思春期以降のすべての男女に知ってほしい厳然たる事実です。キャリアとの両立など悩ましいこともありますが、妊活は早めに始めるのに越したことはありません。

    夫婦で不妊検査を受けて不妊原因がないかをチェックするほか、女性は基礎体温を記録して、自分の体のリズムを把握することも大切!

    妊娠の基本形は自然妊娠。自分の体を意識することが大切 

    私のクリニックでは、体外受精で治療中の方も含めて全員に基礎体温の記録を指導しています。病院でホルモン値を測れるのに、なぜ基礎体温をつけるのかと疑問を持たれる方もいるかもしれませんね。

    でも、「不妊治療を始めたら医師任せでOK」というのは、残念な考え方。やはり妊娠の基本の形は、自然妊娠です。私たち医師は、そのお手伝いをしているにすぎません。

    自分の体への意識を持ち、「産みどき」を逃さないことが、効率のよい妊活のための最大ポイントです。

    高齢での体外受精は、胚移植前のPGT-Aで流産を未然に防ぐ

    昨冬からPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の臨床研究が始まりました。年齢を重ねると、何度も体外受精にトライしてもなかなか妊娠できないケースが増えてきます。これは卵子の老化により、受精卵の染色体異常が増えるから。

    PGT-Aでは、移植前の胚を検査することで、こうした流産を防ぐことができます。流産はタイムロスになるだけでなく、精神的なダメージも非常に大きいもの。PGT-Aは、高齢で体外受精にチャレンジする夫婦にとっては効率よく妊活をするための大きな味方となるでしょう。

    ただ、PGT-Aも万能の救世主ではありません。40歳をすぎると6〜7割の受精卵は染色体異常を持っているといわれます。検査の結果、ひとつも胚移植ができないという厳しい現実に直面することもあります。当然ながらPGT-Aは検査であり、胚を治療するものではないからです。

    名医に突撃!新時代の不妊治療3つのキーワード

    田中温先生

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    キーワード1【着床前遺伝学的検査】

    2020年1月から臨床研究がスタートしたPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)。体外受精でできた受精卵を胚盤胞まで育て、その細胞の一部をとり出して染色体の数に異常がないかを調べます。流産の可能性が高い胚の移植を避けることができるため、流産率を下げる効果が期待できます。

    また、最近では、重篤な遺伝性の病気が赤ちゃんに伝わる可能性がある人への着床前診断(PGT-M)や、習慣流産の方を対象にした着床前診断(PGT-SR)も始まっています。

    PGT-Mを受けられる遺伝性疾患は非常に限定されていましたが、今後は緩和される方向で議論が進んでいます。PGT-Mは諸外国ではすでに広く行われていますが、日本では「命の選別につながる」という声も根強く、なかなか実施に至りませんでした。

    ただ、重い遺伝性疾患を抱えて生きるのは、本人も家族もやはり大変なのです。私は、多くの遺伝性疾患の方の不妊治療も行うなかで、この前進はすばらしい一歩だと受け止めています。

    キーワード2【不妊治療への保険適用】

    菅政権の目玉政策として注目を浴びている、不妊治療への保険適用。おそらく自費診療と保険診療の混合診療となるでしょう。

    経済的なハードルから不妊治療をためらっていた若い世代にも治療の道が開かれれば、少子化対策のひとつとしても期待できるはずです。ただ、高齢での体外受精、無精子症など、特殊なスキルを必要とする治療は従来通り、自費診療のままになるでしょう。

    一方で、保険適用によって治療の質が落ちるのではないかという懸念の声も聞かれます。ただ、私はその点は心配していません。不妊治療施設としてのチェック項目をきちんと満たしているか、国と地方自治体がしっかり監査を行えば、スキル不足の医師、基準に満たない施設では診療が行えません。

    助成金制度の拡充も議論されています。検討されているのは、所得制限の廃止や、2人目以降の治療には回数制限をリセットなど。こうした改正を追い風に、より子どもを持ちやすく、育てやすい社会へ、私たちの意識も変えていくことが望まれます。

    キーワード3【子宮内フローラ】

    子宮内の細菌叢(フローラ)に善玉乳酸菌のラクトバチルス菌が多いと妊娠しやすく、そのほかの雑菌が多いと着床しにくくなるという研究データがあります。

    体外受精で移植を繰り返しているのに、なかなか着床しない反復着床不全の場合、子宮内フローラ検査で子宮内の細菌を調べ、着床に適した環境へと改善することで妊娠につながることも少なくありません。

    ただ、高齢になると、着床がしにくくなる最も大きな原因は、受精卵の染色体異常。体外受精に何度かチャレンジしてはじめて子宮内フローラに目を向けるのではなく、妊活の早い段階から子宮内フローラを整えることが望ましいでしょう。

    今後は、AMHや子宮卵管造影と同じように、不妊スクリーニング検査のひとつとしてとり入れられるようになるかもしれません。また、健康的な食生活と適度な運動、乳酸菌サプリメントの摂取などで、フローラを活性化させる生活を心がけることも大事ですね。

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    「バランスのとれた健康的な食事をベースに、サプリメントもかしこく活用していくといいですね」と田中先生。

    【子宮内フローラのためのラクトフェリン】
    お問い合わせ先/Varinos株式会社
    https://www.varinos.com/
    TEL03-5422-6501(平日9:00〜18:00)
    info@varinos.com

    【田中先生からのメッセージ】卵子の老化は止められない。だから妊活は早めにスタートを

    卵子の老化は止められない。この自然の摂理をきちんと理解し、若いうちに妊活を始められる人が増えてほしい。不妊治療専門医としての切なる願いです。

    監修

    セントマザー産婦人科医院
    院長 田中 温先生

    田中温先生

    順天堂大学医学部卒業後、同大学医学部産婦人科教室に入局。越谷市立病院産婦人科医長を経て、1990年より現職。男性不妊をはじめとしたさまざまな不妊原因への治療法を確立してきた、不妊治療の第一人者。産婦人科専門医、生殖医療専門医、臨床遺伝専門医、細胞診専門医。

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