第3回
中医学には月経周期を4つにわけ、それぞれの時期の体の状態に合わせて漢方薬を飲み分けるという不妊の治療法があります。薬膳も考え方は同じで、それぞれの時期にあった働きのある食材を摂ることで、妊娠しやすい体に整えていくことができます。
今回も、月経周期にあわせた薬膳をご紹介します。
第3回目は排卵期の食事です。排卵期は、いよいよ卵巣から卵子が排出される時期。スムーズに排卵が進むようサポートするような食材を中心に摂りましょう。
“卵子を排出する=動かす”ためには、「気」の働きが重要になります。さらに血流が悪くなると、動きが悪くなりますから、「血」の流れをよくすることも大切です。
薬膳の考え方のもと、バランスをとったメニューになっていますから、3品一緒に摂ることをおすすめします。
※「腎」はホルモンを管理しているところで、腎が弱くなると生殖機能が衰えてきます。
妊活では「腎」を補うことも重要です。
※「気」「血」「津液」については、こちらを(https://akahoshi.net/health_food/)を参考にしてください。
栗はアンチエイジングの働きが高い食材。生殖機能を管理している腎を強化しますから、妊活中の人にはよく使われます。ただし栗はカロリーが高いので、食べすぎには注意しましょう。
材料(2人分)
米![]() |
1カップ |
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しいたけ![]() |
2枚 |
甘栗![]() ![]() |
4個 |
焼き豚![]() |
50g |
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醤油 | 小さじ1 |
水 | 1カップ |
作り方
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焼き豚はサイコロ状に切る。しいたけはスライスする。 |
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すべての材料を炊飯器に入れて炊く。 |
「気」を流す働きのあるタマネギを丸々1個使った、タマネギが主役の餃子です。排卵期にありがちなイライラをおさえるセロリも入って、普通の餃子とはちょっと違った味と香りが楽しめますよ。
材料(2人分)
タマネギ![]() |
1個 |
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豚挽き肉![]() ![]() ![]() |
100g |
セロリ | 1本 |
卵![]() |
1個 |
塩 | 小さじ1 |
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醤油 | 小さじ1 |
餃子の皮 | 適量 |
作り方
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タマネギはみじん切りにし、セロリも小さく切る。 |
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ボウルに豚挽き肉、①、卵、塩、醤油を入れて、よく混ぜる。それを餃子の皮で包む。 |
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フライパンに油を引き②を焼く。 |
サバは「気」を補って「血」を流し、キムチなどの辛いものは「気」を流し「血」を流す働きがあります。体に余分な水分があると、「気」の流れが悪くなりますから、利水(利尿)作用のある生姜も使っています。辛いものが苦手な人は、キムチの量を調節しましょう。
材料(2人分)
サバ![]() ![]() ![]() |
1身 |
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生姜 | ひとかけ |
キムチ![]() |
100g |
醤油 | 大さじ1弱 |
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水 | 2カップ |
作り方
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サバは食べやすい大きさに切り、塩を振る。水分をふき取ったらグリルでサバを焼く。 |
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鍋に水と薄切りにした生姜、キムチを入れて10分ほど煮たら、①のサバを加えて1分ほど煮る。 |
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キムチによって塩分量が違うため、味見をしながら醤油で味を調節する。 |
瀧本靖子先生
中国医学研究家、国際中医師、国際薬膳師、日本薬膳師、管理栄養士、オールアバウトガイド、ソムリエ協会認定ワインエキスパート。実践女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、漢方と食事で病気の治療をする病院の食養内科に勤務。その後、老人福祉施設で管理栄養士として勤務。その頃、中医学のおもしろさに魅了され、中医学、薬膳を学ぶ。2005年4月に横浜・青葉台で「薬膳料理レストラン心味」を開店。2006年より「薬膳教室心味」をスタートさせる。
薬膳料理教室 心味
http://www.yakuzen-cocomi.com/
調理アシスタント:日本薬膳師
http://yakuzen-jissengakuin.jp/license
薬膳で、妊娠する人が増えています!
瀧本先生が主催する「薬膳教室心味」では、妊活中の方向けの講座も実施しています。そこで、薬膳を受講し妊娠された方からコメントをいただきました。食事や生活の参考にしてくださいね。
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