若い女性は戦後より飢餓状態⁉︎妊娠を目指す「よい体」ってどんなカラダだろう?今日からできる!女性のヘルスケア【医師に教わるプレコンセプションケア】
妊娠する前の生活習慣は、妊娠に大きく関わるということを知っていますか?
だけど、現代を生きる若い女性の多くは仕事が忙しく、どうしても不規則な生活になりがち…。食生活においても、朝食を抜いたり、外食やコンビニなど簡単な食事で済ませてしまうことも多いのでは?
そんな女性たちの妊娠を目指すためにどうしたらいいのか?できることはあるの?という、不安や疑問にこたえるべく、フィーカレディースクリニックの院長・佐野麻利子先生にお話をしていただきました。『妊娠しやすい体づくり』参考にしてください。
痩せた女性は妊娠しにくい?妊娠する前からケアが必要な理由
不妊治療をしても妊娠にいたるケースがなかなか伸びないのは、妊娠する前の体の状態が不健康な人が多いことも原因のひとつなのではないか、という考え方があります。
皆さんは「プレコンセプションケア」についてご存じでしょうか。
見慣れない言葉かもしれません。このプレというのは「前」、コンセプションは「受胎」という意味です。受胎をする前、つまり妊娠する前のケアということです。
妊娠前の状態が、将来の妊娠予後(出産後、どの程度回復するかの見通し)や、生まれてくる赤ちゃんにも関係するということが、2008年に米国疾病管理予防センター(CDC)で提唱されました。日本では2015年に国立医療センターに日本初のプレコンセプションケアセンターが開設されましたので、少し遅れをとっていますが最近の新しい概念です。
では、なぜこのプレコンセプションケアということが必要なのか。そこには近年の未婚化、晩婚化の影響によって、高齢出産が増加しているということと、少子化に拍車がかかってるという問題があります。それと同時に、やはり不妊治療をうける患者さんが増加してるという背景があります。
若い女性は戦後より飢餓状態⁉︎
平成29年(2017年)の国民健康栄養調査では、特に20代の痩せ(BMI 18.5以下)の割合が2割と報告されています。1995年の報告から比べると、20代の摂取エネルギーがすごく減っていることがわかります。
また、男性と比べても、女性は本当に痩せの方が多いということがわかっています。
痩せた女性は、妊娠しにくいことや、低出生体重児を出産する割合が高い、というデータが出ています。やはり妊娠前のトータルケアが必要なのです。データによっては、今の若い女性は、戦後よりも飢餓状態とも。
そこには、仕事で残業が多く、家で料理をする時間がなく、外食やコンビニで食事をすますことが多いなど、さまざまなバックグランドが考えられます。また、朝が弱い方が多く、朝食を抜いてしまうケースも多いようです。
年代ごとにみても、20代は朝ごはんを食べていない方のほうが多いことがわかります。
日本だけ…?低出生体重児の割合が著しく増加
低出生体重児の割合というのは、その国の豊かさを反映すると言われます。
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