慢性子宮内膜炎検査/CD138

慢性子宮内膜炎検査とは?

慢性子宮内膜炎は、細菌感染などにより子宮内膜に炎症が持続的に起こった状態のことをいいます。子宮内膜の異状によって良好胚を繰り返しても着床しない反復着床障害の原因のひとつとして注目されています。慢性子宮内膜炎の罹患率は約10-30%程度と言われています。

検査方法は?

慢性子宮内膜炎の診断をする場合、子宮内膜を少量採取し子宮内膜間質への形質細胞の浸潤をCD138の免疫染色法を用いて病理組織学的に診断します。また必要に応じて子宮鏡検査や通水検査が必要になります。現在、診断基準に一致した見解はありません。

慢性子宮内膜炎写真

慢性子宮内膜炎:子宮鏡検査所見

CD138免疫染色病理所見写真

同:CD138免疫染色病理所見 

検査の結果に対する対処法

慢性子宮内膜炎の治療には、抗生物質の長期投与法と原因を取り除く手術療法があります。

慢性子宮内膜炎の原因は、子宮内感染の可能性が指摘されていますが確定されていません。一方、その治療には、抗生剤の長期投与(2週間)が多く行われていますが、治療に難航する場合も少なくありません。当院では、子宮内膜症や卵管水腫による反復着床障害(着床能の低下や移植卵の着床・発育阻害)の原因を手術によって根本的に取り除く治療を行っております。

手術は、腹腔鏡下手術で行いますので手術侵襲も少なく短期入院で済みます(保険適用)。治療の手順は、まず腹腔鏡検査によって不妊原因の把握と治療方針を決めます。その結果、子宮内膜症を認めた場合には子宮内膜症病巣徐去術を、卵管留水腫や癒着を認めた場合には、卵管開口術や癒着剥離術を行い、正常な子宮内環境を取り戻します。

軽症例では、妊孕性は回復し自然妊娠が可能となります。一方、重症例では、術後卵管留水腫や子宮内膜症の再発が起こることから自然妊娠は期待できません。この場合は、卵管水腫液や腹水の子宮内流入による子宮内環境に対する悪影響を阻止する為に卵管起始部を凝固切断し、子宮内環境を正常に保つことによって体外受精を成功に導きます。なお、卵管切除術は、卵巣への血流障害が危惧されますので行いません。

限られた時間内に赤ちゃんを授かるために、経験とデータに基づく治療法の選択を行っております。体外受精に携わって40年来、これまでの経験を生かし1人でも多くの方に妊娠が授かるようお役に立ちたいと願っております。

卵管留水腫写真

軽症例:卵管留水腫

同卵管開口術所見写真

同卵管開口術所見

長田尚夫先生

教えてくれたのは

Natural ART Clinic 日本橋 院長
長田 尚夫先生

1969年日本大学医学部卒業、79年ドイツ マインツ大学にて2年間体外受精、腹腔鏡手術を研修。84年に国内4人目の体外受精児の誕生に成功。日本大学教授、Shinjuku ART Clinic院長を経て、2016年にNatural ART Clinic日本橋院長に就任。日本受精着床学会理事、世界体外受精学会(ISIVF)理事、Intl Assoc.A-PART理事長、日本産科婦人科内視鏡学会名誉会員、同技術認定医、日本産婦人科手術学会理事、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医。

Natural ART Clinic 日本橋

 Natural ART Clinic 日本橋待合室  Natural ART Clinic 日本橋外観  Natural ART Clinic 日本橋培養室

https://www.naturalart.or.jp/