Q.不育症の検査ってどういうものがあるの?

立川ARTレディースクリニック

不妊検査

院長 右島 富士男 先生

1995年北里大学医学部医学科卒業後、同大学病院産婦人科入局。2003年北里大学医療系研究科大学院博士号取得、北里大学医学部産婦人科専任講師に。04年スタンフォード大学産婦人科留学、05年ノースウエスタン大学産婦人科留学、07年I VFなんばクリニック入職、医長を経て、10年立川ARTレディースクリニック開院。

右島先生!教えてください!!

ご相談者:はるかさん 38歳

体外受精で3度妊娠したのですが、3度とも流産してしまいました…。不育症の検査を受けてみようと思っていますが、不育症の検査ってどういうものがあるの?

不育症について教えてください。

右島先生

妊娠はするけれども、自然流産を繰り返して生児を得ることが困難な状態を不育症といいます。2回の自然流産を繰り返すものを反復流産、3回以上繰り返すものを習慣流産と呼び、両者を含めて不育症といいます。不育症の原因は様々で多岐に渡ります。

不育症の検査はどういうものがあるのでしょうか?

右島先生

  1. 1.子宮形態検査
    子宮形態異常の治療は一般に手術療法での治療になります。粘膜下子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、中隔子宮の場合は経頚管的腫瘍切除術(TranscervicalResection:TCR)を行います。筋層内筋腫が子宮内膜に対し干渉がある場合には筋腫核出術の適応となります。
  2. 2.免疫学的検査
  3. 3.凝固系検査
    抗リン脂質抗体症候群が存在する場合、低容量アスピリン療法とへパリンカルシウム併用療法を行います。NaturalKiller(NK)細胞活性が高い場合はプレドニン療法や漢方薬の併用等の適応となります。血小板凝集能が高い場合は低容量アスピリン療法の適応となります。また、自己免疫異常の程度により漢方薬での治療や漢方薬と低容量アスピリン療法の併用療法を行います。
  4. 4.内分泌学的検査
    LH,FSH,E2を測定すること、またAMHの測定によって卵巣予備能を評価することができます。
    さらに、月経周期の異常の有無や超音波断層診断そしてホルモン値を評価することによって多嚢胞卵巣症候群等(PolyCysticOvarySyndrom:PCOS)の診断を行うことができます。PCOSはインスリン抵抗性を合併していることが多く、PCOSを疑う所見があれば空腹時血糖値とインスリン値を測定することによってインスリン抵抗性を評価することが出来ます。インスリン抵抗性を合併している場合には不育症との関連も示唆されているため、メトフォルミンの投与を行います。
    高プロラクチン血症は不育症の約15%に認められます。高プロラクチン血症は下垂体腺腫、甲状腺機能低下症や薬剤性のものも存在しますので、これらの疾患の評価も同時に行います。また、TRH負荷テストにより潜在性高プロラクチン血症を診断出来ます。高プロラクチン血症の場合にはテルロンやカバサールの投与を考慮します。
    黄体機能不全が存在する場合には黄体ホルモンの投与を行います。
    甲状腺機能は低下症や亢進症のいずれの場合でも流産や死産率を高めるとの報告があり精査および治療を受けていただく必要があります。
  5. 5.感染症検査
    膣内常在菌叢の異常やクラミジア・トラコマチス感染症の存在は流産・早産の原因となるため異常が認められた場合にはご夫婦いっしょに治療を受けて頂く必要があります。
  6. 6.染色体検査
    不育症患者ではご夫婦どちらかが染色体異常ある頻度が約2.2%と高い確率で存在します。習慣流産の原因としては転座が問題となります。相互転座、Robertson転座、逆位など、表現系の異常を伴わない均衡型の構造異常が一般集団に比較し、それぞれ15倍、5倍、20倍存在します。治療法がないため、十分なインフォームドコンセントが必要になります。

検査をして原因に合わせた治療を行うのですね。

右島先生

ちなみに流産の原因の約80%は胎児(受精卵)の染色体異常ですが、3回流産したことのある人で原因が3回とも染色体異常だった人の割合は51%、つまり不育症の人の約半数は原因不明となります。原因がわかった方には原因ごとの治療を行いますが、原因不明の方は何も治療をしなくても、次回の妊娠で成功する確率は高いといわれています。

ありがとうございました。最後にメッセージをお願いします。

右島先生

当院は不妊症治療・不育症治療専門のクリニックです。情報過多の時代、何を信じて良いかわからないことも多々あるかと思います。正しい治療法を示せるよう、皆様の道しるべとなるよう、「一つでも多くの家族が幸せであると実感できる医療」を目指し、アットホームな雰囲気でスタッフ一同、皆様をお迎えします。まずは一度、当院のドアを叩いてみてください。

当院には、ノーベル賞受賞者と共同研究を行っていた胚の培養歴が25年以上の優秀な胚培養士もおります。最新の設備と最先端の技術で高度生殖医療を提供しています。

行っている検査

  • 超音波検査
  • 血液・ホルモン検査
  • AMH検査
  • 子宮卵管造影検査
  • 頸管粘液検査
  • 子宮鏡検査
  • 染色体検査
  • 腹腔鏡検査
  • MRI検査
  • ホルモン負荷検査
  • ERA検査
  • 精液検査

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