第23回
2年間続いた本連載も、残すところあと2回となりました。最後のテーマは「気持ちを前向きにする(メンタルを落ち着かせる)」です。
妊活中は周囲の何気ない一言で落ち込んでしまったり、夫婦で意見が合わずイライラしたりと、さまざまな場面でストレスを感じ、気持ちが不安定になることも多いと思います。そこで今回は、気持ちを落ち着かせ、安定させる薬膳をご紹介します。
中医学では、心配性であったり精神的に不安定になりやすい人は「血」が足りないと考えます。「血」を増やす食材である、ほうれん草、レバー、レンコンを中心に、気分を落ち着かせる働きのある食材を組み合わせました。きんぴらで使っているハスの実は、一部のスーパーやインターネットで購入できる、精神を安定させる働きが非常に高い食材。イライラしたり落ち込んだりすることの多い人にはオススメです。
薬膳の考え方のもと、バランスをとったメニューになっていますから、3品一緒に摂ることをおすすめします。
※「腎」はホルモンを管理しているところで、腎が弱くなると生殖機能が衰えてきます。
妊活では「腎」を補うことも重要です。
※「気」「血」「津液」については、こちらを(https://akahoshi.net/health_food/)を参考にしてください。
精神を安定させる働きのある小麦粉(うどん)、卵に、「血」を増やすほうれん草を加えました。忙しい中でもササッと作れるお手軽レシピです。
材料(2人分)
うどん | 2玉 |
---|---|
温泉卵![]() |
2個 |
ほうれん草![]() |
1/2わ |
---|---|
めんつゆ | 適量 |
作り方
![]() |
うどんを茹で、めんつゆは表示どおりに希釈して温める。 |
---|---|
![]() |
ほうれん草は3センチ幅に切って茹でる。 |
![]() |
器にめんつゆ、うどん、ほうれん草、温泉卵を盛り付ける |
「血」を増やすレバーに、イライラをおさえてくれるたまねぎ、クレソン、セロリを組み合わせたサラダです。和風ドレッシングと一緒にさっぱりといただけます。
材料(2人分)
豚レバー![]() |
100g |
---|---|
クレソン | 1束 |
セロリ | 1/2本 |
---|---|
タマネギ![]() ![]() |
1/2個 |
A.和風ドレッシング
ゴマ油 | 大さじ2 |
---|---|
醤油 | 大さじ1 |
酢 | 大さじ1 |
---|
作り方
![]() |
フライパンに油(分量外)をひいてレバーを炒め、火が通ったら取り出す。 |
---|---|
![]() |
クレソン、セロリは食べやすい長さに切る。たまねぎはスライスする。 |
![]() |
ボウルにAを入れてよく混ぜ、そこに①と②を加えてさらに混ぜる。 |
定番のきんぴらにハスの実を入れました。味付けは醤油だけですが、それぞれの食材の味と食感が楽しい一品です。
材料(2人分)
レンコン![]() |
100g |
---|---|
ハスの実 | 20g |
にんじん![]() |
1/2本 |
サラダ油 | 適量 |
---|---|
醤油 | 小さじ2 |
作り方
![]() |
ハスの実はお湯で1時間ほど戻し、茹でておく。 |
---|---|
![]() |
レンコンは薄めのいちょう切り、にんじんは太めの千切りにする。 |
![]() |
フライパンに油をひいて、レンコン、にんじん、ハスの実を軽く炒める。 |
![]() |
ハスの実の戻し汁と、醤油を入れてふたをし、レンコン、にんじんがやわらかくなったらできあがり。 |
瀧本靖子先生
中国医学研究家、国際中医師、国際薬膳師、日本薬膳師、管理栄養士、オールアバウトガイド、ソムリエ協会認定ワインエキスパート。実践女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、漢方と食事で病気の治療をする病院の食養内科に勤務。その後、老人福祉施設で管理栄養士として勤務。その頃、中医学のおもしろさに魅了され、中医学、薬膳を学ぶ。2005年4月に横浜・青葉台で「薬膳料理レストラン心味」を開店。2006年より「薬膳教室心味」をスタートさせる。
薬膳料理教室 心味
http://www.yakuzen-cocomi.com/
調理アシスタント:日本薬膳師
http://yakuzen-jissengakuin.jp/license
薬膳で、妊娠する人が増えています!
瀧本先生が主催する「薬膳教室心味」では、妊活中の方向けの講座も実施しています。そこで、薬膳を受講し妊娠された方からコメントをいただきました。食事や生活の参考にしてくださいね。
≫ 妊娠された方からのコメントはこちら