【第6回】「妊活は男女いっしょに」の時代。病院選びに新しい視点|最新妊活レポート

最新妊活レポート

第6回

「妊活は男女いっしょに」の時代。病院選びに新しい視点

あなたは、妊活のためにどんな医療施設に通っていますか?
とりあえず近くの産婦人科に行ったものの、しばらくして転院を考える・・・そんなこともあるものです。

今回は、病院選びについて考えてみましょう。

不妊治療を行なう医療施設は、大きく分けて3つあります。一般的な特徴をご紹介します。

○総合病院・大学病院

各都道府県にあり、最新設備など医療設備が充実していることが多く、他科との連携が可能、産科があればお産もみてもらえる。一方、診療時間が限られる(夕方や土・日曜はやっていないことが多い)、待ち時間が長いことが多い、担当医が毎回変わることがある、などのデメリットも。

○産婦人科(個人病院)

自宅や職場の近くで見つけやすく、同じ医師が担当する可能性が高い、産科があればお産もみてもらえるなどのメリットがある。ただし、不妊治療についてくわしいとは限らず、体外受精など高度な治療を行なっていない場合は転院が必要。また、待合室で妊婦さんと一緒になるので気が重い、という人も。

○不妊治療専門クリニック

不妊治療についてくわしく、体外受精など高度な治療まで受けられ、カウンセラーなどのサポートがあることも。しかし、地域によっては数が少なく、待ち時間が長いことがあったり、妊娠したら出産のための病院探しが必要といった苦労も。

病院選択時に重視する(した)こと
(n=560人(複数回答)/560人中)

自宅や職場から通いやすいから

338人, 60.4%

不妊治療をしている人たちの評判(口コミ)がよかったから

248人, 44.3%

医師が信頼できそうだと感じたから

240人, 42.9%

有名な病院だから

190人, 33.9%

通いやすい診療時間(早朝/夜遅く/土日も診療可)

189人, 33.8%

治療成績がよいから

176人, 31.4%

病院の治療方針が自分にあっていると感じたから

164人, 29.3%

病院のウェブサイトを見て、雰囲気がよさそうだった

135人, 24.1%

スタッフが親切そうだと感じたから

127人, 22.7%

治療費が適切と感じるから

118人, 21.1%

担当医が決まっているから

85人, 15.2%

予約制で待ち時間が短いから

71人, 12.7%

プライバシーに配慮がありそうだから

62人, 11.1%

支払が便利だったから(クレジットカード/振込可能)

37人, 6.6%

担当医が指名できるから

17人, 3.0%

その他

49人, 8.8%

NPO法人Fine「どうする? 教えて! 病院選びのポイント」アンケート(2012年)より。

不妊体験者を支援するNPO法人Fineの調査では、病院選びで重視するポイントは上記のような結果でした。

転院を考えている人は、まず自分の希望を整理してみるといいですね。

そして、施設によって治療方針が違うので、その施設のホームページなどで調べてみましょう。

これから通院を始めるという人は、検査や治療のために1カ月に数回は通うことになるので、通いやすさも考えてみましょう。仕事をしているなら、出勤前や仕事帰りに行けることも意識するといいですね。

ただ、実際に通ってみないとわからないこともあります。
悩んでいるうちに時間を過ごすのはもったいないので、とにかく一度行ってみて、検査だけでも受けてはどうでしょう。 もしも妊娠しにくい原因が見つかった場合、早く治療が始められます。

女性はもちろんですが、男性も検査が必要です。

女性と同じ産婦人科で精液検査はできますが、詳しい検査が必要な場合は、男性不妊に強い泌尿器科へ行くことが大事です。最近は、女性よりも先に男性が検査をするケースもあるようです。

受診時間を拡大! 女性のキャリアを支援。大学病院に新しい風

さて、これまでの常識を打ち破る新しい施設が、2015年7月1日、埼玉県越谷市にオープンします。

獨協医科大学越谷病院リプロダクションセンターは、男性不妊の専門医(泌尿器科)と女性不妊の専門医(産婦人科医)が、夫婦それぞれの検査と治療を担当します。つまり、男性と女性が同じ施設をいっしょに受診して、治療を受けられるのです。

また、それぞれの担当医2名と夫婦の4者が同席する機会を設けて、治療の提案をするとのこと。これは画期的です。

大学病院ながら、土曜も診療があり、9月以降は夕方の診療も開始予定。通院しやすい診療時間の設定で、治療によって女性のキャリアが途切れないことを目指しています。

また、男性診療の外来は、なんと週5日。さらに、精索静脈瘤やTESE(精巣精子採取術)、MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取術)などの手術はセンター内で行なうので、手術のために何カ月も待つことはないようです。

同病院の泌尿器科は、グループ内をふくめて年間約2000名の男性不妊患者を診察している実績があり、数年後には年間1万人の新患を目指すとのこと。

多くの患者が集まること、また大学病院ならではの最先端機器や設備による研究で、生殖医療の新しい診断や治療法が開発されていく可能性もあります。すでに「精子機能検査」という新しい検査も実施しています。

ちなみに、駅から徒歩3分という立地なので、通勤帰りに寄れるなど、アクセスがいいのも特徴。

冒頭に紹介した大学病院のイメージを覆す施設の登場で、不妊治療の現場と患者の意識が変わっていくかもしれません。要注目です。

○獨協医科大学越谷病院 リプロダクションセンター
http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/repro/

Profile

高井 紀子

編集者&ライター。自らの不妊経験を生かし、2000年より不妊に関する単行本やムック、雑誌、ウェブサイトなどの編集・執筆等を手がける。趣味は温泉めぐりと空を眺めること。不妊体験者を支援する「NPO法人Fine」スタッフ。