study妊活の基礎知識

    【妊娠超初期の流産・不育症】何が原因? 流産後の妊娠率は? 経験者の体験談も!

    【妊娠超初期の流産・不育症】何が原因? 流産後の妊娠率は? 経験者の体験談も!

    一度お腹に宿った命が消えてしまうのはとても辛いことです。流産はどうして起こるのか、また、流産を繰り返す「不育症」とはどんなトラブルなのか、不育治療に詳しい専門ドクターに聞いてみました。

    流産全体の6~8割は受精卵側の原因で起こる「偶発的な出来事」

    流産を経験すると、「自分のせいではないか」「あのときのあの行動をしたから流産したのかも」と考えてしまいがち。ですが、流産の原因の6~8割は受精卵側(受精卵の染色体異常によって成長がストップ)の原因で起こる偶発的なもの。

    流産の多くは妊娠10週未満に起こり、次の妊娠に影響を及ぼすことはありません。初めての流産であれば検査の必要はなく、すぐに次の妊娠へトライしても大丈夫です。ただし、2度以上流産を繰り返す場合や、妊娠10週以降の流産を経験した場合、不育症の検査をすることをおすすめします。

    待ちに待った赤ちゃんの流産は悲しくつらい経験ですが、実はだれにでも起こる可能性があります。流産を経験すると自分の行動をふり返り、その原因を探す方もいますが、原因がはっきりしないことのほうが多いので、自分を責める必要はありません。

    流産や不育症についての正しい知識を持てば、いたずらに不安にかられることもなくなるはず。流産や不育症の知識をしっかり身につけることが、次の妊娠への第一歩です。

    化学流産は流産には数えません

    妊娠反応が見られたものの、しばらくして反応が消えてしまうことを「生化学的妊娠」(化学流産)といいます。これは流産には数えませんが、何度も繰り返すような場合は医師に相談を。妊娠検査薬は月経予定日ごろに試すと薄く反応が出ることがあります。しかし、そのまま月経になってしまうことも少なくないので、検査薬は月経予定日から1週間後くらいに使うのがベスト。

    転んでもお腹をぶつけても流産はしない

    転んだり、しりもちをついたことが心配で受診されるかたもいますが、それが原因で流産になったケースはかなり稀なケース。早産に注意したい時期におなかをぶつけたりすると胎盤早期剥離の危険性もありますが、流産の時期はお腹の中で守られているので必要以上に心配しなくてもいいです。

    流産になりやすい体質はない

    不育リスク因子の体質を別にして考えれば、その方が持つ体質と流産は特に関係はないと考えていいでしょう。例えば、太り過ぎ、やせ過ぎは妊娠しづらいことにはつながりますが、それが原因で流産するかといえば別問題です。

    流産は自覚症状がないことも多い

    出血や腹痛などが自覚症状といわれますが、無症状で自覚症状がないことが多い印象です。健診で超音波検査をして初めて流産だとわかることも少なくありません。つわりは早いと6週ごろから始まって12週がピークですが、つわりが徐々にではなく急におさまる場合は心配なので、クリニックを受診したほうがいいでしょう。

    流産後のセックスの再開時期は人それぞれ

    以前は流産後半年以上経過してからといわれていましたが、それは昔の話。今は高齢で妊活をされている方も多いので、1~2回の月経がきて子宮内膜がきれいになっていれば、セックスを再開してもいいでしょう。ただし、体的には問題なくても、もし気持ちが次の妊娠に向けて追いついていないようなら、それは時間をかけたほうがいいかもしれません。

    流産しても子宮環境が悪くなることはない

    流産後に子宮環境や卵子の状態が改善して妊娠しやすくなることはありません。逆にいうと、流産したからといって子宮環境が悪くなることもないのです。

    染色体異常が原因の流産は防ぐ方法はない

    胎児側の染色体異常が原因の流産は、防ぐ方法はありません。着床まではできても赤ちゃんになることができなかった運命と考えてください。一方で、不育症で見つかるリスク因子については、予防したり、因子に対して適切な治療を行なうことで防げる流産もあります。

    流産体験記●ももさん(33才・妊活歴1年3カ月)

