不妊治療

    プロラクチンが基準値より高くても妊娠できる?治療法は?【不妊治療専門医監修】

    公開日:2019.10.29 / 最終更新日:2021.03.09

    プロラクチンが基準値より高くても妊娠できる?治療法は?【不妊治療専門医監修】

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    高プロラクチン血症になる原因はいくつかあります。

    脳下垂体に腫瘍がある

    脳下垂体にできる腫瘍の中には、必要以上のプロラクチンを作ってしまうものがあります。

    脳腫瘍と聞くと怖くなりますが、高プロラクチン血症を引き起こしているのはほとんどが良性腫瘍で、がん(悪性腫瘍)ではありません。

    良性腫瘍もがんと同様に少しずつ大きくなります。ある程度大きくなると、近くにある視神経を圧迫して視野が狭くなってしまうことがあります。でも、がんのように周囲の細胞を侵しながら広がったり、別の場所に転移したり、正常な細胞が必要としている栄養を奪ったりすることはなく、命の危険もありません。

    甲状腺の機能が低下している

    甲状腺からは、たくさんのホルモンが出ています。この働きが低下すると、脳から「しっかり働きなさい!」と指令を出す別のホルモンが分泌されます。そのホルモンにはプロラクチンの分泌を促す働きがあるため、血液中のプロラクチン濃度が高くなります。

    薬の副作用

    ある種の抗うつ剤、向精神薬、胃薬が高プロラクチン血症を引き起こすことがあります。

    原因不明

    高プロラクチン血症は、原因がわからない・不明というケースも多いものです。

    乳製品の摂り過ぎが問題、飲酒が悪い、などと言う人がいますが、医学的な根拠はありません。ストレスが原因とも言われますが、どの程度影響しているのかはっきりとはわかっていません。

    高プロラクチン血症と生活習慣に明らかな関連があるとは考えにくいです。

    高プロラクチン血症の治療、どうすれば治るの?

    高プロラクチン血症と診断されたら、原因を見極めながら治療を行います。

    薬で治療する

    下垂体から分泌されたプロラクチンは、脳の別の場所から分泌されるドーパミンというホルモンによってその量をコントロールされています。高プロラクチン血症では、ドーパミンにしっかり働いてもらう薬を服用します。

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    むかつきなどの副作用が出ることも

    現在、ドーパミンアゴニストとして最もよく使われているのは、カバサールです。
    カバサールは週に1回飲めばよく、それまでよく使われていたテルロンやパーロデルのような毎日飲むものに比べて使いやすい薬です。

    副作用も以前使われていた薬より減っていますが、服用直後のむかつきなどは比較的よく見られます。

    *アゴニストとは、体が産生している物質と同じ働きをするものという意味。ドーパミンアゴニストとは「ドーパミンと同じような働きをする薬」のことです。

    手術で腫瘍を取り除く

    下垂体の良性腫瘍が高プロラクチン血症を引き起こしている場合、その大きさによっては手術で腫瘍を取り除くことが検討されます。放っておいても悪化するものではないのですが、あまり大きくなると視神経を圧迫して視野が狭くなるなどの障害が出ることがあるからです。

    ただ、実際にそこまで腫瘍が大きくなることはあまりありません。プロラクチン濃度が数十~100ng/ml程度なら、薬で治療するのが一般的です。薬によってプロラクチンの濃度はコントロールされ、腫瘍自体もある程度は縮みます。

    男性も高プロラクチン血症になる?

    妊娠・出産をしない男性の場合、プロラクチンの濃度は女性よりも低いのですが、分泌はされています。

    女性よりも基準値の上限は低い

    女性のプロラクチン濃度の基準値は30ng/ml以下ですが、男性は13ng/ml以下。プロラクチンは乳汁分泌以外にもさまざまな働きをしており、男性にも必要なホルモンです。

    精子の形成を妨げる可能性

    男性が高プロラクチン血症になると、精巣の働きが弱まり、精子の形成が妨げられる可能性があります。原因として多いのは、脳下垂体の腫瘍です。男性の高プロラクチン血症も女性と同様に、薬による治療が標準的です。

     

    編集部まとめ

    不妊治療をすすめるにあたり、自分とパートナーの体について知ることは大前提となります。専門医に相談しながら、現状を把握し、治療法を見きわめていきたいですね。

     

    監修

    フェニックスアートクリニック
    院長
    藤原敏博先生

    東京大学医学部卒業。医学博士。国際医療福祉大学大学院教授、山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター長などを経て、2018年に開院した現クリニック院長に。日本不妊カウンセリング学会理事長でもあり、患者の思いに丁寧に向き合う治療が高い信頼を得ている。体外受精の第一人者として常に最新の情報をチェックし、患者にとって最適・最短の治療を心がけている。

    取材・文/中根佳律子

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