【第13回】不妊治療のやめどきを意識したら…|最新妊活レポート

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第13回

不妊治療のやめどきを意識したら…

●書籍『不妊治療のやめどき』で16名が体験を語る

2016年が幕を開けて、もうすぐ1カ月。あなたは、どんなスタートを切ったでしょうか。

男性不妊治療への助成の広がりなど、妊活のニュースもいろいろありそうです。

さまざまな情報をキャッチして、自分たちらしい妊活に役立てたいですね。

さて、今後脚光を浴びることの一つが、「不妊治療のやめどき」ではないかと思います。

不妊治療を始めたら、いつかは終わりがくるもの。

それが「妊娠・出産」であったなら、とても喜ばしく、幸せなこと。

でも、それとは違う終わり方のほうが、実はずっと多いのです。

日本産科婦人科学会のデータによると、2013年の体外受精・顕微授精などのART(生殖補助技術)の治療周期数は、36万件を上回ります。

しかし、生産率(総治療周期数のうち出産した割合)は、35歳で17.2%、40歳では8.3%です。

では、妊娠・出産できなかった人は、どうしているのでしょう?

周りを見渡して、子どもがいない夫婦がいても、それが治療の末なのか、もともと望んでいなかったのか、もしかして現在、妊活中なのかは、わかりません。

「妊娠しました!」報告は聞いたり、目にすることが多いけれど、「治療をやめました」というケースは、そう表に出てこないのではないでしょうか。

高度な不妊治療が一般的になり、繰り返して治療できると、治療をやめるきっかけがつかめない・・・という声は少なくありません。

妊娠・出産の可能性は低いけれど、やめたあとのことを考えるのがこわくて治療をやめられない・・・。そんなふうに思っている人も、きっと多いことでしょう。

そんな方におすすめの本が出版されました。

『不妊治療のやめどき』(松本亜樹子著・WAVE出版)
http://j-fine.jp/book/funin.html

著者の松本さんは「NPO法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~」の理事長で、自身も不妊当事者であり、活動を通じて多くの不妊体験者と接してきました。

本書は、彼女の体験もふくめた妊活コーチとしての視点からの話、治療を終えた16名の体験談、そして医師・胚培養士・看護師・心理士という専門家からのメッセージで構成されています。

特に印象的なのが体験談です。

「不妊治療をやめた人は、どこにいるの?」

そう、ここにいます。

年齢や環境、治療歴が違う16名の女性が、悩み、苦しみながらたどり着いた現在。
つまり、「不妊治療・その後」のストーリーです。

「子どもを授かり、産み育てる」という願いは叶わなかったけれど、それぞれが自分らしく輝いて生きている。私は、そう感じました。

子どもがなかなか授からないと焦り、治療を経験した人なら、きっととても近い感情や思いを体験談から感じることができるでしょう。

実は、私も本書の制作をお手伝いさせていただきました。

16人の方にお話を聞きながら、さまざまな感情が湧きあがってきました。

次回は、取材エピソードなどを紹介したいと思います。

●男性不妊に関するアンケートにご協力を(2/14まで)

さて、前回お知らせした、男性不妊治療に関する厚生労働省の調査研究のためのアンケートが始まっています(回答期間:2016年2月14日まで)。

これは、男性不妊に対する診療の実態や患者が望む支援を明らかにするために不妊当事者の声を聞くもので、当事者団体であるNPO法人Fineとフィンレージの会がアンケートを実施しています。

男性不妊の当事者でなくても、不妊治療経験者であれば回答できます。
不妊当事者として、日頃感じていることを伝えてみてはいかがでしょうか。

また、男性不妊に関する最新の治療情報も紹介されていますので、ぜひ参考に。

「知っていますか? 男性の不妊治療 ~男性不妊に対する検査・治療についてのアンケート~」
http://danseihunin.index.ne.jp/

●NPO法人Fine
http://j-fine.jp

●フィンレージの会
http://www5c.biglobe.ne.jp/~finrrage/

Profile

高井 紀子

編集者&ライター。自らの不妊経験を生かし、2000年より不妊に関する単行本やムック、雑誌、ウェブサイトなどの編集・執筆等を手がける。趣味は温泉めぐりと空を眺めること。不妊体験者を支援する「NPO法人Fine」スタッフ。