妊娠しやすくなるメリットも。腹腔鏡検査・手術について知りたい!体験談あり【不妊治療専門医監修】|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
不妊治療
「痛そう」「こわい」イメージや、「どんな検査なのかよくわからない」という声も多い、腹腔鏡検査・手術。でも実は、自然に妊娠しやすくなるというメリットも!これらの検査については正しく理解することがたいせつ。こわがらずにトライしましょう。山王病院院長・堤治先生に伺いました。
①卵巣と排卵:成熟した卵子が、タイミングよく排卵される
②卵管:卵巣から排卵された卵子がキャッチされ通る道、卵管が細くなったりふさがったりしていない
③男性の要素:元気な精子が射精され、卵管までたどり着く
赤ちゃんがなかなかできないと思って受診したときに、まずこの3要素に問題がないかを調べます。3つの中の、卵管の異常の有無を調べるのが子宮卵管造影検査です。
この検査で卵管が詰まっているような場合は腹腔鏡検査を行ない、さらにくわしく調べます。
いずれも、卵管やおなかの中をきれいにするので、検査をするだけで妊娠しやすくなる効果も期待できます。検査の結果、卵管のダメージが大きい場合など、体外受精を選択しなければ妊娠がむずかしいという人もいるでしょう。
しかし、こうした検査や腹腔鏡手術を行なえば、自然妊娠が可能になる人も少なくありません。体外受精など、より高度な治療を受ける前に、正しい知識を持って不安を解消し、こわがらずに検査や治療を受けましょう。
【こんな場合に腹腔鏡検査が行なわれます】
・卵管造影検査をして卵管の通りが悪いとわかった場合
・卵管は通っていても子宮内膜症があって妊娠のじゃまをしていると考えられる場合
・卵管造影検査ではわからない癒着があると考えられる場合
・不妊治療を1年ぐらい継続してもよい結果が得られない場合など
おへそ下に小さな孔(通常3㎜)をあけ、細い管の先に小型カメラがついた腹腔鏡を入れて、中の様子をくわしくみるのが腹腔鏡検査。腹腔鏡検査・手術のよい点は、おなかにあける孔が小さいので、開腹手術よりも体への負担が少なく回復も早いこと、開腹手術では見えにくい子宮の裏側などもよく見えることなどがあります。また腹腔鏡検査をすると、おなかにたまっていた妊娠を妨げる物質(老廃物、子宮内膜症の炎症によってできた物質など)が洗い流されるため、妊娠しやすい環境になることも。
さらに検査と同時に、必要に応じて卵管周囲の癒着、子宮内膜症や子宮筋腫などの治療が行なえるのも、大きなメリットです。ただし、癒着がひどい、大きな血管から出血したなど、場合によっては開腹手術に切りかえられることもあります。費用は約10万円(保険適用、施設によって費用は異なります)。
●卵管検査で異常があった
●月経痛が重い
●1年以上、不妊治療の成果が出ない
①全身麻酔をかける
手術室に入り、全身麻酔をかけます。
②腹腔鏡を入れる
おへそのすぐ下を3~10mm切り、腹腔鏡を入れます。よく観察できるようにするため、二酸化炭素をおなかに入れ、ふくらませます。
③鉗子を入れる
下腹部を数カ所、3~5mm切開して、細長い手術器具(鉗子)をおなかの中に入れます。
④腹腔内を検査・治療する
腹腔鏡による映像をモニターに映しながら、鉗子を操作して処置。初期の卵管周辺の癒着や子宮内膜症、子宮筋腫の治療も行なえます。通色素検査で卵管の通過性も確認します。
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