一人目は出産できたのになぜ?繰り返し流産しています…二人目で不育症になることもあるの?【神奈川レディースクリニック】
「もしかして不育症かも?」と悩まれている「赤ちゃんが欲しい」読者から実際に寄せられた疑問をピックアップ!
神奈川レディースクリニック 理事長 小林 淳一 先生に答えてもらいました。
Q 一人目を出産後、二人目で不育症になることもありますか?
1回目の体外受精で妊娠・出産しましたが二人目では流産を繰り返しています。一人目を出産後、二人目で不育症になることもありますか?(S.Sさん/ 29歳)
A もともと不育症要因はあっても一人目は運よく出産できるケースもあります。流産を繰り返しているようなら、まずは検査を。
二人目不妊で不育症を心配されている場合、次の場合が考えられます。
実はご夫婦のどちらかに染色体異常があった場合や、もしくはもともと不育症のリスク因子(凝固系の異常など)があった場合でも、問題なく出産できるケースがあります。お一人目は不育症のリスク因子があったにも関わらず、運よくご出産まで至ったということが考えられます。
あるいは、一人目を出産した後に体質の変化があり、不育症になったという可能性もあります。一人目を問題なく出産された場合でも、不育症の可能性はありますので、検査されることをおすすめします。
当院でも妊娠された方の約2割が流産を経験。不妊症と不育症の可能性のどちらも視野に入れて対応
白を基調とした明るい雰囲気の受付です
神奈川県の主要な3路線(JR「東神奈川駅」、京急線「京急東神奈川駅」 、 東急東横線 「東白楽駅」 )各駅より5~8分でアクセスできる神奈川レディースクリニック。
19時までの受付や、土曜・日曜・祝日も対応できる体制を整えるなど、不妊症だけでなく、不育に悩む患者様の身近な存在としていつでも気軽に活用できるクリニックでありたいという想いを実現されている小林先生に、“不育症”の検査や治療に関するお話をお伺いしました。
「当院でも、通院されている患者様の30~35%ほどの方に、不育症の疑いがあります。一般的に、“2回以上の流産や死産を繰り返す”、“生後1週間以内の新生児の死亡”が不育症として定義されています。私の大学病院時代では(1985年頃)、13回目の妊娠で出産をした方がいました。その当時できた治療法は、バイアスピリンという抗血小板療法の基礎薬で、血液をサラサラにしてくれるお薬や、漢方薬などしか方法はなく、検査もかなり少なかったです」
明るく清潔感のある待合室
2003年に開院されてから今年で18年、これまで多くの患者様の卒業を見送ってきた小林先生。これまで、不育症の疑いのあった患者様も含め、多くの方を妊娠に導いてこられました。
「不育症の原因は多岐にわたっており、また流産の時期やパターンから原因を推定するのは難しいです。そのため、系統的なスクリーニング検査が必要となってきます。妊娠初期に流産してしまう大きな要因は胎児の染色体異常と考えられていますが、不育症の疑いがある場合は、しっかりと検査を行い考えられるリスク因子を調べます。
当院では、まず過去の妊娠歴(自然、AIH、IVF)、流産時の妊娠週数、心拍の有無を調べます。また、着床不全の場合もあるので、その検査が必要な方かどうかも確認しています。不育症の治療は、まず不育症の原因を特定するための血液検査から始めます。治療にかかる費用は当院では3万円~となります。また、それぞれの原因に応じてバイアスピリン、ヘパリン、漢方薬などで治療をしていきます。体外受精の方は胚の選別もします。
当院では、体外受精で毎年1,000人~1,100人妊娠され、800人くらいの方が出産に至っておりますが、250名くらいの方は流産されています。不育症だけではなく、不妊症が原因の可能性もありますので、どちらも視野に入れ対応をしています」
患者様のお悩みに寄り添い、その方に合う適切な治療を提案します
「通われている患者様で最も多い年齢層は35~40歳です。みなさん症状は様々ですが、流産は、女性の加齢とともに増加する傾向があります。その頻度は全体で10~15%程度です。40歳代では40%や50%という報告があり、40歳を越えると急激に流産の頻度が高まることが知られています。
ですが、1回の妊娠で流産する確率は12%といわれています。運悪く続いてしまったという可能性もゼロではありません。あまり不育症という言葉にこだわりすぎず、一人で悩まずに専門家に相談することが大切です。私たちは、『患者様のご希望に添って、その方に合う適切な治療を提案し進めていく』をモットーに患者様のお悩みに寄り添っています。一緒に、これからの事を考えていきましょう」
しっかりと仕切りがあるリカバリールーム
お答えいただいたのは
理事長 小林 淳一 先生
慶応義塾大学医学部卒業。1984年より習慣流産の研究と診療に携わり、1989年より済生会神奈川県病院においてIVFを不妊症・不育症の診療に導入。その後、新横浜母と子の病院の不妊・不育・IVFセンター長に就任。2003年 神奈川レディースクリニック開院。気軽に相談できる親しみやすい産婦人科医を目指す。
住所
神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1-11-5 ARTVISTA 横浜ビル
電話番号
045-290-8666
アクセス
JR京浜東北線・横浜線「東神奈川駅」より徒歩5分、京急線「京急東神奈川駅」より徒歩8分、東急東横線「東白楽駅」より徒歩7分
休診日
第1、3、5日曜日
時間
月/8:30~12:30・14:00~19:00
火/8:30~12:30・14:00~19:00
水/8:30~12:30・14: 00~19:30
木/予約制
金/8:30~12:30・14:00~19:00
土/8:30~12:00
日/8:30~12:00
祝/8:30~12:00
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