【妊活のニューノーマル】限られた対面診療を濃く深く。“患者ファースト”が話題のクリニックとは?
妊活・不妊治療もwithコロナ時代に。赤ちゃんを望むご夫婦にとってかけがえのない時間は、感染症対策を行いながら、治療に有効に使いたいものです。
患者さんを迎えるクリニックの対策も、日々進化しています。そこで、感染拡大防止の最前線と、こんなときだからこそ心がけたいベビ待ちさんへのアドバイスを不妊治療専門医・政井哲兵先生に伺いました。”妊活のニューノーマル”を実践している佐久平エンゼルクリニックをのぞいてみましょう。
誰もが安心して通院できる感染対策を徹底して実行中!
【withコロナ妊活】安心して通える!佐久平エンゼルクリニックの新診療システム5選でもお伝えしたように、3密をさけるため、佐久平エンゼルクリニックでは引き続き、次の感染症拡大防止策を徹底しています。
・診察室と面談室、待合室に飛沫防止パーテーションを設置
・感染防止のためスタッフがマスクとガウンを着用
・患者さん一人ひとりに対し、診察台と説明室の消毒を実施
・オンライン診療の環境整備
・キャッシュレス決済の充実
・体外受精の動画を配信
・診察の順番が来るまで自家用車で待機
患者さんから、「感染症対策がしっかりしているため、安心して通えます」という声をたくさんいただいたことは、僕たちとしてもうれしい限り
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初は、「治療を受けられますか」という問い合わせをいくつかいただきました。
はじめは、未知のウイルスについて情報があまりにもなかったため、すごく心配されている患者さんもなかにはいらっしゃいました。けれども、最近は多くのかたが、日常生活において感染予防につながる習慣をとり入れておられます。
クリニックにも初診の方が増えてきていることから、以前に比べ、患者さんも恐れることが少なくなったのではないかと感じています。
座席には紙を貼り、ソーシャルディスタンスを保つ工夫が
ただ、気をつけるべき点はコロナ慣れして、ゆるみが出てしまうこと。そこから、クラスターが発生してしまう可能性もあります。
そういう心配もゼロではないので、僕らとしてはコロナ対策を最大限に行い、医療機関としてあるべき状態で、患者さんをお迎えするよう心がけています。基本は、『治療を希望される患者さんに安心して来院いただきたい』という想いに変わりはありません。みなさんに安心して通院いただけるように、これからも徹底した感染症対策を実践していきます。
新型コロナウイルスによる不妊治療への影響は?
2020年の夏くらいまでは、コロナに対する先行きの見えない不安を抱えているかたが多かったのではないでしょうか。当院の患者さんもそうでした。
その頃は治療や卵の移植を控え、卵子だけはとって凍結して備えておきたいというかたがたくさんいました。ところが、最近の傾向はむしろ逆です。治療を延期したいというかたは、ほとんどいません。
コロナに影響されることなく、患者さんご自身が希望する治療に、また進んでいけていることは、とてもいい傾向といえるかもしれませんね。
あらためて、対面でのコミュニケーションをしっかり
一時期は、医師と患者さんが向き合う場面を減らし、なるべくコンパクトに要望や体調の確認を行うようにしていました。かわりにメール相談フォームを開設して、医師からお返事していたのですが、現在は限られた対面の時間を、最大限大切にしたいと考えています。
せっかくクリニックまで足を運んで診察を受けたのに、医師に聞きたいことを聞けなかったというモヤモヤが残ってしまうと、治療に前向きになれないことが出てくるでしょう。
さいわい、クリニック近隣でのコロナの状況は落ち着いています。もちろん、細心の注意をはらいつつ、対面での診察時間は少しづつ従来と同じくらいに戻しており、小さな不安の芽も摘んでいけるように心がけています。
ドクターに不妊治療について質問できる相談フォームも継続!
