桜十字渋谷バースクリニック(東京都渋谷区)

院長 井上 治 先生

福岡大学病院、慶應義塾大学病院産婦人科、東京歯科大学市川総合病院勤務をへて、2018年桜十字渋谷バースクリニック開院、院長に就任。長年真摯な姿勢で不妊治療に携わり、カップルの状況や希望を考慮し、状況に応じた治療方針のもと診療にあたる。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。母体保護法指定医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。医学博士。

Specialist Interview

タイミング法を開始しました。
どのくらい妊娠しなかったら、ステップアップするべきですか?

ステップアップの目安には、年齢が大きく影響します。
30代前半なら1年程度が目安ですが、年齢が上がれば早めの切り替えがおすすめです。

年齢を考慮しつつ時間だけが過ぎてしまうことのない選択を

明るくエレガントな雰囲気の待合室。大きなソファや絵画などが配され、好きな場所でくつろげます。 

不妊治療は、 タイミング法、 人工授精、 体外や顕微授精へと段階的に治療を進めるのが一般的です。そして、 一定期間の治療で授からなければ次の治療に切り替えます。このことを 「ステップアップ」 と言います。
当院では特に一般不妊検査で問題なければ、 基本はタイミング法から始めますが、 海外のデータによると避妊しない場合、 約84%が1年以内に妊娠に至っています。しかし、 その期間で妊娠しなかった場合は、 2年続けても妊娠率はその約半分、 3年目では約14%止まり。つまり、 1年程度で妊娠しなければ、 同様の治療を続けても成功する可能性はあまり高くないということなのです。そのため当院でも1年を目安に、 ステップアップをおすすめしています。
ただし、 すべての人にそれを推奨するかというと、 そうではありません。なぜなら、 「年齢」 が非常に重要で、 その点を考慮しなければならないからです。当院の場合、35歳くらいまでのかたであれば、 先にお伝えしたように1年程度を目安としますが、35歳以上の場合は半年程度、40歳以上であれば3周期程度で体外受精へのステップアップを提案しています。妊娠率は年齢が上がるにつれ低下してしまいますが、 それは体外受精であっても同様です。年齢に余裕があればいいですが、30代後半以上の場合、 タイミング法を長く続けていると、 その間に授かりにくい年齢になってしまうことも。そこから体外受精を始めても、 状況が厳しくなる可能性も否めないのです。だから、 ステップアップの目安は一律ではなく、 年齢に合わせて考える必要性があります。
また、 タイミング法の次は人工授精というイメージをもたれるかたも多いかもしれません。人工授精は、精子の運動率が悪い場合などには効果的ですが、 そうではなければタイミング法と大きく変わりません。そのため、 体外受精へ進むほうが効率いい場合が多いのです。

Specialist Interview

今すぐ体外受精に進む ことには、不安があります。 ステップアップしないと 治療を続けられない でしょうか?

状況によっては タイミング法を続けることも 一つの方法です。 メリットとデメリットを理解し 納得のいくやり方で 治療をしましょう。

何が優先かは人それぞれ。ただ、 体外受精は妊娠への近道です

「体外受精」 へステップアップすれば、 必ず妊娠できるというわけではありません。ただ、 タイミング法や人工授精などで1年以上授からなかったかたが体外受精によってすぐかるケースは多数。タイミング法などを継続するより、 妊娠への近道になることが期待でき、当院でも、 87%の人が一度の採卵で妊娠に至っています (2018年5月〜21年2月調べ) 。
また、 体外受精で初めてわかる不妊原因もあります。例えば、 受精のトラブルはどうしても体外受精より前の検査ではわかりません。それに気づかずタイミング法を続けても、時間だけが経過してしまいます。こういった点においても、 体外受精が妊娠の近道になる可能性が高いと言えるのです。
ただ、 妊娠率が高いことはわかっていても、 体外授精となると、 なかなか踏み切れないという人も少なくありません。高額であることや仕事との両立が壁になってしまうのではないでしょうか。 不妊治療は、 「納得」をして進めることが大事。 「妊娠をしたい」 という気持ちと、 どうしてものしかかってしまうその他の負担とのつり合いがとれるような選択をし、 進める必要があると思います。そういったなかで、 例えば、20代などで年齢の余裕があり、 なおかつ 「今は仕事の時間を優先したい」 「費用面を飲み込めない」 などであれば「1年」 という目安にとらわれずタイミング法を続けることも、 ひとつの手段です。また、 年齢にかかわらず、 「高額をかけてまでではない」 という考えなどがあれば、 無理にステップアップする必要はありません。
「何が優先か」 は人それぞれ。 そして、ステップアップすることも、 現状の治療にとどまることにも、 両者にプラス面とマイナス面があります。ただし、 前述のように 「年齢」 と妊娠率の関係性、 体外受精で初めてわかる原因があることは念頭に置き、 後悔がないように進めていくことが重要です。

「頑張りすぎない」ことも大事。
つらくなったら、「少し治療を休む」ことも手段のひとつです

暖かな光が印象的な受付。笑顔のスタッフが迎えてくれます。

治療をしているなかで、 「頑張りすぎてしまっている人」 も多いように感じています。焦る気持ち、 我慢する気持ち、 不安感などが過剰になったり、 落ち込んでしまうことが続いたりすると、 体にも心にもストレスがかかってしまいます。それらは、 妊娠の妨げにもなりかねません。 「つらいな」 「しんどいな」
「疲れたな」 と思ったら、 思い切って 「少し、治療を休んでみる」 ことも一つの治療の手段だと思ってください。休憩を挟み気持ちを切り替えることがいい影響を与えてくれることもあります。
また、 「仕事との両立」 を頑張っているかたには、 通院しやすいようサポートをします。悩んでいること、 困っていることなどあればまずは気軽に相談をしていただきたいです。

衛生管理が徹 底された培養室。最新型のタイムラプスインキュベーターで胚を培養しています。

不妊治療に欠かせない卵のプロフェッショナル、胚培養士の皆さん。チームワークもバッチリです。毎週土曜日に体外受精オンライン説明動画配信を実施(予約制)。

DATA
住所 東京都渋谷区宇田川町3-7 ヒューリック渋谷公園通りビル4階
問い合わせ 03-5728-6626
アクセス JR山手線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩5分、東京メトロ「渋谷駅」6番出口より徒歩4分、JR山手線「原宿駅」表参道口より徒歩13分
URL https://www.sj-shibuya-bc.jp/
時間
9:00~12:30
14:00~17:30

※初診受付は、午前は12:00まで(水曜11:30まで)、
 午後は16:30まで。

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