    フライングで検査薬に陽性が。でも超初期の化学流産でした
    結婚式が終わって自己流でタイミングをとりはじめました。それから3カ月後に妊娠検査薬で陽性反応が! でも喜んだのもつかの間、その後出血(月経)があって化学流産に。一瞬でも妊娠したと思ったので、先生からは医学的には流産ではないといわれてもショックでした。

    流産体験記●ごん太さん(31才・妊活歴1年)

    流産後の先生の対応に違和感。思いきって転院!
    結婚してすぐに流産を経験。私はすごく落ち込んでいたけど、先生がドライで温度差を感じてしまい、そこに通うのがいやになって転院。転院先のクリニックは不育症分野にくわしいところで、受診したときから流産や不育症についていろいろ教えてくれて安心して通えています。

    流産体験記●ゆうさん(30才・妊活歴1年)

    食事指導を受けながら治療を続けています
    肥満気味なので、栄養士さんに食事指導を受けながら治療をしています。体外受精で妊娠したけど稽留流産に。太っているから流産したのか不安だったけど、それは関係ないみたい。でも肥満気味だと妊娠中や出産のときもトラブルがあるようなので、今も食事指導は継続中!

    流産体験記●N・Yさん(32才・妊活歴2年2カ月)

    甲状腺と不妊治療、ふたつのクリニックに通院中
    バセドウ病で、不妊治療専門クリニックと甲状腺の病院のふたつに通っています。半年前に一度流産を経験していますが、掻爬手術で処置をして、その後は経過も良好。甲状腺にトラブルがある人は流産を繰り返しやすいと聞いているので、バセドウ病の治療もがんばっています。

    「不育症」の半数程度が原因不明。まだまだ研究段階の分野

    一般的には、流産や死産を2回以上繰り返した場合、「不育症」のなんらかの原因(リスク因子)を抱えていないかどうかの検査がすすめられます。

    不育症のリスク因子は大きく分けて4つ。甲状腺機能異常や糖尿病などの「内分泌異常」、中隔子宮や双角子宮など子宮に異常がある場合の「子宮の形態異常」、血栓ができやすい「血液凝固異常や抗リン脂質抗体」、ご夫婦の「染色体の構造異常」です。

    ですが、上の円グラフのように、不育症はまだまだ研究段階の分野なので、検査をしてもはっきりとした原因がわからない場合があります。不育症の診断や治療で難しいのは、リスク因子が流産に直結するとは限らないこと。過剰医療にならないよう、患者さんの体を見きわめてベストな治療を選択することが、不育症治療の大事なポイントになります。

    不育症のリスク因子1:内分泌異常

    流産率が高いと報告されている甲状腺機能亢進症や機能低下症、赤ちゃんの奇形率が上がるというデータがある糖尿病。これらの疾患をかかえる場合、内科や内分泌科の医師の協力のもと治療を進めていきます。どちらも、症状を安定させてから妊娠にトライすることになります。

    不育症のリスク因子2:染色体の異常構造

    「転座」といわれる、ご夫婦の染色体の構造異常。染色体の位置に変化が見られる場合、精子や卵子に染色体の過不足が生じることが。このような精子や卵子は受精卵に育たない可能性が高くなります。転座のあるご夫婦には受精卵の「着床前診断」が認められています。着床前診断を受ける場合はご夫婦での話し合いが重要に。

    不育症のリスク因子3:血液凝固異常・抗リン脂質抗体

    血流が滞っている部分に血液が固まって血栓を引き起こします。妊娠中、胎盤に血栓ができると胎児に栄養や酸素が行き届かないため、流産や死産の原因に。血液をサラサラにして血栓をできにくくするアスピリンを服用して治療をします。

    不育症のリスク因子4:子宮の異常形態

    子宮の形の異常には、中隔子宮、双角子宮、重複子宮があります。生まれ持っての先天的なもので、ほとんど自覚症状はありません。受精卵が着床しにくいため流産の原因になります。腹腔鏡などの手術をする場合もあれば、経過観察を続けながら妊娠にトライするケースも。また、子宮の形は正常でも、子宮筋腫が子宮内を圧迫している場合は不育症のリスクが高まります。

    【精神的なケアで流産率下がる報告も】

    残念ながら、検査をしても「原因不明」となることもあるのが不育症の難しいところなのです。原因不明で重要となるのは心のケア。今注目されている「テンダーラビングケア」は、医師と対話をして不安を吐き出すことで、精神的な負担をやわらげる治療法のことです。

