不妊治療

    【男性不妊】精子トラブル、ED(勃起障害)でも妊娠できる?専門医が答えます

    公開日:2019.09.27 / 最終更新日:2021.04.08

    【男性不妊】精子トラブル、ED(勃起障害)でも妊娠できる?専門医が答えます

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    男性の妊活をとりあげた映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』が公開になるなど、男性不妊に注目が集まっていますね。

    不妊の原因は女性側だけにあると思っていませんか? 実は男性側の不妊原因も結構多いんです!
    分からない! 知らなかった! 男性不妊について 男性不妊外来で日々診察され、男性患者さんからの絶大な信頼を集める岡田先生がやさしくていねいに答えてくれます。
    セルフチェックから原因や治療、生活習慣や夫婦の生活改善など ズバリ10問10答でわかりやすく解説。 ご夫婦いっしょに読んでくださいね。

    【1】不妊原因が男性にある割合ってどのくらい?

    不妊原因の男女比は約半分ずつ! 検査は夫婦いっしょにスタート!

    不妊原因は女性の問題ととらえがちですが、WHO (世界保健機関) の報告では、男性に原因がある場合も約半分! そこで日本で男性不妊に悩む人の数を推測したところ、約52万人と考えられました。これは同年代の糖尿病患者数より多い! 今や男性不妊は珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。夫が検査を先送りしている間に妻の年齢が上がり、妊娠しにくくなる可能性があります。 検査は夫婦いっしょにスタートが基本です。

    【2】男性不妊チェックって自分でできる?

    まずは生活習慣や病歴からチェックしてみよう!

    もしかして男性不妊!?  病院へ行く前のセルフチェック

    \チェックが2~3個ある人は、病院で相談を/

    □ ①タバコを吸う
    □ ②お酒を大量に飲む
    □ ③ストレスを強く感じ、疲労感が抜けない
    □ ④EDぎみだ
    □ ⑤精巣が小さい・左右の大きさが違う・違和感がある
    □ ⑥思春期以降におたふくかぜにかかった
    □ ⑦鼠径ヘルニアの手術をした
    □ ⑧尿道炎になったことがある
    □ ⑨体毛やヒゲが薄くなった
    □ ⑩育毛剤や筋肉増強剤を服用している

    ①喫煙は精子の数や運動率に悪影響が。②、③、④は性欲・勃起や射精に影響します。⑤は精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)という病気の可能性があり、⑥は精子をつくる機能に影響が。⑦、⑧は精路が詰まっている場合があります。 ⑨、⑩は男性ホルモン低下や精子形成をストップさせてしまう可能性があります。セルフチェック、いかがでしたか?

    【3】やっぱり病院へ行かないとダメ?

    病院へ行かなくてもできます! 精液検査

    子どもがほしい! という共通の目標があるなら、女性が不妊検査を受けると同時に、男性も検査を、ということはわかっていただけましたね。病院へ足を運ぶのがどうも……と、夫が二の足を踏んでいる場合は、採取した精液を妻に託して病院で検査を! また、排卵日周辺の夜にセックスし、12時間以内を目安に妻が受診し、頸管(けいかん)粘液を採取して精子を調べるフーナーテストでも、精液の検査ができます。早く検査を始めることが、子どもを授かる近道です!
    精液検査に「男としての価値」が試される気分になる人もいるでしょう。2~3度と行なうとよい結果が出ることも多いので、1回であきらめないことが肝心ですよ!

    ◆精液検査でわかること◆

    ●精液量
    ●精液濃度
    ●総精子数
    ●精子運動率
    ●正常形態精子率

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    ※精子機能の不妊原因すべてがわかるわけではありません。

    【4】どんな病院へ行ったらいい?

    泌尿器科・男性不妊外来で生殖機能の健康診断を!

