不妊治療

    受精卵着床のベストタイミングを調べて妊娠率UP!【不妊治療専門医監修】

    公開日:2019.10.18 / 最終更新日:2019.11.06

    受精卵着床のベストタイミングを調べて妊娠率UP!【不妊治療専門医監修】

    妊活中の医学的な気がかりには、頼れる専門家からのアドバイスが必要です。
    そこで『赤ちゃんが欲しい』読者のみなさんから寄せられた悩みに、不妊治療専門医がお答えします。
    今回はタイミング法、人工授精を経て、2回目の体外受精にチャレンジするも、2回ともうまく着床しなかったという女性が相談者です。

    着床できる最適な時期を表す「着床の窓」とは? 着床がうまくいかない原因を知るための方法は? 山下湘南夢クリニック副院長 吉田雅人先生が詳しく教えてくださいました。先生の応援メッセージ、受け取ってくださいね!

    人気連載『教えて先生』より、信頼性が高いとよく読まれているQ&Aをご紹介します。

    Question
    「着床の窓」という言葉を知りました。どういうものなのか教えてください」

    タイミング法、人工授精を経て、2回目の体外受精に挑戦しました。受精卵を移植することはできたのですが、2回ともうまく着床しませんでした。 先日、妊活仲間から「『着床の窓』を調べてもらったらずれていた」と聞いたのですが、いまひとつ理解できません。

    神奈川県/38才
    赤ちゃんが欲しい歴5年

    Answer
    「受精卵が子宮の壁(内膜)に着床できる最適な時期を“着床の窓が開いている”と表現されます。
    十分に着床の窓が開いているかどうかはERA検査で調べることができます」~吉田先生

     

    「着床の窓」が開く期間はどれくらいでしょうか。それは瞬間的なものですか?

    「着床の窓(Window of implantation:WOI)」が開いているのは、排卵して5~7日後くらいの2日間程度といわれています。
    これまでは「着床の窓」を知る手段として子宮内膜日付診(組織学的基準に基づく方法)というものが一般的でした。しかしこの検査は痛みを伴い検査結果も一定しないため、最近ではあまり行なわれなくなりました。そして、胚盤胞移植は経験則から排卵後5日目に行なわれるのが一般的です。
    この「着床の窓」が開いているかどうかを調べるのが、最近話題のERA検査で、次世代シーケンス法 (高度な遺伝子解析) により着床期に子宮内膜上に発現している236個の遺伝子を同定し、その発現パターンを解析することによって、その人にとって最適な胚移植のタイミングを特定できるようになりました。

    着床に至らないのは移植の時期が合っていないから?

    従来まではグレードのよい胚盤胞を繰り返し移植し、着床が期待されたものの、妊娠反応が出なかったり、着床してもホルモン値が低く、すぐ消えてしまったりする反復着床不全(RIF)の場合、移植する胚盤胞になんらかの問題があると考えられてきました。
    現在は、受精卵が着床できる時期には個人差があることがわかっているので、このようなケースのなかに、移植の時期がその人の「着床の窓」と合っていない可能性も考えられるようになりました。
    もちろん、移植胚に問題がある場合が多いので、「着床の窓」だけが理由とは限りませんが、ほかに着床がうまくいかない原因を知るうえでは、ERA検査は有用な検査となりうるでしょう。

    「着床の窓」がずれていた人の割合を教えてください

    当クリニックのデータでは、ERA検査を受けた44名のうち、着床時期が排卵後5日目でぴったり受容期(Receptive)だった人が14名でした。一日早かった受容期前(Pre-Receptive)が16名、12時間早かった人(Early-Receptive)が11名、12時間遅れた人(Late-Receptive)が1名で、約66%の人の「着床の窓」がずれていたことになります。
    検査結果を踏まえ、受容期だった人の胚盤胞は通常どおりに移植を行ない、移植最適日がずれていた人は、それに合わせて胚移植を行ないました。
    順調に妊娠が継続し、卒業した人も含めると、受容期14名のうち約36%にあたる5名が妊娠。受容期前の人は16名中、25%にあたる4名が妊娠。12時間早かった人は11名中、約45%にあたる5名が妊娠しています。
    ERA検査導入後、なかなかうまくいかなかった患者さんで、妊娠、卒業されるかたがふえつつあります。やはりベストの時期に、良好な胚盤胞を戻せれば、良い結果に結びつくのではないかと思います。

    Question
    ERA検査をして胚移植する場合、戻すのは胚盤胞と決まっているのですか? 胚盤胞になる前の分割卵を使うケースはあるのでしょうか?

