不妊治療

    黄体ホルモンが少ない?『黄体機能不全』をどこよりも詳しく解説【不妊治療専門医監修】

    公開日:2019.02.26 / 最終更新日:2020.10.19

    黄体ホルモンが少ない?『黄体機能不全』をどこよりも詳しく解説【不妊治療専門医監修】

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    黄体機能不全の原因はまだよくわかっていないため、黄体機能を予備的に高め、黄体ホルモンの分泌を正常にする治療を行います。病院によって治療方針が異なるので、どんな治療を行うかはかかりつけ医とよく相談してください。

    ①黄体ホルモンの補充

    黄体機能不全の多くのケースで、まずは試される治療法です。注射や内服、膣座薬、膣内クリーム、貼付剤で予備的に黄体ホルモンを補充します。

    ②黄体賦活(刺激)法
    ※賦活(ふかつ):活力を与えること。活性化させること。(三省堂「大辞林 第三版」より)

    卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌を促す作用があるHCGを注射して、黄体ホルモンの分泌を促進させます。

    ③卵胞刺激法

    卵胞の発育不全で黄体機能不全となる場合があるため、卵巣での卵胞発育を促す目的で、卵胞刺激ホルモン(FSH)を注射します。

    ④排卵誘発剤で排卵を促す

    排卵誘発剤として知られているクロミッドは卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を促します。

    卵胞ホルモンが少ないと、黄体ホルモンの量も減ってしまうため、クロミッドを使って間接的に黄体ホルモンの分泌を促します。

    ただし長期の使用で子宮内膜を薄くしてしまう副作用があるため、注意しながら使う必要があります。

    ⇒⇒⇒関連リンク:妊娠をグイッと後押しする「排卵誘発剤」の効果的な使い方

    ⑤漢方療法

    漢方では「黄体機能不全」は腎陽虚(じんようきょ)と言い、生殖や成長に関係する「腎」の力が弱いために起こると考えられています。そもそもの月経周期を整える漢方や、「腎」を回復させる漢方で調整していきます。「3大婦人薬」と言われる「当帰芍薬散」「温経湯」「桂枝茯苓丸」も多く使われます。

    高プロラクチン血症の場合

    プロラクチンの分泌を抑える薬を使って治療し、黄体ホルモンを正常に分泌させます。

    甲状腺機能低下症の場合

    TSHという甲状腺刺激ホルモンで甲状腺の値を正常にする治療をして正常にし、黄体機能不全を改善させます。

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    タイミング法・人工授精の場合

    黄体ホルモンを補充して治療を進めます。ただし、自然周期を採用するクリニックでは黄体ホルモンの補充を行わないこともあります。

    ⇒⇒⇒関連リンク:できれば自然に妊娠したい!【自己流のタイミング法】

    体外受精・顕微授精の場合

    原則的に黄体ホルモンの補充をして治療を進めます。

    ⇒⇒⇒関連リンク:年間5万人以上の赤ちゃんが生殖補助医療〈ART〉で誕生!【体外受精・顕微授精】

    黄体機能不全の改善のために自分でできること

     

    黄体機能不全であることがわかったら、改善に向けて日常生活でできる工夫もあります。

    いい排卵を目指す

    黄体機能不全を改善するためには排卵後の黄体の働きが大切です。そのためにはまず「いい排卵」をすることが欠かせません。

    「いい排卵」とは規則正しく、遅れないこと。血流をよくする(体を冷やさない)、バランスのとれた食事をする、しっかり睡眠をとるなど、健康にいいとされる生活を心がけましょう。

    タバコやお酒との付き合い方も、いま一度見直してみましょう。

    ストレスを減らす

    女性ホルモンが一番影響を受けるのがストレス。現代の生活でストレスを感じないことは難しいので、適度な運動をして、十分な睡眠をとり、ストレスに打ち勝つ健康な心身を保ちましょう。

    毎日同じ時間に就寝するだけで、基礎体温が安定しやすくなります。

    ⇒⇒⇒関連リンク:STOP不妊様! 妊活ストレスでドス黒い感情に襲われたときの脱出法

    ビタミンEをとる

    排卵障害(妊娠機能障害)の治療にも使われ、「子宝のビタミン」とも言われるビタミンEは、黄体ホルモンの材料になり、さらに卵巣に働きかけてホルモンの分泌をコントロールする作用があります。

    ビタミンEは植物油、種実類、魚介類に多く含まれます。食事だけで十分に摂取できないときはサプリメントで補いましょう。

    ビタミンEが多く含まれる食品

    ※食品100g当たりの含有量。成人女性の摂取目安は6.0mg/日です。

    アーモンド(29.4mg)
    あんこうのきも(13.8mg)
    松の実(12.3mg)
    いくら(9.1mg)
    焼き鮎(8.2mg)
    焼きたらこ(8.1mg)
    モロヘイヤ(6.5mg)
    オリーブ(5.5mg)
    うなぎのかば焼き(4.9mg)
    かぼちゃ(4.7mg)
    焼きのり(4.6mg)
    卵黄(3.4mg)

    _________

    はっきりした原因がわからない「黄体機能不全」ですが、黄体ホルモンをしっかり出すための治療法で改善することができます。まずはしっかり検査、診断をしてもらい、適切な治療を行ってください。

    監修

    明大前アートクリニック
    北村誠司先生

    1987年慶應義塾大学医学部卒業。荻窪病院虹クリニック院長をへて、明大前アートクリニックを開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。1989年より、子宮鏡下手術による胚移植の改善や腹腔鏡下手術による子宮筋腫、子宮内膜症の解消・改善を積極的にはかる。妊娠困難症例に対して新しい治療法で対応。クリニックでは男性不妊の治療も行う。

    ⇒⇒⇒関連リンク:明大前アートクリニックレポート
    https://www.meidaimae-art-clinic.jp/

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