痛くて最後までセックスできない…もしや子宮内膜症?【不妊治療専門医アドバイス】|妊活webマガジン 赤ちゃんが欲しい(あかほし)
不妊治療
妊活・不妊治療を始めると、ときにはセカンドオピニオンを聞きたくなることも。
全国の「あかほし」読者さんから寄せられた質問に、不妊治療専門ドクターが回答します。
今回は27歳の女性からのご相談。人には聞きづらいSEXについてのお悩みです。同じようなお悩みをお持ちの方も多いかもしれません。
『赤ちゃんが欲しい』で長年にわたり定評あるアドバイスを続けてくださっている山下レディースクリニック院長の山下正紀先生に回答いただきました。参考にしてくださいね。
27歳 セックスできない/治療はしていない
つきあい始めてから3年半、結婚して1年たちますが、いまだにセックスで最後まで挿入して射精ができません。
何度もトライしたけれど、挿入が痛くてつらいのです。ごくまれに痛みがなく挿入できても、動かすとあまりに痛くて、夫にやめてもらいます。また、一度痛いと感じると力が入ってしまい、すぐに抜けてしまいます。
初潮から数年で生理が止まり、ピルや排卵誘発剤で治療して、徐々に毎月生理がくるようになりましたが、生理痛がひどく、鎮痛剤を飲んでも仕事を早退するほどです。
ドクターからは「子宮内膜症だろう」と言われました…。
生理痛がひどく鎮痛剤を飲んでも仕事を早退するほどということなので、子宮内膜症の可能性はたしかに考えられます。
ですが、それ自体が挿入時に痛みを感じることの理由とは考えにくいと思います。
1つ考えられるのは、ホルモン不足等で膣のうるおいが足りないことによる痛みです。
現在すぐに妊娠を望んでいない場合は、エストロゲン製剤(内服薬、貼付薬など)で膣のうるおいを促すことで、性交痛がやわらぐ可能性があるます。
すぐに妊娠を望んでいる場合は、潤滑ゼリーを使ってみてはどうでしょうか?
けっして怪しいものではなく、昔から婦人科で推奨しているものもあります。ただし保険適用ではなく、患者さん自身で購入していただきます。今はネットでも販売していますね。
妊娠に関してはシリンジ法というのがあります。
シリンジ法は採取した精子を針のない注射器を使い女性の膣内に注入する方法で、専用キットを使用して自宅で簡単に行なえます。27歳という年齢でまだ時間的に猶予がありますので、試してみてもいいと思います。
また、どうしても性交痛が解決しない場合の選択肢として、人工授精にトライすることもできます。排卵時期を推測してパートナーに精液を採取してもらい、クリニックで子宮に注入します。
ですがこの方法は、女性側、男性側のさまざまな不妊検査を終えてから行うのが一般的です。
山下レディースクリニック
院長・山下正紀 先生
奈良県立医科大学卒業。京大産婦人科入局。舞鶴市民病院産婦人科医長を務める。オーストラリア・アデレード大学で体外受精の基礎を学び、帰国後、舞鶴市民病院にて近畿発のGIFT法による妊娠に成功、体外受精もスタート。神戸中央市民病院に着任(産婦人科医長、体外受精チーフ)。平成9年4月 山下レディースクリニック 開業。平成16年(神戸三宮磯上通)にクリニックを移転。
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