スペシャルインタビュー

[木場公園クリニック]不妊症はカップルの病気だから1人の医師が、男性不妊と女性不妊を平等に診察。常に患者と同じ目線で、謙虚に治療に取り組みたい

木場公園クリニック院長 吉田 淳先生

院長 吉田 淳先生

産婦人科・泌尿器科医。東邦大学医学部非常勤講師。1986年愛媛大学医学部卒業。東京警察病院産婦人科、池下レディースチャイルドクリニック勤務。1992年日本産婦人科学会専門医取得。その後、高度医療研究所・中央クリニック非常勤医師、東邦大学医学部第一泌尿器科学講座特別大学院研究生を経て、1997年医学博士取得(男性不妊症と染色体異常)。同年 日本不妊学会賞受賞(本邦の先天性精管欠損症と嚢胞性線維症の原因である△F508との関連についての研究)。東邦大学第一泌尿器科非常勤講師を経て、1999年木場公園クリニックを開設。


産婦人科医としての仕事をしながら男性不妊を学び、博士号を取得

―― 吉田先生が不妊治療に携わるようになったきっかけを教えてください。

医学生のころ、実習でいろいろな科を回って、初めはお産をとる医師になりたいと思ったんです。また産婦人科は外科的な要素も内科的な要素もあるし、女性の一生の健康をサポートする点にも魅力を感じました。

当時不妊治療として行われていたのは人工授精まで。ところが私が産婦人科医になって7~8年目に体外受精・顕微授精が登場し、生殖医療の新しい扉が開かれたと感じました。それで不妊症について学び、専門医の資格を取ったのです。


―― 木場公園クリニックといえば、吉田先生が1人で男性不妊も女性不妊も診ることが大きな特色です。産婦人科医であった吉田先生が、なぜ男性不妊に興味を持ったのですか?

不妊治療に携わり始めて、精子はたくさん見るけれど、旦那さんの顔が見えないと感じました。不妊症はカップルの問題なのに、女性だけが来院して、不妊症イコール女性の病気のように扱われているのはおかしいなと思ったのです。そして東邦大学医療センター大森病院の泌尿器科に男性不妊の治療を見学に行ったのをきっかけに、本格的に男性不妊について学び、博士号を取得しました。

東邦大学医療センターでは教授について約2000人の症例を、その後木場公園クリニックを開設してからもたくさんの患者さんを診ているので、男性不妊だけでも1万人ぐらいの経験があると思います。

―― 吉田先生が日々の診療で心がけていることは何でしょうか?

治療の面で言えば、「世界のスタンダードな医療を提供する」ということ。新しいものにすぐに飛びつくのではなく、王道を歩みたいと思っています。もちろん個々の患者さんに対する工夫は必要で、うまくいかないときはその理由を分析し、さまざまなアプローチを試みます。

それから患者さんとの接し方で言えば、常に患者さんと同じ目線に立つことを大事にしています。医師のほうが患者さんより立場が上だということもないし、逆に必要以上に患者さんにへりくだることもない。不妊症の患者さんに対して医者ができることは限られているので、常に謙虚な気持ちは忘れるべきではないと考えています。

ケンカになってもいいから、夫婦が本音で話し合うことが大事

―― たくさんのカップルを診てきた先生が、不妊治療に取り組む患者さんたちに伝えたいことは何ですか?

「夫婦仲」を大事にしてほしいということですね。うちのクリニックでは月に2回ぐらい、患者さん向けのセミナーを開いていて、そのときにもいつも言うんです。「不妊治療で受診するとき、人工授精にトライするとき、体外受精や顕微授精にステップアップするときなど、節目では徹底的に、たとえケンカになってもいいからご夫婦でよく話し合ってください」と。治療をどこまでやるか、あるいはやらないか、ご夫婦の気持ちが一致していないと、せっかく赤ちゃんが授かっても離婚…なんていう悲しいことになりかねません。

また、たとえば漢字検定や英語検定の試験みたいに、自分の努力が必ずしも結果に結びつかないのが、不妊治療の難しいところ。どんなにがんばっても、いつ妊娠できるかわからないし、妊娠できないこともあるのが現実です。ですから治療だけの生活にならず、趣味を楽しむ、上手に息抜きや気分転換の時間を持つようにしてほしいと思います。


―― 木場公園クリニックには他施設で治療を繰り返しても妊娠できなかった難しい症例が集まると聞きました。不妊治療は患者さんにとってストレスフルですが、先生ご自身にも大きなストレスがかかると思います。先生のストレス解消法は?

走ることが趣味なんです。それも普通のマラソンではなく、トレイルランと言って、山道を走るのです。今年は100マイル(約160㎞)レースを2回完走しました。山道を走ると鳥のさえずり、川のせせらぎ、木の葉が揺れてこすれる音など自然を全身で感じられ、自分たち人間もこの大きな自然の中で生きる動物の一種だということを、強く実感します。そしてそんな生命の誕生に関わる仕事に携わっていることを、あらためて幸せだなと痛感するのです。

基本情報

木場公園クリニック

住所 東京都江東区木場 2-17-13 亀井ビル2・3階
アクセス ●東京メトロ東西線「木場駅」3番出口 徒歩1分
電話番号 03-5245-4122
HP http://www.kiba-park.com/

営業時間

曜日・時間
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14:00~16:00 × × ×

△…13:00まで


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