    1回の検査で「男性不妊なので、人工授精や体外受精、顕微授精をおすすめします」と診断された人が、くわしく検査すると問題なかった! ということも実は多いのです。泌尿器科・男性不妊外来では、どこに原因があるのか、男性側のことを多方面から検査してくわしく調べ、適切な治療を行なうことができます。その結果、精液検査の結果がよくなるケースも多くあります。生殖機能の健康診断をするつもりで、ぜひ気軽に受診を!
    検査結果が、正常範囲の内と外では心理的にも、治療法も大きく違ってきます。会社帰りや休日など気分がラクなほうが結果がよくなる傾向があります。ぜひ男性ご自身が受診をしてみましょう。

     

    ようこそ!泌尿器科 男性不妊外来へ

    泌尿器科 男性不妊外来の雰囲気と受診の流れをルポ。受診の参考にしてくださいね。

    1、問診表記入→問診

    医師に話しにくいことでも、問診表なら答えやすいので正直に記入しましょう。それをもとに医師が質問します。
    奥さんにお聞きしたいこともあるので、ご夫婦そろっての受診がおすすめです。

     

    2、視診・触診

    下着を脱いでベッドで行う視診や触診では、陰嚢(いんのう)の大きさやかたさ、精管の有無やはれや痛みなど、おもに外性器の状態を確認します。寒いと精巣が上に上がるので、あたたかい部屋、あたたかい手で行ないます。

    プラスチック製の精巣の模型、オーキドメータで陰嚢の大きさを調べます。

     

    3、精液検査

    マスターベーションで射精した精液を調べて、精液量や精子の数、運動性や形を検査します。

    ①容器を受けとります。

     

    ②個室になった採精室で射精。

     

    ③指定の場所へ提出。

     

    ④検査結果を聞きます。

     

    4、超音波検査

    陰嚢に器具を当て、超音波(エコー)で精巣の正確な大きさなどを調べるほか、悪性腫瘍(しゅよう)や精路に狭いところや詰まりがないかを調べます。石灰化や精索静脈瘤が見つかる場合もあります。

     

    5、血液検査

    精子をつくるのに必要なホルモンの異常や、遺伝情報の入っている染色体に異常がないかを調べます。

     

    6、再診

    再診日に血液検査の結果の説明と、2回目の精液検査を行ないます。

     

    ご協力いただいたのは…

    獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター

    獨協医科大学埼玉医療センター・リプロダクションセンターでは、採精容器を開発。精子が空気に触れる部分を少なくし、温度変化によって精液の状態が低下するのを防ぐ工夫がされています。自宅で採精する場合や人工授精、体外受精の際にも使用しています。
    超音波検査では、精子の生成や性腺機能に必要な亜鉛などの血中濃度を調べる微量ミネラル検査も実施しています。

    また、さらにくわしい「精子機能検査」も実施しています。
    精子機能検査
    ・精子の(断片化指数)検査:精子のDNA<損傷率を調べる。
    ・精液中酸化還元電位測定(ORP測定):精液中の酸化ストレスの強さを測る。

    詳しい情報はこちらから http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/repro/

    【5】精子の数が少ない! 元気がない! どうしたら?

    男性不妊でいちばん多い症例。原因不明な場合も多い

    ①精子の数が少ない、②精子の運動率が低い、③正常な形の精子が少ない、これらの総称が「OAT症候群」。精液検査で一つの数値だけが低いケースは少なく、3ついずれも低いことが多いです。このうち原因がわからない「特発性造精機能障害」は、男性不妊全体の半数から4分の3に及びます。抗酸化剤などの薬を服用して様子をみながら、人工授精や体外受精、顕微授精へ進みましょう。
    一方、原因が明らかな「造精機能障害」の中で最も多いのは「精索静脈瘤」で、手術によって検査結果の改善が期待できます。次に見つかりやすい「ホルモン分泌異常」は、注射などでホルモンを補充。精子の状態がよくなることがありますので、積極的に治療していきましょう。

    精巣から肝臓へ流れ出る血液が逆流して、静脈がこぶ状にふくれる病気。
    精巣温度を上げたり、酸化ストレス上昇のため、造精機能が低下します。

    【手術の方法】

    「低位結紮術」と「高位結紮術」という手術法があり、いずれも精巣静脈を結んで切断することで逆流がなくなり、こぶが消失します。

    【ホルモン分泌異常】

    数は少ないものの、比較的見つかりやすい原因の「低ゴナドトロピン性精巣機能低下症」。精子をつくるために必要な下垂体ホルモンの分泌が少ないため、注射で補います。

     

    【6】精子が1つも見当たらない! 

