顕微授精はどんなケースに向いている不妊治療？私たち夫婦はどうなんだろう【医師に聞きました】

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不妊治療をきちんと理解するために、山下レディースクリニックの院長・山下正紀先生に質問。今回は「体外受精」に関する疑問に答えてもらいました。

関連記事→体外受精と顕微授精の違いって？

顕微授精はどんな場合に向く治療？

質問者データ
38歳／夫の年齢40代／妊活歴４年２ヵ月
既往歴：夫が乏精子症、子宮内膜症あり

体外受精と顕微授精、どちらを選ぶべきか迷っています。顕微受精はどんな夫婦の場合に向いているのでしょうか？

精子の状態が悪く、一般の体外受精ではむずかしい場合

顕微授精は、もともと重度の男性不妊（乏精子症、精子無力症、閉塞性無精子症など）を克服するために考えられた方法です。精子の受精能力に問題があるときに、受精の手助けの方法として、精子を振りかける（媒精）のではなく、顕微鏡下で精子１個を卵子の中に注入して、受精の成立を待ちます。

以前は、体外受精で妊娠できなかった場合の次のステップと考えられていましたが、技術が進み、安全性がほぼ確立した今は、国内での体外受精の約６割が顕微授精となっています。

治療の流れは、媒精の段階で、選び出した精子を卵子に直接注入する点が異なるだけで、採卵までや、受精以降の胚を戻す治療は、体外受精と何も変わりません。

体外受精か顕微授精かの決め手は、なんといっても精子の状態です。原精液の状態で決める施設もあるようですが、私のクリニックでは、元気のいい精子を集める操作（密度勾配遠心法＋スイムアップ法）を行ったうえで、運動精子が700万／mlあるかどうかが基準と定めています。

前回、媒精を行って受精しなかった場合は顕微授精にしますが、精子の状態以外でも、卵が１～２個しかとれなかったときに、より受精の確率を上げるため、顕微授精にするという選択もあり、希望があれば添うようにしています。

顕微授精を行う際には、従来からある先端のとがった針を刺すことで、物理的に卵子の透明帯を通過して、細胞質の中に精子を注入する方法と、10年以上前から全症例で行っている「ピエゾ法」があります。

ピエゾ法は、特殊な機器で卵子に微細な振動を起こして透明帯に穴をあけ、細胞膜を通して精子を注入します。

細胞膜の弱い卵子でも生存率が高く、また従来法と比べて、顕微授精を行う胚培養士の技術や経験に左右されないため、顕微授精の成績を安定させることにつながっていると考えています。

関連記事→【顕微授精について知りたい】特別な治療方法なの？妊娠する可能性があがるの？

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妊活スタート！治療の流れ

「赤ちゃんが欲しい」と思ったら妊活スタート。第一歩は病院探しから始まります。

１.まずはあなたにぴったりの病院を探す
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●病院の診療時間もチェック！
自分のライフスタイルにあった診療時間のクリニックかも合わせて確認しましょう。
あかほしの検索機能を使えば、９時前に診察OK、18時以降も診察している、土日祝も診察している、など条件からも探すことができます。

２.　予約（WEB予約をクリック）
受診するクリニックを決めたら、予約をいれましょう。WEBで予約をできるクリニックも増えています。初診だけは電話などで予約のクリニックもあるので、確認しましょう。

３.　クリニックに行く／問診票に記入
予約した日程にクリニックにいったら、まずは受付＆問診票に記入。問診票には、最終月経の状態、生活習慣、既往歴など検査に必要な質問項目に答えます。生理中でもできる検査もあります。

４.　先生によるヒアリング
事前に記入した問診票を見ながら、医師と直接話す問診タイム。日ごろから気になっていることなどはここで質問を。過去の病歴や、流産・中絶経験などもつつみかくさず正直に答えることが重要です。

５.　内診＆超音波検査
外陰部の視診や触診、腟鏡を使って腟内の状態確認を内診台の上で行います。外側からは見ることができない子宮や卵巣の内部は超音波で検査します。不妊治療における超音波検査は、内科の聴診と同様の位置づけだと考えましょう。

６.　血液検査＆尿検査
血液検査と尿検査は、ほとんどのクリニックで初診の時に行われます。不妊の原因になる疾患が見つかればその治療が優先されるので、初診で調べるのが基本。

７.　会計・次回の予約
ひととおり検査が終了したら待合室に戻ります。その後、会計をすませて初診の検査は終了。検査結果が出るスケジュールを聞いて次回の予約をします。初診時の多くの検査は保険が適用されますが、保険適用の有無は確認しておくと安心です。

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