    Answer
    「受精卵は胚盤胞という成長段階で着床するので、胚盤胞移植のほうがERA検査の結果をより正確に反映できます」~吉田先生

    胚盤胞でなければいけないわけではありませんが、受精後2~3日目の分割卵が、ちょうど5日目に胚盤胞になるとは限りません。なかには6日目に胚盤胞になる場合もあるでしょう。
    現在は、培養液および培養技術の進歩により、着床直前の胚盤胞までの培養が可能になっています。ERAの検査で精度の高い着床時期を調べたのですから、着床のずれが生じる可能性のある分割期胚より着床直前の胚盤胞を移植するほうが、検査結果をより正確に反映できます。
    当クリニックでは ERA検査をする場合、移植できる胚盤胞ができてから、検査を受けていただくことをおすすめしています。特に年齢が高くなるにつれて、受精卵の染色体の数的異常の割合がふえ、胚盤胞まで育つ確率が低下します。検査を受けて着床時期が明確になっても、戻せる胚盤胞がなければ、何のために検査したのかということになりかねません。検査費用も安くはありませんので、しっかり胚盤胞を準備してから検査につなげたいものですね。

    ERA検査は一度受ければOKですか? 何度も受ける必要はない?

    ERA検査の結果は、周期によって大きなずれが生じることはないといわれています。検査を受けて、着床に最適な時期が決まれば、その後の胚移植は全てそれに合わせて行なえばいいと考えていただいてかまいません。
    また、ERA検査とセットで受けられる検査に、子宮内膜の細菌の種類と量を調べる「EMMA検査」と、感染性慢性子宮内膜炎の有無を調べる「ALICE検査」があります。EMMA検査の結果、着床のしやすさにかかわる子宮内膜の乳酸菌の量が少なければ、膣剤で補充できます。慢性子宮内膜炎は着床不全の一因になることがわかっていますが、適切な抗生剤を投与することで予防と治療が可能です。
    当クリニックでは ERA検査とセットで検査することをおすすめしています。

     

    監修

    お答えいただいたのは
    山下湘南夢クリニック
    副院長 吉田雅人先生

    1993年、山形大学医学部卒業後、同大学産科婦人科学教室入局。2001年、医学博士号取得。愛育レディースクリニック院長、やはたウィメンズクリニック副院長をへて13年、山下湘南夢クリニック勤務。翌年より副院長に就任。生殖医療専門医。抗加齢医学会専門医。

     

    山下湘南夢クリニックのホテルのような待合ロビーは、水の音がやさしく響き渡る癒やしの空間です。

    採卵や胚移植のあと、体を休める安静室は、自然光がたっぷりと入る明るいお部屋です。

    2F待合室は南欧調のラウンジです。間接照明のやさしい光が室内を照らし落ち着いた雰囲気となっています。

    培養室には最先端の機器がそろい、専門スキルを持つ胚培養士が常勤しています。欧州で実績のある医療機器認証済の培養器を輸入、臨床導入しました(国内初)。高度生殖医療研究所が併設され、医局、培養室と連携しながら最前線の研究を実施しています。

    山下湘南夢クリニック

    住所 神奈川県藤沢市鵠沼石上1-2-10ウェルビーズ藤沢4F
    アクセス JR東海道線・小田急江ノ島線「藤沢駅」南口から徒歩4分、 江ノ島電鉄線「藤沢駅」徒歩3分
    電話 0466-55-5011 

    詳細はこちら https://akahoshi.net/clinic/kanagawa/detail388.php

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