    本当に精子ゼロ!? たとえゼロでもあきらめないで

    検査結果の「精子ゼロ」と「精子1つ」とでは、治療法が大きく変わってきます。本当にゼロなのか? できれば3回以上、くわしく検査できる医療機関でよく調べてください。それでもゼロ、「無精子症」と診断されたら、治療を始めましょう。
    精子はつくられているものの、通り道に問題がある「閉塞性無精子症」は手術で、おもに精路をつなげる精路再建術を行ないます。
    また、精路に問題はなく、精巣での精子形 山成に問題がある「非閉塞性無精子症」は、TESE(精巣精子採取術)、MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取術)という最先端の手術で、精巣から直接精子を採取して顕微授精を。子どもを持てる可能性はどんどん広がっています。どうかあきらめないで!

    閉鎖した精管を再建する「精管−精管吻合(ふんごう)術」。精子がつくられていれば自然妊娠も可能に。

    陰嚢を5mmほど切断し、少量の精巣組織をとり出し、観察用顕微鏡で精巣組織内の精子をさがし出します。

    陰嚢を切開して精巣をとり出し、手術用顕微鏡を使って、精子がいそうな精細管を特定。その部分を採取してから、観察用顕微鏡で精子をさがし出します。

    【7】セックスができない! 

    妻の配慮や薬、カウンセリングも効果大!

    EDは加齢や糖尿病のほか、精神的ストレスやプレッシャーも原因になります。最近は妻にだけ勃起・射精できない「妻だけED」や、タイミング法を気にして起こる「タイミングED」も問題になっています。 治療にはED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス)の服用があり、「もしものとき」のお守りがわりに持つ人も。夫を精神的に追い詰めない、妻の配慮もたいせつです。 また、射精障害で最近問題なのが、女性の膣内で射精ができない「膣内射精障害」。まちがったマスターベーションやAVの影響で、外でしか射精できない場合です。治療法は、カウンセリングと並行しながら、人工授精もおすすめします。

    射精時に閉じるはずの膀胱(ぼうこう)頸部が閉じないため、本来は体の外に射精される精液が、膀胱に逆行する現象。薬での治療が効果的ですが、排尿して膀胱をからにしてからマスターベーションし、膀胱から精子を採取する方法も。人工授精や顕微授精などを行なっていきます。

    【8】何も問題がない! なぜ?

    夫婦でできる検査を1つ受けておこう

    妻の検査結果に問題がないので夫も調べてみたものの、何の異常も見当たらない……というケースもあります。ふつうにセックスもできていて、夫婦ともに不妊原因が見つからないという場合です。 1つ検査しておいてほしいのは、フーナーテスト。男性の精子と女性の頸管粘液の相性が悪いと受精しません。結果が悪い場合は人工授精や体外受精をおすすめします。

    \要注意! 精子力ダウンは35才から/

    男性不妊外来の患者さんでは、35才を境に精子の受精能力が極端に低下する人が多いことがわかってきました。これまで、不妊の加齢の影響は、女性の卵子の問題ばかりがとり上げられてきましたが、どうやら男性の精子にも問題があるようです。 このような現実を受け止めつつ、男性不妊の原因がある人も、ない人も、はっきりしている人も、そうでない人も、できることから生活改善して、精子カー妊娠力を高めていきましょう。

    【9】今すぐやめよう! 精子力アップのためにやってはいけない10NG

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