開設したメールでの相談フォームですが、とても好評ということもあり、対面での診察時間を長く戻したあとも、診療の補足的な部分でも活用しています。
なかにはメールでお答えするよりも、診察のときに直接お話したいこともあります。そのようなときは、「今度いらしたときにお話しましょうね」という文面をお送りしています。
診療の関係で、すぐに返信できないこともありますが、個別のメール相談は続けていく予定です。
相談・お問い合わせは電話でもOK
佐久平エンゼルクリニックでは、電話相談というスタイルで看護師さんがお話を聞く体制もととのえているそう。
「患者さま一人ひとりが安心して治療していただけるように感染症対策などしっかりさせていただいております。不安なことなどございましたら、何でもご相談ください。気軽に電話相談いただきたいと思っています」(看護師・秋和さん)
不妊治療の不安をなくすためスタッフ一丸となって
コロナ前の体外受精の説明会では、対面でご説明をして、質問があれば、その場で回答していました。現在は動画と資料を患者さんにお渡ししています。
そして、動画を見た患者さんから質問があったときは、スタッフをまじえて一つひとつ分析。ココの説明が足りないから付け加えようといったように、資料をバージョンアップしています。
患者さんに好評のキャッシュレス決済
受付担当 新井さんによると、コロナをきっかけに、既存のクレジットカード決済のほか、paypay、LINEpay、au payのQRコード決済を導入したところ、患者さんにとても好評とのこと。
「現金よりクレジットカードやスマート決済を利用される方のほうが多く、非接触決済はこれからの主流になっていくのかもしれません」(新井さん)
コロナ渦の今だからこそ、ベビ待ちのみなさんへ
妊娠して、卒業されていくかたにもお話ししていることですが、今は先が見えない時代で、何を目標に進んでいけばいいのか、みなさんも正直わからなくなってしまうことがあると思います。
それは僕たちも同じで、手探りのようなところはまだまだあります。でも、僕らとしては、患者さん一人ひとりにあった適切な治療を、適切な方法で、従来どおり安全に気をつけながら行っていくスタンスは変わりません。どうか、過剰な心配はしないでくださいね。
ステイホームの今、ベビ待ちさんにしてほしいこと
withコロナ時代、免疫力を高めましょうと言われるようになり、生活習慣を見直したかたが少なくないでしょう。コロナ対策はもちろんですが、これは妊活においてもとっても大事です。
不妊治療の成果を上げるためにも、患者さんに心がけていただきたいのは、この機会にふだんの生活習慣や食生活を見直すこと。栄養バランスの整った食事をしっかりとり、適度な運動をして、早寝早起きすることは、妊活にもコロナ対策にもきっとプラスになるはずです。
おうち時間が続くと、生活リズムが崩れてしまうこともあるでしょう。そんなときは気持ちを切り替えて、近所を散歩したり、毎日のルーティンに軽い運動を取り入れてはどうでしょうか。
テイクアウトやフードデリバリーが続いて、栄養バランスが偏ってしまったら、おうちごはんを頑張ってみる。withコロナ時代を前向きにとらえ、あらためて暮らしかたを見直す機会にしてみてくださいね。
赤ちゃんが欲しい(あかほし)編集部から
「限られた診察時間だからこそ、濃く深く」。妊活中の不安な気持ちにやさしく寄り添ってくれる政井先生。不妊治療にまつわるどんな小さな不安も、しっかりと取り除いてくれます。ソーシャルディスタンスが求められるいま、うれしい治療コミュニケーションといえますね。
診察時に聞こうと思っていたのに忘れちゃった!というときも、メールの個別相談や看護師さんとの電話相談でフォローしてもらえるのも安心ですね。
患者さんの声を反映させる仕組み作りに余念がない佐久平エンゼルクリニック。患者さんの厚い信頼を寄せられている理由は、こんなところにもあるのかもしれません。
お話を伺ったのは
医療法人佐久平リプロダクションセンター
佐久平エンゼルクリニック
院長 政井哲兵先生
鹿児島県鹿児島市出身。鹿児島大学医学部卒業後、東京都立府中病院(現・東京都立多摩総合医療センター)、日本赤十字社医療センター、高崎ARTクリニックを経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。日本生殖医学会認定生殖医療指導医、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。
https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/
文/小山まゆみ
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