妊活の基礎知識

    【妊活の誤解】同じ不妊治療でも
方針はクリニックにより全然違う!〜名医がズバッと答えます①

    公開日:2019.07.18 / 最終更新日:2019.07.29

    【妊活の誤解】同じ不妊治療でも
方針はクリニックにより全然違う!〜名医がズバッと答えます①

    いざ不妊の検査や治療を受けてみようと思ったとき、「どこのクリニックに行けばいいの?」ととまどいますよね。インターネットで検索すると候補がたくさん出てきますが、実は不妊治療専門のクリニックは、施設によって治療方針や方法が違います。その理由とは? 体外受精による通算妊娠数15,940名(※2019年6月現在、品川・名古屋・春日井の全国3施設計 胎嚢確認数)を超え、高度生殖医療の最先端を走り続ける名医・浅田義正先生がズバッと答えます! この記事では不妊治療におけるクリニック選びの重要性について紹介します。あなたとパートナーの妊活を考える参考にしてください。

    体外受精を行なう施設は全国に600カ所もある

    妊活のよくある誤解・その1

    不妊治療はどのクリニックでも同じような治療が受けられるんでしょう?

    
現在、日本全国に体外受精を実施している施設は、どれくらいあると思いますか?
    
実は、なんと約600カ所もあります。大学病院や総合病院、産婦人科医院など、その形態や規模はさまざまです。

    こうしたなか、不妊治療の専門施設もたくさんあります。その多くは個人のクリニックで、治療方針はそれぞれの施設によって異なります。

    卵巣刺激法や採卵、麻酔の有無・・・施設によって違う

    特に体外受精については、それぞれ基本となる治療方針を掲げていて、治療法には個性や特徴があります。

    例えば、体外受精で卵巣から卵子を取る「採卵」を例にとってみましょう。

    採卵の前には、複数の卵を育てる目的で、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激します。この卵巣刺激の方法、薬の使い方などは、クリニックによって考え方が違い、さまざまな方法が行なわれています。

    また、採卵の方法や採卵時に麻酔をする・しないといったことも施設によって異なります。

    受精卵ができたら、その培養のしかた、胚(受精卵)をどの段階で凍結するか、胚をいつどのように子宮に戻すか……。これらも施設によって考え方が違うのです。

    「Aクリニックでは、排卵誘発剤の注射をたくさん使って打ったけれど、Bクリニックでは飲み薬だけだった」
    
「採卵のとき、Cクリニックでは麻酔をしたけど、Dクリニックでは麻酔をしなかった」

    転院したことがある方なら、その違いに驚いたかもしれませんね。

    多様な治療法は教育制度の影響?!
    
なぜ、このように多種多様な治療が行なわれているの? 

    それは、日本では生殖医療について体系的に教える機関がないからです。

    現在、生殖医療について専門的に学びたいと思った医師は、病院やクリニック、海外の病院や研究施設などへ行って勉強するか、誰かに教えてもらうなどしなければなりません。

    そうして実績を重ねた医師が、不妊治療専門クリニックを開業するケースが多いのです。

    自身のクリニックで経験を重ねながら、自分なりの治療法も考えるでしょう。そうして治療法は百花繚乱となったのです。

    産婦人科医が不妊治療にくわしいとは限らない

    妊活のよくある誤解・その2
    産婦人科の医師は誰でも不妊治療ができる?

    産婦人科の医師だからといって、誰もが不妊症にくわしいわけではありません。

    産婦人科は、女性の一生をカバーする診療科です。妊娠・出産だけでなく、子どもから高齢者に至るまで、さまざまな病気の治療にあたっています。そのため、医師の専門分野も多岐にわたります。

    たまたま行った産婦人科の医師が、不妊にくわしいとは限りません。
    
その人の年齢や卵巣予備能を考慮していない医師に、「排卵しているから、だいじょうぶでしょう」と言われて、のんびりと通院していたら、貴重な時間をムダにすることになりかねません。

    昔ながらの治療であるタイミング法や人工授精は、生殖医療にくわしくない医師でも、たいがいはできるもの。

    しかし、体外受精・顕微授精となると、特定の施設でしか実施できません。産婦人科の初期研修でも教えていないことがほとんどで、医師の知識には大きな差があるのです。


    妊娠率向上に努める専門クリニック

    日本で体外受精が始まった頃は、設備や研究にお金がかかることや「最新の研究は大学病院で」という風潮があり、大学病院をメインとして体外受精が行なれていました。

     

    しかし現在、体外受精の主流は不妊治療専門クリニックといえるでしょう。

    ひとり一人異なる状況の患者に対応し、一人でも多く、できるだけ早く妊娠してもらおうと、切磋琢磨して妊娠率の向上に努めています。

各クリニックで、そのための研究や新しい治療法にとり組み、そうして独自の治療方針を掲げ、さまざまな治療を行なっているのです。

    


何を重視してどのクリニックで治療をするか、夫婦で話し合おう

    では、受診するクリニックをどう決めればいいのでしょうか?

まずは、候補となる医療施設の治療方針や治療内容について調べてみましょう。セミナーや説明会を開催していたら、参加してみるといいですね。

そして、自分たちは何を重視して、どのように治療を進めたいのか、パートナーとよく話し合ったうえで、妊活を進めていきたいですね。

     

    編集部まとめ

    たとえば歯科なら「近所の歯医者さん」のほかに「大学病院」などがあり、専門分野も小児歯科、矯正歯科、予防などに分かれていますね。同様に不妊治療ができる施設も実にさまざま。数ある施設の中から、自分たちの目標や目的にあった施設を見きわめることがたいせつです。不妊治療は十人十色。100組のカップルがいれば、100とおりのスタイルがあります。信頼できるドクターに出会い、一緒に治療を進めるのが理想的。通院しやすさを考慮しながら、自分たちに合ったクリニックを選んでくださいね。〜赤ちゃんが欲しい編集部 

    監修

    浅田レディースクリニック理事長
    浅田義正先生


    より短い治療期間で妊娠という結果を出すため、エビデンスに基づいた治療や痛くない不妊治療・痛くない採卵を行なう。1982年名古屋大学医学部卒業。88年名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として不妊外来を担当。95年同病院分院でICSIによる治療開始。同年日本ではじめて精巣精子を用いたICSIによる妊娠例を報告。2004年浅田レディースクリニック(現・勝川クリニック)開院、10年浅田レディース名古屋駅前クリニック開院、18年浅田レディース品川クリニック開院。

     

    浅田レディース品川クリニック

    https://akahoshi.net/facility/new/detail-3.php

    浅田レディース名古屋駅前クリニック

    https://akahoshi.net/clinic/aichi/detail228.php

    浅田レディースクリニック勝川も。

     

    『名医が教える 最短で授かる不妊治療』主婦の友社

    妊娠に本当に必要な正しい知識とベスト&最短で授かるための不妊治療の進め方をどこよりも詳しく解説!

    取材・文/高井紀子

     

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