【第11回】養子を迎えるという選択|最新妊活レポート

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第11回

養子を迎えるという選択

●産まなくても子どもを育てられる可能性

夫婦の子どもを望んで妊活をしてきたものの、我が子を抱くのはむずかしいと感じたとき、他の道を選ぶ人もいます。

そのひとつが、養子や里子を迎えるという選択です。

子どもを産むことができなくても、「子どもを育てる」という可能性はあるのです。

実際にどうするかは別にしても、少しでも興味があるなら、情報を調べてみてはどうでしょう。

でも、どこで調べればいいの? 誰に何を聞けばいいの?

そもそも、養子と里子は、どう違うの?

そう。私もそうですが、このことについて、知らないことばかりなのです。

自分とパートナーの子どもがほしくて妊活を頑張っているときには、他のことはなかなか頭に入ってこないかもしれません。

そして、自分から積極的に探さなくては、情報を得にくいのが現状のようです。

そんなときに、とても参考になる本が最近、出版されました。

その本は 『子どものいない夫婦のための養子縁組ガイド 制度の仕組みから真実告知まで』(明石書店)。

著者の吉田奈穂子さんは、不妊治療を経験したのち、里親登録をして里子を迎え、その後、特別養子縁組をしています。

本書では、養子を迎えることを考えたときに必要な情報について、具体的にどのように情報収集をすればいいか、紹介されています。

また、各種の手続きの方法や、実際に子どもを迎えた後の子育てについても詳しく記されています。

そして、実際に養子を迎えた人の体験談が多数掲載されています。

ひとり一人違う体験から、どのような気持ちで子どもを迎えたのか、そのときの様子と喜びが伝わってきました。

著者の吉田さんに、お話を聞きました。

●特別養子縁組~いろいろな家族のかたちがある

Q どんな思いで本をつくることになったのでしょうか?

[吉田さん]
ここ数年、テレビや新聞などで特別養子縁組が取り上げられて、血縁のない親と子の家庭が知られるようになってきました。
養子縁組に関心を持ってくださる方々のなかには、不妊を経験したご夫婦がたくさんいらっしゃいます。
でも、「40歳を過ぎていると養子縁組はできないらしい」とか、「共働きは認められないんだって」など、中途半端に聞きかじった情報であきらめてしまう話をよく耳にしていました。
養親の年齢制限や共働きの可否はケースバイケースなので、関心を持ってくださる方々にまとまった情報を届けたいと思い、本を書きました。

Q どんなふうに読んでほしいですか?

[吉田さん]
特別養子縁組に興味のある方を対象に、情報の集め方、養子縁組を検討する際に必要となる考え方、子どもを迎えるまでの流れ、迎えてからの生活、真実告知、養親への支援などについて本書で説明しました。
といっても説明ばかりではなく、養親の体験談を中心に、養子や支援者のメッセージなどをたくさん盛り込んだので、養子縁組家庭についてイメージを持ってもらえるのではないかと思っています。
いろんな家族のかたちがあることを知っていただけたらうれしいです。

* * *

いかがでしたか?

私は本書を読んで、漠然としていた世界が、少しずつ見えてくるようでした。

そして、養子縁組は特殊なことではなく、私たちの身近にあるということも。

それを実感するのに、本書は本当におすすめです。

子どもを迎えるかどうかに関係なく、さまざまな家族のかたちがあることを知る、その一助になることでしょう。

ぜひ、手に取ってみてください。

『子どものいない夫婦のための養子縁組ガイド 制度の仕組みから真実告知まで』(明石書店)
http://www.akashi.co.jp/book/b212381.html

Profile

高井 紀子

編集者&ライター。自らの不妊経験を生かし、2000年より不妊に関する単行本やムック、雑誌、ウェブサイトなどの編集・執筆等を手がける。趣味は温泉めぐりと空を眺めること。不妊体験者を支援する「NPO法人Fine」スタッフ。