【第12回】妊活トピックス(2015年)|最新妊活レポート

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第12回

2015年、妊活トビックス

●ARTで生まれた赤ちゃんは24人に1人

2015年、あなたはどんな1年を過ごしましたか?

今回は、今年印象に残った妊活に関する話題を取り上げたいと思います。

まず、日本産科婦人科学会が発表した2013年のARTデータから。

ART(Assisted Reproductive Technology)とは、体外受精・顕微授精などの生殖補助技術のこと。

いまや多くの人がこの治療を受けていて、同データによると2013年の治療周期数は36万周期以上を数え、前年よりも約4万件以上も増えています。

また、2013年にARTによって生まれた赤ちゃんは42,554人を数えました。

日本の2013年の出生数は1,029,816人(「人口動態統計」により)。

つまり、その年の出生児の約24人に1人がARTによって生まれたことになります。

2012年は約27人に1人、2011年は約32人に1人だったので、ARTによって生まれる赤ちゃんの割合が年々増えているのがわかります。

また、この数字には入っていないタイミング法や人工授精によって生まれた子どももいることを考えると、不妊治療によって生まれる子どもの数が、いかに多いかが想像できますね。

晩婚化、晩産化が続く日本。この傾向は、しばらく変わらないでしょう。

●男性不妊がクローズアップ

これまで子どもができないのは女性の問題と思われがちでしたが、最近は男性不妊の話題に触れる機会が増えました。

男性不妊の治療費を助成する自治体も増えています。

たとえば、東京都では、今年(平成27年)4月から「精巣内精子生検採取法等に係る医療費助成」を開始しました。

これは、現行の特定不妊治療の助成額に加えて、特定不妊治療に至る過程の一環として行われる、精巣内精子生検採取法(TESE)、精巣上体内精子吸引採取法(MESA)又は経皮的精巣上体内精子吸引採取法(PESA)に係る医療費の一部を助成するもので、助成額上限は15万円。

そして、今年何度も耳にしたのが「精索静脈瘤の手術」について。

精索静脈瘤とは、精巣の近くに血液がたまる病気で、精子をつくる機能に影響を及ぼすことがあり、精子の数が少ないなど、男性不妊の原因になることがあります。

精索静脈瘤の治療には手術があります。
手術後に精液所見(精液検査の結果)が改善すれば、それまで体外受精・顕微授精の対象だったのが、人工授精でも妊娠が望めるケースも。
つまり治療のステップダウンがはかれるということ。

今年は、「精索静脈瘤の手術をした」「これから受ける」というカップルに何組も会いました。

男性側の治療にも、当事者や社会の関心が集まっていることを感じました。

●男性不妊に関するアンケートにご協力を

男性不妊に関して、厚生労働省の調査研究も始まっています。

平成27年度子ども・子育て支援推進調査研究事業の一環として、現在「我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究」が行なわれています。

これは、男性不妊に対する診療の実態を明らかにして、男性不妊患者に対する適切な情報提供などを行なうことを目的とした調査研究。男性不妊を専門とする泌尿器科医、不妊治療を行なう産婦人科医、不妊症看護認定看護師さんへの調査が進んでいます。

そして、不妊当事者の声も集められます。

当事者団体であるNPO法人Fineとフィンレージの会が、当事者調査を担当し、来年早々から約1カ月間、不妊治療経験者へのウェブアンケートを実施する予定です。

当事者の声を社会に届ける機会です。ぜひ、ご協力ください。
アンケートは両団体のホームページで紹介されるので、チェックを。

さて、来年は、どんな年になるでしょうか?
妊活中の皆さんの夢がかないますように、心から祈っています。

●NPO法人Fine  http://j-fine.jp
●フィンレージの会 http://www5c.biglobe.ne.jp/~finrrage/

Profile

高井 紀子

編集者&ライター。自らの不妊経験を生かし、2000年より不妊に関する単行本やムック、雑誌、ウェブサイトなどの編集・執筆等を手がける。趣味は温泉めぐりと空を眺めること。不妊体験者を支援する「NPO法人Fine」スタッフ。