第5回
基礎体温を整える①
今月と来月は「基礎体温を整える」をテーマに、薬膳レシピをご紹介します。
女性の体のバロメーターともいえる基礎体温は、排卵日を境に低温期と高温期が二相に分かれているのが理想です。しかし妊活中の方の場合、低温期の体温が低い場合が多いのではないでしょうか。この原因としては「腎精不足」、つまり女性ホルモンの不足が考えられます。また「気」「血」が足りない人も、低温期が短くなったり低くなりやすくなります。
ではなぜ「気」「血」が少なくなってしまうのでしょうか。それは体の消化吸収システム(胃腸など)が弱くなっているからです。消化吸収システムが弱っていると、食べたものを「気」「血」に変えることができず、さらに食が細くて食べられなかったり、食べても胃もたれすることが多くなります。
今回は、「気」や「血」を補いながら、胃腸を元気にすることで、卵を育てる大切な時期である低温期を整える薬膳の献立をご紹介します。
薬膳の考え方のもと、バランスをとったメニューになっていますから、3品一緒に摂ることをおすすめします。
※「腎」はホルモンを管理しているところで、腎が弱くなると生殖機能が衰えてきます。
妊活では「腎」を補うことも重要です。
※「気」「血」「津液」については、こちらを(https://akahoshi.net/health_food/)を参考にしてください。
砂肝の炊き込みご飯
胃腸を元気にする砂肝を使った炊き込みご飯です。蓮の実は心労からくる老化防止に使われる食材で、妊活で気持ちが疲れている人にはおすすめです。(蓮の実が入手できない場合は入れなくてもOK)
材料(2人分)
米ともち米![]() |
合わせて1カップ |
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水 | 1カップ |
砂肝 | 60g |
塩 | 適量 |
こしょう | 適量 |
油 | 適量 |
蓮の実 | 6粒 |
醤油 | 適量 |
作り方
1 | 砂肝は薄切りにし、フライパンに油を引いて、塩、こしょうで炒める。蓮の実は1時間ほどお湯に浸しておく。 |
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2 | 炊飯器に、①と米・もち米、水と醤油を入れて炊く。 |
ニンジンとブロッコリーのカレー風味のスープ
ニンジンの色が鮮やかな、カレー風味のスープ。「気」「血」を補い、流す食材をまんべんなく使っています。カレーの香りが食欲をそそり、おいしくいただけそうです。
材料(2人分)
ニンジン![]() |
1/2本 |
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たまねぎ![]() ![]() |
1/2個 |
ブロッコリー![]() |
1/4房 |
オリーブオイル | 適量 |
カレーパウダー | 適量 |
塩 | 適量 |
こしょう | 適量 |
水 | 2カップ |
ローリエ | 1枚 |
作り方
1 | ニンジンは小さめの乱切りにして、オリーブオイルをひいたフライパンで炒める。そこにスライスしたたまねぎを加えて、さらに炒める。 |
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2 | ①に水とローリエを加えてふたをして煮込み、カレーパウダー、塩、こしょうで味を整える。 |
3 | ②からローリエを抜いて、ミキサーにかける。なめらかになったら鍋に再び戻し、食べやすく切ったブロッコリーを加えて、塩で味を整える。 |
黒豆と山芋とくるみのつくね
体温が低い原因である性ホルモンの量を増やすためには、「腎」を強化する必要があります。その際に使われるのが、山芋、黒豆、くるみ、牛肉、干しえびなど。これらをまんべんなく取り入れたアンチエイジングによい一品です。
山芋、黒豆、くるみ、黒ゴマ、クコの実は、薬だと思って毎日食べ続けると、髪の毛も肌もツヤツヤになりますよ。
材料(2人分)
山芋![]() ![]() |
50g |
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黒豆![]() |
(乾燥で)20g |
くるみ![]() ![]() |
10g |
松の実![]() |
10g |
味噌 | 大さじ2 |
黒ゴマ![]() |
大さじ1 |
干しえび![]() |
5g |
牛ひき肉![]() ![]() ![]() |
150g |
塩 | ひとつまみ |
こしょう | 少々 |
サラダ油 | 大さじ1 |
しその葉![]() |
数枚 |
作り方
1 | 黒豆は一晩水に浸してから、柔らかく煮る。山芋は小さめのサイコロ状に切る。 |
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2 | 軽く炒ったくるみ、松の実、黒ゴマと、①の黒豆と味噌をフードプロセッサーにかける。 |
3 | ボウルに②と塩、こしょう、干しえび、①の山芋、牛ひき肉をいれてよく混ぜて小判型に成型する。 |
4 | フライパンに油をひいて③を焼く。焼けたら器にしその葉を敷いて盛り付ける。 |
Profile
教えていただいたのは・・・
瀧本靖子先生
中国医学研究家、国際中医師、国際薬膳師、日本薬膳師、管理栄養士、オールアバウトガイド、ソムリエ協会認定ワインエキスパート。実践女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、漢方と食事で病気の治療をする病院の食養内科に勤務。その後、老人福祉施設で管理栄養士として勤務。その頃、中医学のおもしろさに魅了され、中医学、薬膳を学ぶ。2005年4月に横浜・青葉台で「薬膳料理レストラン心味」を開店。2006年より「薬膳教室心味」をスタートさせる。
薬膳料理教室 心味
http://www.yakuzen-cocomi.com/
調理アシスタント:日本薬膳師
http://yakuzen-jissengakuin.jp/license
薬膳で妊娠する人が増えています
瀧本先生が主催する「薬膳教室心味」では、妊活中の方向けの講座も実施しています。そこで、薬膳を受講し妊娠された方からコメントをいただきました。食事や生活の参考にしてくださいね。
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