    このような精神的なケアによって流産率が下がることが国内外で報告されています。不安をひとりでかかえ込まないでご夫婦でよく話し合い、その決断を、医師がサポートしていきます。

    不育症体験記●みわさん(35才)

    不育外来のあるクリニックへ転院。安心して治療ができた
    不妊治療専門クリニックで高プロラクチン血症が発覚したのが30才のとき。投薬治療を開始後すぐに妊娠したけど流産に。半年後に再び妊娠するも流産に。落ち込む私の横で夫が流産や不育症について調べてくれて、不育症外来のあるクリニックへ転院。不育症につながる原因は見つからなかったけど、不育症にくわしい先生がいると思うだけで気持ちが安定。その安心感がよかったのか、体外受精で妊娠しました。

    不育症体験記●朱里さん(32才)

    流産を二度経験。アスピリンを服用しながら自然妊娠!
    最初は妊娠14週で稽留流産、二度目は胎嚢が確認できない段階での化学流産。不妊治療専門クリニックを受診して血液検査を受けたら血液の凝固異常の疑いがあるのとことで、アスピリンの服用を開始。「不育症かもしれませんね」と言われたときは頭が真っ白になったけど、授かりづらい原因がわかったので、これはもう治療するしかない! 半年後に自然妊娠、妊娠中もアスピリンの服用を続けながら出産しました。

    不育症体験記●ポチらぶさん(28才)

    中隔子宮が見つかって手術をしました
    妊娠してすぐ自然妊娠するも化学流産に。その後半年以内に再び自然妊娠したけど、今度は稽留流産に。ネットで調べるうちに「不育症」の言葉にたどりつき、不育症にくわしい不妊治療専門クリニックを受診。そこで中隔子宮といわれました。手術をすれば妊娠の可能性は上がると説明され、2回流産を経験していた私たち夫婦は、迷わず手術をえらびました。それから8カ月後に妊娠。もうすぐ出産をむかえます。

    不育症体験記●アイコさん(30才)

    原因不明の不育症。先が見えない不安のなか体外受精で妊娠
    自己流ではなかなか妊娠しなくて、婦人科でタイミング指導をしてもらったらすぐに妊娠。でも、10週で心拍が確認できなくなって流産に。半年後にタイミング法で2度目の妊娠をしたときも、7週を過ぎても胎嚢が確認できず流産。その後、不妊治療専門クリニックへ転院し、不育症の一連の検査を受けました。これといった原因は見つからなかったけど、先生と相談して体外授精にトライ。その後、妊娠しました!

    不育症体験記●花さん(39才)

    仕事をセーブして不育症の治療に専念
    31才と34才のときに流産を経験。35才で不妊治療専門クリニックを受診したとき初めて不育症という言葉を知り、また、高齢の場合は胎児の染色体異常による流産が起こりやすいと聞き、急に焦りと不安でいっぱいに。今までのんびりしていたことを夫婦で反省して、仕事もパートに切り替えて治療に専念。夫の精子の運動率も悪かったので、アスピリンを服用しながら顕微受精にトライして、3度目の顕微授精で妊娠!

    不育症体験記●ごまさん(35才)

    夫婦でしっかり泣いて悲しむことができたから前向きになれた!
    結婚3年目に不妊治療を開始、翌年顕微授精で妊娠したけど8週で心拍停止。その翌年また顕微授精で妊娠したときも、15週で子宮内胎児死亡と告げられました。入院中は涙をこらえていたけど、退院して家に帰ると涙が止まらなくて、夫婦で抱き合いながら泣きました。そこでふたりで思いっきり泣けたことがよかったと思います。気持ちを切り替えて不育症の検査をして、投薬や治療を続けて、顕微授精で妊娠しました。

    監修

     

    峯レディースクリニック
    院長 峯 克也先生

    日本医科大学医学部卒業後、同大学大学院女性生殖発達病態学修了。木場公園クリニック、新宿ARTクリニックをへて、東京・自由が丘に峯レディースクリニックを開院。厚生労働省研究班「不育治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究」にも協力。

    https://www.mine-lc.jp/

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