妊娠したものの、2回以上の流産、死産(22週目以降にお腹の赤ちゃんが亡くなること)を繰り返す場合を「不育症」と言います。*
このとき、子宮外妊娠(異所性妊娠)や絨毛性疾患(全胞状奇胎、部分胞状奇胎)は流産回数に含まず、生化学的妊娠(化学流産)も流産回数には数えません。
また、1人目を正常に出産していても、2人目、3人目の妊娠の際に続けて2回以上の流死産を繰り返す場合は、続発性不育症として検査をし、治療を進めることもあります。
とはいえ、流産は妊娠全体の10~15%に起こるといわれ、決してめずらしいことではありません。
*不育症管理に関する提言2021(「不育症管理に関する提言」改訂委員会)より
決してめずらしいことではない流産ですが、その原因の6~8割は受精卵の染色体異常によるもので、防ぐことはできません。はじめて流産した場合や妊娠10週未満での流産であれば、次の妊娠に影響することは基本的にありません。
ただし、流産や死産を2回以上繰り返した場合や、妊娠10週以降に流産した場合には、不育症の原因がないかどうかの検査をうけるようにしましょう。
ただ、検査をしても原因がわからない場合も65.3%。リスク因子があったとしても、それが流産に直接関わってくるとは限りません。不育症については、まだ原因を解明したり、予防をするための研究がされている段階で患者さんにとってもわからないことが多いですよね。そこで「もしかして不育症かも?」と悩まれている方から寄せられた質問を不妊治療専門医にお伺いしました!
不育症かもと思ったら、受けるべき検査は?
6つの検査を行ない、原因に応じた治療おこなっていきます。
立川ARTレディースクリニック
(東京都立川市)
院長 右島 富士男 先生
不育症を予防する方法はあるの?
まず、タバコは絶対にやめましょう
佐久平エンゼルクリニック
(長野県佐久市)
院長 政井 哲兵 先生
一人目を体外受精で妊娠・出産。二人目では流産を繰り返しています。原因は?
もともと不育症要因はあっても一人目は運よく出産できるケースもあります。
神奈川レディースクリニック
(神奈川県横浜市)
院長 小林 淳一 先生
不育症と女性の年齢は関係ある?
ご夫婦の年齢が高齢になるにつれ流産率は上がります。
神戸ARTレディスクリニック
(兵庫県神戸市)
理事長 大谷 徹郎 先生
現在研究段階にある不育症検査のうち、保険適用を見据え先進医療として実施されるものを対象に、検査に要する費用の一部助成がはじまりました。
※申請手続き等に関してはお住まいの都道府県・指定都市・中核市のHPなどをご確認ください。