保険診療でも、心身に負担が少なく、成功率の高い治療を目指す。自費診療の方へも金銭的負担のより少ない不妊治療を提供【新橋夢クリニック】
自然周期法の体外受精とは?「新橋夢クリニック」にお話を聞きました。
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体への負担を減らしつつ、成功率を上げることが治療のポリシー
東京・新橋駅から徒歩1分に位置する新橋夢クリニック。開院以来、「通いやすく、負担の少ない治療」をモットーとし、一般不妊治療から、体外・顕微授精といった高度生殖医療を行っています。
「体外受精においては、『低刺激採卵』『小卵胞採卵』『胚盤胞移植』が、当院の治療の3本柱です。これらを軸としながら、できるだけ心身に負担をかけないことを目指し、高い成功率も維持してきました」そう話すのは、瀬川智也院長。
4階の待合室。診察室と内診室、処置室があります。壁に配したモニターに受付番号が表示され、診察の順番がわかります。
「卵巣刺激法は、一人ひとりの状況に応じて最適な方法を選択しますが、できる限り薬剤を使わない『低刺激採卵』を原則としています。特に40才以上の患者さんにおいては薬剤が卵巣機能を低下させることがわかっています。
そのことからも、薬を少量に抑え、体の負担を減らすことが大事だと考えています。『小卵胞採卵』とは、通常だと直径2㎝ほどの卵胞しか穿刺しないことが多いのですが、最新式の高解像度超音波診断装置を用いて5㎜程度の卵胞も刺す採卵法です。
低刺激周期の場合、大きい卵胞が少ない一方で、小さい卵胞が出てくることが多いため、『低刺激採卵』と『小卵胞採卵』の組み合わせは、成熟卵の回収率を上げることができます。それが、結果的に妊娠率の向上につながっているのではないかと思います。
胚移植を、妊娠率がより高い『胚盤胞移植』に特化していることも当院のこだわりです」
保険診療になっても高い成功率を誇る従来の治療法を継続できる
2022年4月から、人工授精や体外・顕微授精も健康保険適用となりました。保険診療は金銭的なメリットが大きい一方で、治療法を変えざるを得ないケースもあります。というのも、治療の一部にでも保険適用外の治療や薬剤を取り入れると混合治療となり、治療費のすべてが自費となるためです。
「保険診療になると、使える薬などが限られることで、これまでと同じ治療ができないというクリニックもありますが、その点において当院が原則としてきた治療法は、ほぼ影響がありません。高い成功率をおさめてきた、これまで通りの治療法を保険適用で受けていただけます。
患者さん側で特別大きく変わることは、負担額が大幅に減ることですから、明らかにメリット面が大きいと言えます」
また、保険診療の場合、胚移植の回数が39才以下は6回まで。40才以上43才未満は3回までという制限があります。胚移植には、「初期胚移植」と「胚盤胞移植」がありますが、胚盤胞まで育つかどうかわからない胚を移植する「初期胚移植」に比べ、胚盤胞まで発育した胚を移植する「胚盤胞移植」のほうが、移植あたりの妊娠率は当然高くなるといえます。
最新式の高解像度超音波診断装置は、経腟用プローブの先端が小さく挿入時の痛みも少ないそう。
「保険診療になる以前から当院では、『胚盤胞移植』にこだわってきましたが、いちばんの理由は妊娠率が高いことです。また、移植時点で成功率が高いと言える『胚盤胞移植』のほうが、移植回数に制限がある保険診療とも、相性がいいと言えるのではないでしょうか」
治療法が変わらないということは、これまで当クリニックが誇ってきた、高い成功率も変わらず維持できるということ。そして、この高い妊娠率と、体への負担が少ない治療法に魅力を感じながらも、金銭面がネックで治療を踏み切れなかった患者さんも、保険適用を機に多く訪れてくれるようになったそうです。
「実際、保険適用後はそれ以前と比べ、患者さんは2倍近くに増えました。増えれば、待ち時間が長くなる懸念がありましたが、初診でも〝予約制〞にすることで、待つことなく受診をしていただけています。患者さんが待ち時間や通院でストレスを抱えないよう、万全の体制を整えるよう努力しています」
顕微授精を行う培養室。無菌状態に管理され、受精卵の培養もここで行われます。
自費診療の方にもより金銭的負担の少ない治療
前述のように、保険診療が開始して恩恵をうけた患者さんが多い反面、43歳以上の保険適応にならなくなる患者さんへのケアが疎かになっているように感じます。
当院では、自費診療で不妊治療を行う患者さんの初診時にかかる治療費用を出来るだけ安くなるように設定してあります。また体外受精の費用も治療回数により減額されるようになっています。当院では自費診療の場合でも多くの患者さんが妊娠・卒業されています。
採血や注射をする処置室。隣席とは衝立で仕切られています。
希望者にはPGT‐Aを実施。枠にとらわれず、その人にとって最良を提案
院長が力を入れていることのひとつに「PGT‐A(着床前胚染色体異数性検査)」があります。
「流産の原因の多くは、染色体の異常ですから、PGT‐Aを実施することは、流産率の低下ないし、着床率、妊娠率の向上が期待できます。当院ではPGT‐Aを経て移植した約3分の2の方が継続妊娠に至っています。
ただ、この検査は保険適用外になるため、取り入れると保険診療ができません。しかし金銭的なメリットよりも、『流産を繰り返したくない』を第一に考える患者さんには、自費にはなりますがPGT‐Aを取り入れた治療を提案しています。
金銭的な負担が多いことも事実ですが、それよりも流産による身体的負担が大きいという人がいることも事実。何がいちばんの負担かは、患者さんそれぞれです。選択肢は減らさずに、一人ひとりにとっての『負担が少ない治療法』を実施していくことを大事にしています。
採卵後に休憩するリカバリールームは、プライバシーに配慮した個室タイプ。
保険診療でも、心身に負担が少なく、成功率の高い治療を目指す。自費診療の方へも金銭的負担のより少ない不妊治療を提供。
保険診療では、「各周期必ず1回は旦那さんも通院する」というルールが設けられています。捉え方によっては負担が増えたようにも感じてしまうかもしれませんが、不妊治療は二人で行うものです。
治療への理解を深める意味でも有意義であり、結果的にメリットになると思います。また、保険適用によって不妊治療のハードルが下がり、30代前半の患者さんも多くなったように思います。不妊治療は、年齢が若いうちのほうが妊娠率は高く、流産率も低くなります。気になる人は、ぜひ早めに踏み出しましょう。
3階の受付と待合室。ゆったりとしたソファタイプの椅子が並びます。
監修
新橋夢クリニック
院長 瀬川 智也 先生
医学博士、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本A-PART学会理事。1992年金沢大学医学部卒業後、同大学医学部産婦人科学教室に入局。福井県立病院、市立輪島病院、加藤レディスクリニック勤務などを経て2010年より新橋夢クリニック勤務。11年同クリニック副院長に就任。16年同クリニック院長および理事。
新橋夢クリニック
住所
東京都港区新橋2-5-1 EXCEL新橋
電話番号
03-3593-2121
アクセス
JR「新橋駅」日比谷口、東京メトロ銀座線・都営浅草線「新橋駅」8番出口、都営三田線「内幸町駅」A1番出口より徒歩1分
診療時間
月/8:00~13:00、15:00~17:00
火/8:00~13:00、15:00~17:00
水/8:00~13:00
木/8:00~13:00、15:00~17:00
金/8:00~13:00、15:00~17:00
土・日・祝日/8:00~13:00
休診日:年末年始・ゴールデンウィーク・お盆期間は午前診療のみの場合があります。
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